レポート29:火山について
火都北西部に存在する大火山。住民はそれを火竜の爪と呼ぶらしい。
この世界でも有数の超大規模活火山。火のエレメントの活性する地。
本来の山であれば標高100m事に0.6度程度下がっていくがこの山は違う。
標高標高800mのこの山は、100メートル毎に約3~4度、気温が上昇する。頂上付近では気温は50度後半にもなる超危険地帯。
そんな山を今、登るもの3人。具体的にいえば2人と1機。
「あっつ…」
「なかなか…傾斜もきついなこれは。」
「現在気温40度程度。幸いギアにより水は無限に出せます。無理せず行きましょう。」
「なんでモノリスは汗ひとつかいてないんだ…」
「デバイスですので。」
暑さにもかかわらず、くらい革製のコートを着たまま歩く過求。流石に暑さに耐えかねて上着を腰に巻いたスタイルで登るウィーネ。文字通り涼しい顔で先行し安全を確認しながら歩くモノリス。
今回の目的は、防具の素材の確保。
集めた情報を擦り合わせた結果、わかった事は以下の三つ
・頂上に火の効かないカエルがいる
・頂上付近にはマグマの中に住む亀がいる
・衝撃を蓄積し、熱として放つ石がある。
偶然か環境か。手がかりの全ては火山にあったが故の山登り。
「にしても暑いね、ほんと…」
「気温がかなり高いですから。」
「幸いなことは脅威になる生物がほぼ居ないことか…?」
「時々火を吹いてくる鳥はいるけれどね。」
「ドラゴンのブレスと比べれば熱風程度のものです。」
また飛んできた燃える鳥を投石で撃ち落とすと当たり所が良かったのが地面に堕ち、拾い上げると燃えていた体は鎮火しとても美味しそうに肉汁が滴っている。携行している塩とハーブをかけて人かじり。骨は多いが十分に美味い。
「まさか、最初から火が通ってるとは思わんかったが。慣れれば上手いなこれ」
「よくそんなにガリガリいけるね…私は骨が多くてとても。」
「マスターは骨まで食べるタイプのヒューマンです。気にしない方がいいかと。」
「失礼な。面倒じゃなければ骨の処理くらいはするさ。」
「面倒ならしないんだね??」
セルフ焼き鳥を狩りながら進んで行くとだんだん地面に溶岩溜まりや、ひび割れた地面の下にオレンジ色の赤熱が見えるようになってくる。気温は依然として上昇を続け、50度に差しかかろうとしていた。
「……マスター!」
「っ…回避!」
咄嗟に避けながら義手で弾いたものを見ると、溶解した岩など。
その方向を見るとなにか、カエルような生き物が、腹を膨らませたりへこませたりしている。
皮膚は赤色。両手足は鉱石のようなものに包まれており、波立つ溶岩の中でこちらを見つめている。
「あれが目標のカエル…か?」
様子見をしていると大きく膨らんだカエルの腹から、透けるオレンジ色。
ウィーネとモノリスは岩場に隠れており狙いはこちら。
「【倉庫:解放】」
放たれた溶岩の奔流を遮るように、突如空間から、石壁が落ちてきた。
「狙いが分かりやすくて…助かるよ!!」
そのまま義手を石壁につくと、機構が動き出し掌から、杭が飛び出し石壁を破壊。勢いそのままに破片をカエルへと飛ばし、杭がカエルの足に突き刺さる。
「物は壊れても技術は転用できる。強いて呼ぶなら…パイルバンカーではないか?
ハンドバンカーとでもしておくか。」
礫に怯んだカエルが、再び大きく溶岩を吸い込んだ刹那。水のレーザーがカエルの頭を直撃。
「マスター!」
「よく膨らんだ腹だなぁ…まるで水風船みたいじゃないか。」
意識がそれたその間にカエルに肉薄していた過求が腹に義手を添える。
「【ハンドバンカー】」
リロードされた杭が飛び出すと、がカエルを貫き、その瞬間ウィーネがダッシュで過求の首根っこ掴んで離脱。
「っくびっ…くびしまるから…」
「馬鹿なのかい君は!!自分で水風船だなんて呼んでおいて…なぜ腹を刺す!!」
「……あ」
杭が圧力に負けてすっぽ抜け、吸い込まれていた溶岩が辺りに飛び散るのと、ウィーネが過求を連れて岩陰に隠れたのはほぼ同時であった。
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【モンスター解説】
・火焼鳥
火山頂上付近に生息している鳥、汗が非常に燃えやすい可燃性の油となっており、火山の気温で常に燃えている。しかし熱に耐性は無いため数週間程度で燃えカスになる。
・熱風船蛙
足から溶岩を吸い込み、腹部に溜め込んで腹圧で口から溶岩を放つ性質を持つカエルの怪物。
足は付着した溶岩が冷えて固着しており、それにより重心が安定している。




