レポート27:対竜用兵器について
朝、カンカンとひびく音。
昼、カンカンとひびく音。
夜、静かな虫の声。
朝、またカンカンと響く音。
「最初はうるさかったが慣れればこれはこれで。」
「マスターは何をしているのやら…」
「最近ずっと何やらやっているようだが…」
大使館の一室、通路の奥にある扉には『入るな!』と張り紙がしてある。時々異臭と爆発音がするのはなぜなのだろうかとは思うが。
「こういう時に入るとマスターは不機嫌になりますから…」とはモノリスの言葉。
私より彼を知る者の言葉なら大人しく従っておくのが吉だろう。
しかし、心配なことと言えば。
「食事がなぁ…」
部屋にこもってはや2日。
呼んでも出て来ないため食事は部屋の前に置いておいたがそれすら手付かずで置いて置かれている始末。下手をすれば水分すら取っていないのではなかろうか。
音がしていることだけが生存を示す証になっている。
そうして音を聞くまま昼下がり。ついに音が、止んだ。
「死んだか!?」
「勝手に殺すな…」
目の下にクマを作り眉間に皺を寄せ、今にも殺すぞとまで言ってきそうな人相の悪さで壁に手を付きながら出てきたカキュウにモノリスが甲斐甲斐しく世話を焼き水を飲ませる。
「あんな飲まず食わずだと死んだと思う方が必然じゃないかい?」
「知ってるか?人間は水なしで3日、食料無しで1週間生きてられるらしいぞ?」
「それは限界値の話だろうに…今度からはちゃんと食事は一緒にとること!これは、ここのルールとする!」
「まあ共同生活してる以上仕方がない…か」
「で、マスターは今回一体何を?」
「…対ドラゴン用の武器作り。」
「ドラゴン…あれに有効な武器なんてあるのかい?」
「正直わからん。前に有効打を与えた奴もあくまで目に当たったからだからな…鱗の上から十分なダメージが出るかどうか。」
「というと…以前使った武器の改良型ですか?」
「まあな。大幅に変えたからもはや別物かもしれないが。」
手をかざした空間に穴が開き、植物が生えるかのように自発的に伸びてきたのは紅の長身のライフル。
現代には存在しないロストテクノロジー。
システムとしてはとても単純で、魔力を限界まで圧縮して解放。それであとは直接打ち込むなり弾をそれではじき出すなり…と言った代物。
「…そちらの武器から肉塊と同様の反応があるのですが?」
「まあそれを利用して作ってるからな」
ボディの素材は全てヒヒイロカネ。
これにより再生やリチャージの時間はあるが何度でも使えるようにはなった。
が……
「これはまだあくまで見た目だけでな。コアになる素材がまだ集まってない。」
「それは…?」
「具体的にどれとは決めてないが…魔力を吸収、蓄積、放出する特性のあるものならそれでいい。」
「まあ…ありそうなものだね。というより魔道具にならだいたい内蔵されてる素材を使えそうだ。」
「ならあとは…防具の素材でしょうか?」
「ああ。だが…僕は疲れたから寝ていい…?」
「先に食事だけしてからね。」
【目標進捗】
武器制作 進捗90%
防具制作 0%
ドラゴン討伐 0%




