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レポート26:おはようの異臭について

早朝。射し込む朝日でウィーネは目を覚ます。

隣を見ればモノリスは猫のように丸まって眠っている。その奥の過求の為に空けてあるベットは案の定空いている。いつも何かしていて大使館のリビングで寝落ちしていることもしばしば。

外の空気を吸おうとドアを開けた瞬間、顔面を襲う煙。

「なんの匂いだい!?」

「ん、ああ。ウィーネか、おはよう。」

「おはよう。…じゃなくてだね??一体何をしてるんだい。」

しゃがみ込んだまま顔だけをこちらに向ける過求に近づき肩に手を置いて覗き込むとそこにあるのは炉のようなものと炭火のグリルで焼かれる鉄の塊

「肉塊の実験」

「はい??」

炉の中から取り出された鉄の箱に空いた穴から温度計を差し込む。

「70°C。鉄は…100℃。よし」

そのまま開いた箱に詰まった肉塊の中に熱せられた鉄のインゴットを入れるとすぐに炉にまた入れ直す。

「今のは、肉塊かい?」

「…ああ。」

「なぜそんな奇妙なことを…」

「見てればわかる。」

漂うどこか奇妙な匂いも消えてきたころようやく取り出した箱を開ける。赤熱したインゴットに水をかけると蒸気を上げ、金属の赤もどこか深みのある紅へと変化する。

「赤い金属…?」

「…とりあえずは成功か。品質の追求は後でもいいとして……」

「おーい?もしもーし?」

「肉塊は焼けすぎないように注意が必要だな。

肉塊と金属の温度比率の変化も考えて…」

「聞こえてるかなーー??」

「聞こえてるよ。」

「少しくらい反応してくれてもいいじゃないか。」

「ごめんよ。少し考え事を優先してた。」

「それでこれは?」

「肉塊の無毒化実験。」

「...はい?」

「食えはしないが、活用することができるようになるかもしれなくな。正直、年甲斐もなくワクワクしてるよ。」

「年甲斐もなくって、君そんなに年行ってないだろう。」

「具体的には覚えてないから、何とも言えないけど...多分15くらいかな。」

「...15?」

「ああ。物心ついてからしかカウントしてないから+2か3くらいはあるかもしれない。」

「同年代かと思っていたが...なるほど、そんなに若かったとは。」

「そういうウィーネは?」

「私は22だよ。」

「見えないね。てっきり20後半かと」

「誰が老けて見えるって?」

「大人びてるってことだよ。むしろそっちも僕の年齢間違えてたんだからお互いさまってことで。」

「まあそれもそうだが…」

どこか釈然としない顔をするウィーネにすこし微笑ましくなる。こんなことを言っているから年老いて見てるのかもしれないが……

「とりあえず…今後なにかする時はきちんと報告してからにしてくれ。何事かと焦ったじゃないか…」

「それに関しては申し訳ないと思っている。」

「全く…モノリスもそろそろ起きて来る頃だろうし朝ごはんにしよう。カキュウも早く片付けて来るといい。」

「はーい。」


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