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レポート25:手がかりについて

深部に進めば進むほど気温は上昇し、その違和感は増していった。

「もうこれは、侵食ではなくまるで…融合じゃないか。」

本来であれは肉買いに触れた存在はそれに侵食され肉塊となる。これは当然の事。

そして肉塊から湧き出した存在は肉塊と紅い骨が主であり時々臓器なども混じる程度。

だがここはまるで違う。

義手で頭を切り落とした、おそらく元はゴブリンか何かだったのだろう。特徴的な緑色の肌に鋭い歯。そこに本来であれば生えているはずの角は鋭くとがった骨となり、右腕は肉塊に置換され肥大化している。

「土地柄か…それともここの存在がたまたま耐性を持っているのか?」

あまりにも暑く、所持していた温度計を確認すると現在の気温は48℃。まだ下へと続く坑道からはそれ以上の熱気が溢れている。

「仮説が合っていれば…この先は」

汗を拭い布を口に巻くと先に進む。坑道の最深部、そこには大きく開けた岩壁の空間と壁にへばりついた肉塊、中央にはマグマのたまり場があった。その様子を見、核心に至る。

「…やはりか。肉塊は…熱に弱い。」

常に感じていた違和感。かつての事例。

肉塊を焼いて食べたものは肉塊の化物になった。肉塊ではなく、肉塊の化物に。

「左腕も…あのドラゴンの火で炭化させるレベルの高温に襲われたが故に停止していたのか。」

壁の肉塊をスコップで掘り返す。普段の肉塊よりも少し抵抗があり掘りずらさを感じつつさらに深く掘るとついに鉱石物ほど硬くなる…否。そこには鉱石があった。

「やっぱり…!!」

取り出し、水で肉塊を洗い流せばそこにあったのは紅の金属。

【解析結果:ヒヒイロカネ。】

求めるものはそこにあった。

「ヒヒイロカネ…鉱物が適応した訳じゃなかったんだ。」

マグマなど付近の高温に晒され温まった肉塊と、それそのものも熱を持ち抑制。それが絶妙なバランスで成り立った結果生まれた鉱石だとかんがえればいくらでも納得がいく。

「当然の事といえば当然の事だったわけだ。」

手癖でくるりとシャベルを回し飛び散った肉塊を慌てて避ける。肉塊にシャベルを突き立てる。肉をどかし再び突き立てる。少し抵抗のある肉塊を再び削り落とし、また突き立てる。

男らしくない片方の細腕でしっかりとシャベルを握り振るう。

幾度となく繰り返しようやく硬いところに突き当たり、掘り出すとそこにあったのは割れて内側より肉塊のこぼれ落ちるヒヒイロカネ。

「生焼けで当たってら。まるでダメだな。」

次の所へ移動し壁にシャベルを突き立てる。今度は先程よりも何処か抵抗が強くシャベルを押し返すような力を感じる。

「肉質が硬い。これなら刃物の方が使いやすいか…」

ナイフで壁を井の字できりつけシャベルで掘り返す。添えた右手で方向を制御し、硬い肉塊から剥がしていくように動かすを繰り返し掘り進め、でてきたヒヒイロカネはしっかりと鉱石の形を保っており硬度も申し分ない。

「肉は生で食ったら食あたり。焼けば固くなって安全なんて子供のうちに教えられる当然のことのはずなのにな。」

熱で景色が揺らぐ中、何度も壁を掘りあさりようやく集まったのはgにして1000程。

「全然足りなか…」

計算の上では5kgほど必要なはずだが1/2すら集まっていないときた。

「いや、希少な鉱石ってことは元々わかってたわけだし1kg集まっただけでも良いと考えるべきか。」

それに収穫もあった。

肉塊の攻略法。どこまで加熱すれば無力化されるのか、ヒヒイロカネを作るには何度にすればいいのか。なぜ熱に弱いのかetc

その情報をもとにすれば、考えることすることできることなんて無限にある。

そう。これで良かったのだ。

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