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レポート16:国外に出る際の方法と注意点について

水都外壁。今日はひときわ警備の騎士が多く感じる。いや実際気のせいではないのだろう。

「やはり、逃がさない為に警備を増やしているか。」

「想定してたよりも遅くなったからな…そうもなるか。」

「マスターどうするんですか?」

「…正面突破は厳しいが壁を登攀するのも…」

「私に任せてくれ。ついておいで?」

自信満々に移動するウィーネさんの後ろを着いていくと住宅街に入りそのさらに奥。壁付近の空き家についた。

「こんな所まで来てどうするんですか。」

「ここにはね、外に通じる通路があるのさ。」

自慢げな顔でドアノブに手を扉を開ける。

がちゃんという音を立て扉があかない。

がちゃがちゃ、がちゃがちゃ、がちゃがちゃ。

がちゃちゃちゃちゃちゃちゃ

「このっ!!」

次の瞬間にはドアの金具付近に全力の蹴りを叩き込まれ扉は力なく開いた。

「…開いたよ。」

「もっとスマートにできないんですか貴方は。」

「いいじゃないか。開いたんだから。」

「警報やらなんやらに気を配って貰ってもよろしいですか?」

「今度からね。」

空き家の中に入るとしばらく人の出入りがなかったのかホコリがかなり床にも積もっており、所々老朽化によるものか壁が崩れ落ちている。

ウィーネさんがずんずんと進んでいき階段の下の物置の床をはがすと地下通路が現れた。

「なんでこんなんところに通路が」

「ここは昔の王族の隠れ家的なところでね。その名残で外への経路が残されているのさ。」

「物知りなんですね。」

地下通路の内壁に触れ解析を発動するが確かに外へと通じている。

地下通路に降り立ち、先へと進んでいく。

「マスター。外に出てからの段取りを。」

「外に出てからは次の町火の都。サラマンディアへと向かう。」

「サラマンディアにかい?」

「過去の地図上では最も近い他種族の国です。とはいえこんな世界ですからもしかしたらその地図も当てにならなくなっていますが。」

「あの国までは馬でも3日はかかるが...」

「外の地での馬の利便性なんてたかが知れています。歩きの方がよい。」

「なるほど。よく調べているじゃないか。」

「外の土地に関しては僕の方が詳しいまでありますから。」

「言うじゃないか。例えばどんな知識を持っているんだい?」

「地下などで外の視認ができない場合の危険息と安全息の見分け方とか。安全な場合は通常の視界や色。だが…危険地帯。詰まるところ外の世界になると」

突如、地下通路が紅に染る。言い表しようのない不快感や恐怖。不安感。すぐ側にある市の塊。

通路を出るとそこに広がるのは紅。

真紅はこの世界において不吉。危険とされるほど常識を根本から覆した事象。

肉塊に飲まれ、沈着し、融合した終わりの大地。

「このように。全ての色彩が紅に染まる。」

通路付近に肉塊がないことを確認。その後服装を確認する。

僕とモノリスはズボンは足の先まで。上も腕全体を覆い、手袋も着用。首から下の露出は限界まで抑えたような服装。一方ウィーネさん。騎士団の鎧。その下はどうなっているのかよく分からないが正直しばらく外を旅するには心もとない。

「ウィーネさん。着替えて。」

「なんでだい?」

「生身に肉塊が触れたら死んでしまうのだからできるだけ服装の露出は減らしたいというのが1。

2はしばらく歩きづめになるから鎧だと無駄に体力を使う。」

「なるほど。それは道理だな。だが...文字通り身一つでしかなくてね。着替えを持ち合わせていないんだが。」

「なら、僕の予備をいったん使うといい。多分ジャストとはいかなくても着られるだろう。」

「...マスター。なぜ、個体名ウィーネの服のサイズをご存じで?」

「以前一緒に風呂に入ったことがあってな。その時の記憶でそんなに体格的な差はなかったはずだ。」

「マスター???詳しく。お話を。」

ズイッと顔を近づけて来るモノリスを手で押し返す。

「別に同性なんだからいいだろ。そりゃ人の体を見ること自体が駄目と言われればその通りなんだが。」

「マスター...いえ、いいです。なるほど。そういうことでしたか。」

一瞬信じられないものを見るような眼をしたがどこか含みのあるような感じで頷くモノリス。

しばらく一緒にいるが未だに何を考えているのか分からない。

まあ正直なんでもいいのだが。

「とりあえずこれどうぞ。」

ウィーネさんの予備の服。黒のズボンに茶色の布のコート。個人的に麻のシャツは肌触りが悪いので使わせるのは申し訳ないが本人は良しとしているのでまあいいのかもしれない。

「さて、準備もできたところで行くか。」

「素肌に肉塊が触れるとまずいのならば顔も保護するべきなのでは?」

「それはそうなんだがデメリットが多いんだ。」

「ほう。デメリット。」

「まず、単純に息苦しい。高低差やら起伏やら長時間の移動では口元を隠すメリットよりも体力面が優先される。次に司会の悪さ。ゴーグルなんかしたらこの紅の世界では視認性は最悪。転んで逆に危険になる可能性の方が大きい。その他にも顔を隠すことは様々デメリットがある。だから転んだり、肉塊の付いた手で顔をぬぐったりしないように。」

「心得た。」

目標地点:火都 サラマンディア

推定日数:3日





モノリス:ロングブーツにくるぶしよりも長い黒のズボン。及びくすんだ白っぽい長袖のシャツ。黒の手袋過過求:紺色の柔らかめのレザー素材の長いズボンと黒の7分丈のシャツの上から皮のジャケット

ウィーネ:黒のズボンに茶色の布のコート。個人的に麻のシャツ


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