雷名
天の果て
宙に及ばぬ空の彼方
燻る火花に名前はまだない
私は吼える
誰もいない空で
私は叫ぶ
私だけの天で
この胸にある火のままに
きっといつかはそれに名前が付くだろう
きっとそれは私の形となって
いつか来る私が私となるときが、
今はまだ、覆い隠された分厚いこの雲の中で
私は哭く
嫌にならない様に
私は泣く
忘れないように
この訪れる必然から逃げて
燃え上る私の体
弾ける私の体
もっともっとと伝わって
今はまだ、雲の切れ間に瞬いて
いつか私を見た人がそう呼んだ
呼ばれた私はそう叫んだ。
ずっとそこにいた私はそれに形を付けた
もっと呼んで、もっと叫んで、もっと私を知って、
この思いを多くの人が知れ
この思いをもっと知れ
この思いをもっと叫べ
涙がでるほどの激情を、
血がにじむほどの後悔を、
燃え上るほどのこの気持ちを
天に響け、人に届け、
この三千世界に轟き叫べ、
私の名を
私こそが、
何か一つで表現できるような感情って、
それはすでに冷静に分析できている証拠だと思います。
冷静にもなれないほどに激しいなら、
その感情に名前なんて付けることはできないでしょう。
一瞬に燃え上って瞬く雷の様な激情に名前なんて付けられないでしょう