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二人で未来を描いて(1)

「言質は取りました」


 また次の瞬間、それが気のせいではなかったのだと、私は身を以て知った。

 レフィーが立ち上がったと思ったときには、私は彼にベッドに押し倒されていた。


「レ、レフィー?」


 自分を組み敷くレフィーを直視できなくて、彼の肩の向こうにある天蓋を見ながら彼の名を呼ぶ。


「竜の体液は、それ以外の種族の寿命を飛躍的に延ばす効能があります。キスでも効果はありますが、こちらの方が当然効力は勝ります。――まあ、そんな理由は言い訳ですが」


 何とそんな裏技的アンチエイジングが!? って、でも最後に「言い訳」って言ったね、貴方!

 でもって、私の服の紐リボンをもう胸元まで外しているね、貴方!


「あっ……」


 ぞくりとした感覚が全身を走り、私は思わず声を上げた。

 無防備になった私の首元に、レフィーの唇が触れる。触れるだけ。次いで軽く吸い付くように。

 仕上げとばかりに舌先で舐められ、それから彼はまた私を見下ろす形になった。

 私を翻弄した彼の方に、否応なしに目が吸い寄せられてしまう。


「私はずっと、『実験』がしたいと思っていました。でも、貴女と暮らすようになって、実は私がしたかったことが『実験』ではなかったことに気付きました。貴女が傍にいるなら、子供は必ずしも出来なくて構わないと思っている自分がいたんです。それでいて、いつだって貴女と番いたかった」


 ギラギラとしたレフィーの瞳に、今度は触れられてもいないというのに、またぞくりと肌が粟立つ。

 クロスした紐リボンの下にボタンという二段構えのデザインでありながら、そのボタンはまさかの同時進行で外されていた。

 布同士を留めるものを失った箇所から、少しずつ素肌が晒されて行く。僅かな隙間のはずが、その僅かな隙間が外気の冷たさを鋭敏に拾ってしまう。


「私はただ、貴女に触れたかった。それこそ実験への興味だと思い違いをするほどに、強烈なまでに貴女が欲しかっただけでした」

「……っ」


 布越しに下腹部に触れられ、私は反射的に身を硬くした。

 しまったと思ってレフィーを見れば、予想に反して嬉しそうな顔が目に入る。

 そう言えば、前に彼は私の態度がわかりやすいと言っていた。それはつまり、本気で嫌がっているのか受け入れるつもりだからこその緊張かの、判別が付くということだろうか。だとしたら今の私の態度は、間違いなく後者として彼の目に映ったということだろうか。

 誤解されなかったのはいい。いいが……それって物凄く恥ずかしいのですが……!?


「以前、私は「貴女は貴女自身が思っているより、私を愛している」と言いましたが、今の貴女はあのときに比べて、随分自覚してくれたようです」


 一緒になってそのときのことを思い出さなくていい。そして説明しなくていい。

 今になって、気付いた。これまでレフィーが試したいと言ってきた漫画や、試そうとしていた漫画は、どれもアダルティックなものだった。その手のカテゴリは、私が描いた漫画全体の半数以下だったというのに。キスは統計が多い方を実践してきたくせに、だ。


「それでもきっと、私の方が貴女の愛の深さを貴女以上に知っていますよ」

「……っ」


 レフィーが最後まで紐リボンを解き、ワンピースから抜き取ったそれにキスを落とす。官能的なその仕草に、彼にも聞こえたのではないかと思うほどに、心臓がドクンと大きく鳴った。


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