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突然の箱詰めシチュエーション(4)

(ガン見だよ……)


 一応気を遣ってなのか、それとも全体像を把握したいからなのか、レフィーは対角線上の端まで下がっていた。そこで右手を顎に置き、左手は右肘に添えて。推理でも始めそうなスタイルで私を見ている。左腕に掛けられた事務服が、探偵のコートにさえ見えてくる。

 これは、今着ているワンピースの脱ぎ方もチェックしている様子。そうか、人間の女の着替えを見るのは初めてだろうし。何でも試したいレフィーの興味は引くかもね。

 しかし、脱衣シーンで中身ではなく服が主役とは……。いえ、ね。私もレフィーのスーツに大いに反応していたけどね。って、そうだよ、レフィーの着替えも見ておけばよかった。くっ、一生の不覚……!


「レフィー。はい、交換」

「どうぞ」


 達観してテキパキとワンピースを脱いだ私は、それをレフィーに差し出し、代わりにまずはタイトスカートを受け取った。

 ワンピースの下には、太股まであるロングキャミソールを着ている。よって、壁を背に着替えたならば、レフィーの位置からはショーツは見えない。

 前世において暑い日は、キャミソールにショートパンツで過ごしていたこともあったのだ。これは部屋着、これは部屋着……自分に言い聞かせながら、手早くスカートを穿いてしまう。

 やはりレフィーが私をガン見していて、あげくその後は交換したワンピースをまじまじと見ていた。店で私の服を選んでいたときもこんな感じだったが、脱いだばかりの服でやられるのは、ちょっと……。例の亜空間収納に早く仕舞って? お願い。

 ガン見に願見で返せば、私の心を汲んでくれたのかレフィーがポイッと収納してくれた。気掛かりが消えたところで、ブラウスを受け取って袖に腕を通す。


(何て、滑らかな肌触り。これもまたきっとお高いですわ……)


 八つあるボタンを上から順に留めながら、私はしみじみと感じ入った。

 次いで、ブラウスを着終えたジャストタイミングで渡されたベストを着る。大きめのボタンを三つ留め、リボンスカーフをキュッと巻いて。仕上げにパンプスを履く。

 これにて、着替え完了。

 いつも(かかと)がぺたんこのサンダルを履いているので、少し高い目線が新鮮だ。


「着替え終わったようですね。では……」


 レフィーが私のサンダルを収納しながら、再び操作盤の辺りを触れる。

 と、同時に、周辺の景色は一変した。


「えっ!?」


 人工的な光を放っていた箱の内部に、自然光が降り注ぐ。

 見回せば、階数表示箇所と操作盤を残した側面すべてが、硝子のように透明になっていた。


「まさかのお洒落エレベーター仕様……庭が見える……」


 そっと地上を見れば、『2』の階数になっている現在は、箱一つ分くらい浮いていた。

 八階まであるようなので、となると最上階は地上約十四メートルということに。……どうして本気を出したんだ。

 そう思ってレフィーを見れば、何の以心伝心か、彼はポチッと『8』を押した。


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