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突然の箱詰めシチュエーション(1)

 果たして、ソレは家の庭に在った。

 高さ二メートル、幅と奥行きが一メートルほどの、巨大な石製の箱。

 グルッと周囲を回り、レフィーが自作したという『エレベーター』を観賞する。こちらの姿が映るほどに磨かれた、青みがかった石の表面。その全面に複雑な幾何学模様が刻まれており、溝になった箇所が白い光を放っていた。

 レフィーが正面横の『上昇』と書かれた箇所に指で触れると、扉が横にスライドして開く。まんまエレベーターの扉の開き方だ。


「どうぞ、入って下さい」

「う、うん」


 促され、レフィーと一緒に箱の中へと入る。


(ふぁー……)


 外側にあった模様は、内側にもビッシリと彫られていた。こちらもやはり溝が白く発光している。ただ眩しいということはなくて、暗めの電灯が全方位に設置してある感じだ。

 しかしこの模様、レフィーが彫ったのだろうか。……彫ったのだろうな。

 先程レフィーが『上昇』にタッチしたとき、模様の一部が点滅していた。動力こそ魔法かもしれないが、これは前世でいうところの電子回路に思える。


(これ、ひょっとして……八段階駆動する?)


 エレベーターの操作盤にあたる位置にある、1から8までの文字。この電子回路(仮)の組まれ具合からいって、単なる内装ではなく実際に動くのでは……?


(いやいやそれは無いでしょ。だってここ、草木に囲まれた場所だし)


 シャフトもなければ、箱を吊るワイヤーもない。そんなものが浮くわけ――


(浮くわけあったーーーっ)


 レフィーが『2』を押したと同時に扉が閉まったため、外の景色は見えていない。けれどこの振動、動く瞬間の浮遊感、知ってる。私、これ知ってる。エレベーターって言うの!


「安定して空中を移動させるということで、一枚岩のオリハルコン原石に溝を彫りそこに波長の違う魔石を連動するように埋め込むことで永久機関の――」


 レフィーが構造について、各所を指差しながら説明してくれる。

 うん、何を言っているのかまったくわからない。

 わかるのは、レフィーが常軌を逸する天才発明家だということだけだ。

 『エレベーター』の図面があって、それを再現したとかなら百歩譲って理解できる。でもレフィーのこれの原案は、私のオフィスラブ漫画である。意味がわからない。どうしてこうなった。


「――といったように、大きく分けて八つの術式から成り立っています」

「そ、そう……なんだ? すごいね?」


 つい返答に疑問が付きまくる。すごいとは心から思っている。ただその『すごい』の意味合いが「なるほど、わからん」なだけである。


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