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そんなこんなで初デート(5)

「……ああ、なるほど。そういうことでしたか。どうやらミアを勘違いさせてしまっていたようですね」

「勘違い?」


 「おや?」な表情の理由を教えてくれるも、これがまたまたわからない。


「私が「その貴女は私だけのもの」と言ったから、街にきてからのミアは、また妙な芝居を始めていたんですね。すみません、あれは貴女にそうするように言ったわけではなく、そうなるからと言ったつもりでした」

「そうなる??」


 これでもかというほど、何を言いたいのかわからない。『妙な芝居』より余程妙なことを言い出したレフィーに、私は再び聞き返した。


「貴女が普通に話していても、私以外にはあの口調で聞こえるように魔法を掛けました」

「……は?」

「なので好きなだけ「やばい」や「それな」と言って構いませんよ」

「私そんなに漫画にその台詞入れてた!?」


 あああ……入れてたかも。入れてたかもね。って、そうじゃなく。

 えっ、何それ。答を知れたのに、その答に理解が追いつかないのですが。


「えっと、じゃあ例えば……そう、例えば「へぃ、ラーメン一丁!」って言ったなら?」

「「どうぞ。ラーメンを召し上がれ」、でしょうか」

「何それすごい。やばい」


 あ、本当に「やばい」って言ってしまったわ。そして、ようやく理解した。

 何て素晴らしい魔法なのか。OL時代に電話を取ったらもれなく噛んでいた私に是非欲しかった。


「それと魔法のことですが、あの宿で部屋を取るくらいの人間なら、見たことがあるはずですよ」

「えっ? 寧ろ魔物に縁遠いと思ってたわ」

「魔物には縁遠いでしょう。ですが、魔術士と呼ばれる人間が魔法を使います。私の格好は、彼らを真似たものです」


 アリストテレスのコスプレ的な人が、複数いるという発想はなかった。


「そうだったのね」


 それならあそこまで注目を浴びたのは、中にはレフィーが魔法を使わないかと期待した眼差しもあったのかもしれない。


「ああ、本屋が見えてきました。そこの角です」


 レフィーがうきうきといった感じ(実際は安定の無表情)で、青い屋根の店舗を指差す。


(あ、ここで換金する前だったから昨日はお高い宿に泊まったのか)


 手持ちが金貨だものね。安宿なんかだと、下手すれば宿そのものが買えかねない。


(これは黒曜石以外のハンドメイドも、提案した方が良さそうね)


 昨日から急に増え始めた、心の中の「やりたいことリスト」。私はやや早足になったレフィーに手を引かれながら、また一つ書き加えたのだった。


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