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夏の旅行

作者: 二階堂あまね

2021年、8月某日。


その日は絵の具のようなさわやかな青い空だった。そして太陽が灼然と輝き、その唯一無二の存在をこれでもかというぐらい主張していた。


本当に気持ちいいぐらいの良い天気だった。


私は宇治に来ていた。


京阪宇治駅を出て、自販機で買った宇治茶のペットボトルをゴクリと飲み、私は宇治橋に足を進めた。


宇治橋の下には宇治川が気持ちよさそうに流れていた。水量が多く、意外に迫力がある川だ。そしてなんだか水の匂いがする。


そして、これから何をしようか、と私は宇治橋を渡り、平等院の参道に入った。


参道の左右の商店には何やら、様々な種類の茶葉が控えめに並んでいた。宇治といえば茶だ。確か千年前ぐらいからあったはずだ。


参道をしばらく進むとスターバックスコーヒーが左手に見えた。


私はスターバックスコーヒーに入り、コーヒーを飲みながら読書をすることにした。


ゆったりとした足取りで店内に入った。


カップルが二組、そして地元のおじいちゃんが二人距離を空けて座っていた。


ドリップコーヒーを注文するとき、店員さんに「よく来られますね」と言われた。


確かに私は宇治に二週間に一回は訪れる。


店員さんに顔を覚えてもらい、私は少し嬉しくなった。おやつの時間にハンバーガーを用意されていたような嬉しさだった。私はハンバーガーが大好物なのだ。


席に着き、私は東野圭吾の白夜行を読み始めた。


私の知っている街が出てきて、私はまた、少し嬉しくなった。今度は小学生のときに週末にバーベキューをする予定を母親から教えられたような、小さな驚きだった。


本のページをめくる音。ドリップコーヒーの喉越し。


淡々と時間が過ぎる。


私は牧歌的な宇治の夏を心ゆくままその身に感じるのであった。





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