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プロローグ

私ーー侯爵令嬢クローディアは、婚約者で王太子のアルフレッド様に恋をしていました。あれは私が12歳のとき、アルフレッド様にお会いしたときのことです。初めてお会いするアルフレッド様はまさに天界から舞い降りた御使いような趣きであった。さらさらできれいな天使の輪がかかる金髪と光り輝く黄金色の瞳が印象的な整った容姿をしていました。さらに優しく紳士的な振る舞いをする彼はまさに物語の王子様のようで、私の心はアルフレッド様に奪われてしまいました。


 それから、私はアルフレッド様の隣に立つのに相応しくなるために多くのことを学び、心身ともに磨き上げました。その結果、私は腰まである蜂蜜色のさらさらな髪とこぼれ落ちてしまいそうなくらいに大きな碧眼でその人形のように整った見た目から、社交界の妖精姫と呼ばれるようにまでなりました。アルフレッド様も成長につれて、さらにカッコよさと紳士さに磨きがかかりました。よく社交界最高のカップルであると周りから持て囃されました。しかし16歳になり、貴族学院に通うようになって3ヶ月目から私は悪役令嬢と呼ばれるようになっていました。

 

 そのターニングポイントとなった3ヶ月目に何があったのかと言いますと、男爵令嬢であるセシリアが途中入学してきたのです。そしてセシリアは、私のアルフレッド様に馴れ馴れしく近寄り話しかけ出したのです。優しいアルフレッド様も最初は厳しい顔つきをして対応していました。当然です。この国のトップになるお方であるアルフレッド様に男爵令嬢如きが軽々しく話しかけていい相手ではないのです。礼儀がなっていません。しかし、次第にアルフレッド様もセシリアに絆されて行きました。そして、まるで近くにセシリアがいるのが当たり前であるかのように振る舞いだしたのです。


 私はこの状況の異常さに気づき、アルフレッド様にセシリアを側に置かないようお願いしました。しかし、アルフレッド様は、「セシリアは市井から貴族に戻ったばかりなんだ。礼儀がなっていないのは仕方がない。逆に、私の側に置いて教えてあげることにしたのだ」とおっしゃったのです。私はそれに納得行きませんでした。しかし、それ以上物申すのは失礼にあたるので、アルフレッド様のことを信頼して私は経過を見守ることにしました。だけれど、それが全ての歯車を狂わせるミスだと後になってわかったのです。


 ある日私が学院の廊下を歩いてるとき、どこからかもの音が聞こえました。辺りは人が居らず空き教室しかない区画でした。私は空き教室から音が聞こえたと判断し、気になって中を覗いてしまったのです。教室には、アルフレッド様とセシリアがいて何か話しているようで互いに向き合っていました。するといきなり二人は抱き合い、顔を近づけてキスをしたのです。婚約者である私ですらアルフレッド様とまだしたことのなかったキスをしていたのです。その光景にショックを受け、めまいがしました。私は居ても立っても居られなくなり教室に入りました。するとアルフレッド様は目を開き、セシリアは驚き悲鳴を上げました。セシリアは顔を真っ赤にして、すぐにアルフレッド様の後ろに隠れました。私は、怒り心頭でありとあらゆる罵倒をセシリアに浴びせました。それこそ、売女や娼婦より強烈な罵声を言ったと思います。するとセシリアはアルフレッド様にしがみ付き、泣き出してしまいました。アルフレッド様はそんなセシリアを見て私に対して怒りだしました。「あまりにも酷い言い草だ。そこまで言う必要はないだろう」などと逆切れに近い物言いでした。そしてアルフレッド様はセシリアを連れて教室を出て行ったのでした。アルフレッド様があのように怒る姿を初めて見た私は呆然としてしました。私はそのとき悟りました。私が知らない間に私のアルフレッド様がセシリアのアルフレッド様になってしまったことを。


 次の日から、二人は人目を#憚__はばか__#ることなく白昼堂々といちゃいちゃし始めました。私は、その光景を見るたびにセシリアを罵りました。手が出たこともありました。ですが非力な私では大して意味がありませんでしたが。

 アルフレッド様はその日以来、私を腫れ物のように扱い始め、邪魔者であるように私を見るようになりました。それに従って周りの者も私に誰も近寄らなくなりました。そして、次第に私がまるで悪役のような立場になっていたのです。それに苛つきを覚えた私は周りを罵りました。それ以来、私は悪役令嬢という裏で呼ばれるようになってしまったのです。

 

 しかし、私はそれでもアルフレッド様を愛していました。全てはセシリアが悪くアルフレッド様はセシリアに魅入られてしまっただけであると私は信じていました。


 そして私はついにセシリアを殺すことを決心しました。アルフレッド様を取り戻すために……。懐にナイフを忍ばせてセシリアを探して私は学院の廊下にいました。私は血眼になってセシリアを探してアルフレッド様とセシリアが隠れてキスをしていた区画まできていました。すると廊下にポスターがポツンと落ちているのが目に入りました。そのポスターにはこう書かれていました。


 恋は病の一つです。独りで抱え込まないで専門医に相談して、しっかりとした治療を受けましょう。

 もし恋にかかっているなら、今すぐ最寄りの保健室へGO!!


 私がポスターを読み終えると、さらに目の前に矢印の書かれた紙があり恋の保健室とデカデカ書かれた看板がある部屋へ矢先が向けられていました。あまりのシュールな光景に私は唖然としました。この前までこのような場所があった記憶がありません。私はその場に立ち尽くしてしまいました。その情景のインパクトのせいでさっきまであったセシリアを刺し殺そうという気が削がれてしまいました。萎えてしまったのです。私はこのなんとも言えない思いを何処かにぶつけたくなりました。そこで私はその保健室に入ることにしたのです。しかし、その選択が私の運命を大きく変えることになるとはそのときは思いもしませんでした。

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