表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

3/3

やり直し失敗

入学式の日になった。



何故か過去に戻ってきてしまった事に気づいた後、俺は動揺しながらも徐々に現実を受け止め始めた。最初は壮大などっきりかと疑ったりもしたが、時間がたつにつれてそんな考えは消えていった。


自分の部屋の中だけでなく、テレビをつけてもかすかに記憶にあるタレントの不倫や政治のニュースが流れていた。大学3年の時につぶれてしまった近所の定食屋もまだあったし、本屋で見かけた1巻が発売したばかりの漫画はアニメになっていたはずだ。


紛れもない現実。


わけはわからないが、とりあえず受け入れて生きていくことにした。過去に戻る前に比べれば、これから始まる2度目の大学生活の方がきっと楽しい。


どうせなら未来の記憶を使って一儲けしてやろうと思ったが競馬も仮想通貨も勉強しておらず、全く知らないのですぐに諦めた。少しだけ勉強していなかった自分に嫌気が差した。



とはいえ、1度目の大学生活を開始したときに比べて約4年分の知識があるのだ。存分に活かして、新しい人生をやり直していこう。


そう決意し、入学式に向かった。





しかし、未来のことを知っているというのは良いことばかりではなかった。







「友達ができない………」



入学式の堅苦しい話を終え、大学のルール、履修登録やサークル活動についての説明が終わった。


1度目の時はその後に近くに座っていた人達と他愛もない話で盛り上がり、その中の数人と友人になることができた。

しかし、今回は何も考えず違う席に座ってしまったためそのイベントは起きなかった。ならば他の人と仲良くなろうとしたが、周りにいたのは1度目であまり仲良くなかったグループ。正直あまりお近づきになりたくない。


そんな空気を察してか、周りの人は誰も俺に話しかけてこなかった。そしてそのまま誰とも話さず新しい大学生活の1日目が終わった。




その後1ヶ月以上、大学で友達はできなかった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ