幕間 -ほのかな想いの芽生え-
馬車が遠くなっていくと同時に、俺の悪戯心が頭を擡げる。
「おい、サンディ」
「…任せて」
おーおー、悪い顔して。
「ねぇ、ミリィ」
「何?」
「お熱い視線だったねぇ。ああいうのが好みなんだ?」
「な、何のこと?」
「またまたー。気になってんでしょ?結構イケてたもんねぇ」
「別にそんなんじゃ…それにまだ子供じゃない」
「んー?あれあれー?私はヤスヒロさんのことを言ってたんだけどなぁ〜。ミリィはいったい誰のこと言ってるのかなぁ?ねぇリック?」
「そうだなぁ。あいつはどう見ても成人だよなぁ?」
「え、あ、ちがっ…」
「ほほう。な〜んじゃ、そういうことか。やけに大人しいと思ったら…」
「だから違うって!」
「何がどう違うのやら、ワシにはよく分からんなぁ」
「さーて、俺たちも中に入ろうぜ」
「そうだねー。さ、ミリィ、いこいこ」
「ちょっ、聞いてるの!?」
「まぁまぁ、それにほらー、また会えるってさー。よかったねぇ。にししし」
「し、知らない!」
「いやー、青春だなぁ」
「お主もそう変わらん年じゃろうに」
「そうだな、この町の美人が俺を待っている!!行くぞガンド!」
「お主にはサンディがおるじゃろうに…めんどくさい奴らじゃ…」