裏話1「勝負の行方」
裏話1(勝負の行方)
施設内には良く整備された裏庭が存在する、さらに短い距離だが林道も完備されており
照明は時間毎に明るさが変わるように設定されているため
地下とは思えない空気を味わう事もできるのだ
そんな千度のべンチにアフロとリーゼントがもたれ掛るように座っていた
そして、かなり疲れている様子でリーゼントがアフロへと話かける
「流右に歳をとると疲れやすくなるもので」
「そうですか、私はまだ全然いけますよ」
「それにしても、まさか空砲にあそこまでの威力があるとはね」
「一発でしたな〜、高島さん、ホール中の学生が一瞬で黙り込む姿は滑稽で」
そう言うとマーキスは少し笑った
「それよりも、マーキス、今回の賭けは私の勝ちだな」
どうやら高島とマーキスは賭けをしていたらしい
演習の試合で一度でも鈴木助手が米軍演習生を負かす事があったら高島の勝ち
演習生が完封したらマーキスの勝ちといった具合な勝負だ
少しの高笑いの後マーキスが話し出した
「いやいや、甘いよ高島、今回の勝負は私の勝ちだ」
「何を言っているんだ?」
疑問の色を浮かべる高島
「彼らはキューブの上に登っていたではないか、あんなの認められんよ」
「ほほう、先ほど応接室での出来事を君はお忘れているようで」
「あの一戦を踏まえても私の勝ちだ」
マーキスが続ける
「ミハエルの機体はグレネードの閃光を浴びたにせよ、KOまではいたらなかったではな
いか!!」
今度は高島がにやける
「マーキス、君は大事な事を忘れているみたいだね。今回の勝負はデスマッチだ、鈴木君のチームの残機は2体に対して君のチームは1体しか残っていなかったではないか」
マーキスの表情がハッとする
「02号機か!!」
「そうだよ、あの機体は動きはしなかったものの戦闘には参加していたからね」
高島続けていった
「攻めない戦法が仇になったね」
「まさか、この私が賭けに負けるとは、、、。」
「さて、次のランチは著ってもらうよ、そういう賭けだったからね」
高島がそんな事をいった時だろうか
携帯のコール音が横の男から聞こえた
「ああ、私だ」
「なんだと、わかった」
「ああ、スグそちらにむかう事にする」
携帯の電話を終えるとマーキスが申し訳無さそうな顔をして
高島へと言った
「著るのは少し御預けになった」
マーキスが続ける
「今ミハエルから連絡があってね、国防長官が御呼びらしい、私は今から祖国に戻る事
にするよ」
そう一言高島に告げると、マーキス中将は足早にアメリカヘ帰還する事になった
施設内の中庭にはアフロが一人、ベンチに腰をかけている
「はうあっ、逃げられたか、、。」