チャプター15「入隊」
気が付けば暫くという時間ではなくなっていた
採用通知を貰ってから既に3日の月日が流れている
何で時間の感覚もないのにそんな事が分かるかって?
それは、時計があるからだよ
まったく拷問だ!!
せめてテレビがまともに映ればいいのに、、、。
この暇な状況で川辺や萩原がタマに遊びに来てくれたけど
話のネタなんて1日目で枯れてしまったさ
更に2日後
やっと自衛官が俺達を呼びに来た
廊下に出て、自衛官に連れられるが間々にホールへと案内された
俺の後ろには30人前後と言った所だろうか
ぞろぞろと蟻の行進だ
だがその中に川辺、萩原の姿はなく
先に案内されたとみえる
ホールへと足を踏み入れた俺を待っていたかのように川辺の大阪弁が俺へと発せられた
「よう大将、ここや、ここ」
そういわれ俺は川辺の隣の席へと座る事となった
萩原も先に来ていたらしく、川辺の隣に姿を確認できる
「あっ、最後の組だったんですね。遅いから心配しちゃいました、また寝坊したかと思いましたよ」
そうか、俺が最後だったのか
そう思いザッとホール内を見回した
ホール内は全然ガラガラで
招集時には1万以上いた学生の姿はそこにはなく
試験通過者だけが、今そこへ座っている
人数は大体500人と言ったと所
少数だが女性の姿も見受けられた
やがて軽快な足音と共に2人の責任者が檀上へと姿を現した
そして演台でマーキスが招集時と変わらぬ演説を始めた
皆はそれを食い入るようにじっと見つめ
マーキスは檀上で軍の規則を新規入隊者へと通達する
この演説が終われば俺達は軍の一員となりこの施設内で当分暮すのだろう
まあ、今はこれが一番最善の選択なのだろう
やがてマーキスの演説が終了した
今度は拳銃を使う必要がなかったみたいだ
サイクロプス 一章(我が心は戦場にあり)
―完―
裏話に続く