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サイクロプス  作者: NEO,s
15/21

チャプター12-2「反撃開始:第3ラウンド」

「ええ、そうですとも、敵が軍隊ならこっちはゲリラ戦で挑むまでです」

奴らはたぶんあの陣形をくずさないだろう

それが軍隊ともなれば尚更だ

最初にランチャーを撃ってきたサイクロプスがそうである

目の前に何体のロボットの残骸があろうが

それは彼らの気にする所じゃない

自分の陣地内に敵が入ってきた、だから攻撃した

奴からしてみればただそれだけの事なのだ


詰まる所、ラウンド毎に02号機がやられないのも

そんな彼らの理念が原因なのではないだろうか


隊長機から連絡が入ってきた

「前に進めばいいのかな?」

「ええ、お願いします。一番最初にやられた地点のキューブまで移動しましょう」

俺が隊長機へと通信を返すと、隊長機が動きはじめた

キューブの上で少し助走をつけてジャンプする

空中2メートル、キューブの上なので7メートルの高さを隊長機が飛んでいく

人間では考えられない高さを前のキューブへとジャンプしていく

やがてキューブを渡りきった隊長機から連絡が入った

「どんどん、付いて来てね〜」

隊長の通信が終わると共に

俺たちは次々に前へと進んで行く

俺が隊長機の後ろに続くようにジャンプし

04号機が俺の後ろを付いてくる


04号機がジャンプする直前、03号機へと通信入れた


「03号機さんもついてきてな〜」

キューブの下で待機していた03号機の頭部が上下に振れる

それを確認したのだろう04号機が俺達が待機しているのキューブへとジャンプした

ピョーン ガシャーン

見事に着地

5メートル四方のキューブ

通路の幅は約2メートル

サイクロプスのジャンプカなら余裕でお釣りが返って来るレベルの跳躍である

さらに先ほどみたいにキューブの森を進突き進んでいくよりも

このキューブの上をジャンプして行く方がはるかにスピードがあり

40メートル進むのにも数十秒しか時間がかからなかった

やがて敵の頭上を発見した隊長から通信が入ってくる

「01号機君、敵が居たよ!」

慌てて連絡を返す

「触らないでくださいね。気がつかれないように待機していてください」

04号機も会話へと参加する

「そうやな、またへまされても困るわ!」

隊長は少しスネた素振りをしてその場で待機した

やがて隊長に追いついた俺たちは

微かだが、キューブの隙間から見える敵TSCの頭部を確認した

距離からして15メートルそこそこ

銃器で慎重に狙えば、ほぼ確実に狙える距離だった


「どないする、いてまうか?」

04号機が敵に照準を合わせた状態で通信を入れる

そんな彼へ俺は静止するよう促した

「いや待ってください、まだ微かに見えている頭じゃ確実じゃないですよ」

確かに今の状態では不十分だ

第2ラウンド、目の前のTSCに頭を2発、それで俺達はやられてしまった


今回この状況で先制攻撃を外した場合、今度はまた先ほどみたいに一掃されてしまう可能性が高い

そんな事を考えていた時、俺たちの後を追う03号機が目に入った

調度俺たちの真下のキューブで待機していた彼は何かの指示を待っている様子だった


俺はそんな03号機を見て通信を入れる

「彼、使えないですかね?」

「彼ってーと03号機か〜」

通信中も終始敵の位置を把握する、そんな時だ、頭の奥で閃きが走った

「03号機さん敵の後ろに回りこみましょっか」

「なるほど、陽動作戦か!」

こちら側からは敵の位置が簡単い把握できるのだから

03号機に指示を出して敵の背後に周り込ませる事も簡単にできるのだ


俺達の通信に答えるように03号機の頭部が上下に揺れるのが確認できた

どうやら陽動に参加してくれるという事らしい


俺は皆に作戦内容を話した後実行に移した

04号機が指示を出す

「03号機さん、そこのキューブの角を左に進んでから次の角を右や」

03号機が慎重に動き出す

隊長の時とは大違いだ!!

とは言え慎重な動きから、不安が見て取れた


彼のソロソロとした動き、若干の足音はすれども

物凄い音を立てて走りだす事はしなかった

やがてキューブを挟んで敵と横に体直線状に並んだ時だろうか

敵が03号機の足音に気がついたらしい

カノン、カノンという音を頼りに徐々に動き始めた


03号機がいる通路へと敵が迫っていく

だが、それもすべて作戦の内、計算された事なのだ

今まで正面を向いていた敵が、他の通路を見に行く為に俺たちから背を向けたのだ

やがて徐々に進んで行く敵のTSC、徐々に敵を狙える範囲が増えて行く


そんな敵のTSCを見て隊長から通信が入ってくる

「今チャンスなんじゃない?」

確かに絶好のチャンスだ

先ほどまでは微かにしか見えなかった頭部が今は

肩まではっきりと確認できる

やがて肩だけだったのが背中をも確認する事ができたのだ

「やりますか」

その合図を待っていたかのように04号機が銃器を構える

04号機につられる様に隊長も銃器を構えていた

最後に俺の射撃音と共に9発の弾丸が敵を貫いた

ダダダッ  ダダダッ  ダダダッ

撃ち抜かれた衝撃で敵がクシャつと倒れ込む

倒れこむ敵を見て隊長が小さくガッツポーズをした

「やったね、01号機君」

9発打ち込んではいたものの、3人合わせて命中したのはたったの3発だった

その中でも一発頭部に命中したのが大きかったらしい

射撃には参加していた隊長も結局の所、天井を撃っていたのだから

もし、倒し切れなかった時は隊長を突き落として逃げる覚悟だった。


俺は敵を倒して浮かれている隊長へと通信を入れた

「隊長ガッツポーズってどうやるんですか」

「コマンド(Ctrl)Gの後に左小指のボタンだよ」

隊長の通信内容通りコマンドを入力すると、俺のTSCはキューブの上でガッツポーズをした

さらに続くように04号機も隊長のマネをする


やがて03号機が俺達が居るキューブへと戻ってきた

これで人数だけでも数が揃ったのだ

みんなに通信を入れる

「次は左隅に居る敵兵ですね」

今現在倒した敵は初回俺達をランチャーで一掃し

さらには2ラウンド目に2人を4発の弾丸で静めた名手だ

皆が同じ兵装をしていたのなら、やはり彼がブルーチームの隊長だったのだろう

肩のTSCの番号で分かる、多分中身は変わっていないはずだ

04号機から連絡が入る

「やっと一人や〜、マジきついわ」

俺が溜め息を付く間もなく、隊長が動き出す

ピョーン  ガシャーン  ピョーン  ガシャーン

やがて先を進んでいた隊長が、また敵を発見したらしい

隊長から通信が入る

「01号機君、敵いたよ〜」

「隊長タフですね〜、こっちはもうヘトヘトですよ」

「こういう時、女が一番タフなんだから」

隊長はいつもと変わらない口調で返事を返した


やがて隊長に追い付いた俺達も敵の兵士を確認したのだが

少し様子がおかしい、先ほどの敵機と同じように待機はしてくれない様子だ

もしかしたらジャンプの着地音を聞かれたのかもしれない

敵兵が俺達のいる方向へと移動してくる

04号機から通信が入る

「それにしてもこのまま角曲がったら03号機と鉢合わせやないか?」

俺はその通信を聞くと03号機の方向を見た

確かにそうだ

03号機はキューブの森を移動しなきゃいけないため俺達よりも移動速度が遅い

そして今居るのは俺達の真下の通路

曲がり角ばかり異様に存在する一本道だ


俺は慌てて03号機へと通信を居れた

「03号機さん、そっちに敵が来ています何所か他の通路に隠れてください」

俺のあわてる口調の通信が03号機に届いたのだろう

03号機の頭部が左右に動くのを確認する事が出来た

何所か隠れるための通路を探しているのだろう

キヨロキヨロと見回している

呑気に通路を探す03号機へ向けて04号機からも通信が入った

「はよ隠れないか!!」


03号機の画面から敵機が見えたのだろう、その微かな胴体を見て03号機は硬直した

そんな硬直する隊員めがけて隊長の激が飛ぶ

「にげてーーーーーーーーーーー!!!!」

03号機はそんな隊長の叫び声に驚いたのだろう

今まで進んでいた方向から間逆へと方向転換すると勢い良く走りだした

その足音を聞いて敵の兵士が一本道へと一気に姿を現すと

03号機を追うようにして敵の足音が大きくなり更に勢いを増していった

敵と03号機との距離は30メートルくらいあるだろう

俺と敵との距離はキューブ2つ分、約15メートルと言った所か

見る見る距離が縮まっていく

通信を出してる暇なんか全くと言って良いほどなかった

15、10、5と勢い良く迫る敵兵の姿を見て

既に俺の体は答えを出していたのだろう、思うよりも早く俺は行動を起こしていた


敵のサイクロプスは急に目の前に出てきた障害物に勢い良くぶつかり

障害物に弾き飛ばされて進行方向とは間逆の方向に勢い良く倒れこむ


ガッシヤーーーーーーーーンーーーーーー


キューブから飛び降りた為に俺の目の前には敵がいる

そして俺も敵と同じ格好をしているのだろう

演習場の天井をTSCが眺めていたために、天井に設置されている照明が良く見えた

飛び降りた分俺の方が起き上がるのに少し時間がかかるか

TSCが起き上がるのを待っていると

俺の頭上にいる04号機が無残に倒れ込んでいる敵へと射撃を入れた


ダダダッ ダダダッ ダダダッ


その援護射撃のおかげで倒れこんだ姿勢のまま敵は動かなくなった

倒れ込む俺を心配そうに03号機が見守っている

やがて俺のTSCが起き上がると安心したのだろう03号機が俺の元へと戻ってきた

本来なら大丈夫ですかの一言でも欲しい所である


そんな事を考えていると03号機はまたキューブの天辺へと俺を持ち上げてくれた

全くもって親切な奴である

04号機から連絡が入る

「お手柄やったな」

「お帰り〜、大丈夫だったみたいね」

俺も皆へと返事を返す

「ええ、なんとか生きています、、、。」

内心ハラハラ、ドキドキ物だ、もし援護射撃が入らなかったなら俺は多分そのままリタイアしていたはずなのだから、それよりも問題はこれから

ここまで倒した敵は2体、残りは敵の隊長も含めて3体これからが正念場だな


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