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サイクロプス  作者: NEO,s
13/21

チャプター11「惨敗:第2ラウンド」

最初のラウンドが終了してすぐの事

マーキスのアナウンスが入り、今5分間の休憩を取っている

その間俺のチームはというと

終始隊長と04号機パイロットの言い争いだ

誰のせいで負けただの、足手纏いだの



正直そんな言い争いなんか構ってる暇なんかない

もしかしたら、適正無とみなされて駐屯地に輸送されてもおかしくない状況

だって言うのに、この人達はどうしてこんなにノンキなんだろう、、、。

2人の言い争いを割くように俺が発言する

「次どうやって攻めますか?」

隊長が続くように答えた

「あー、君決めても良いんじゃない? 04号機君じゃ当てにならないし」

「賛成やな、隊長の意見じゃまた事故るだけやしな」と04号機が被せるように発言する

本当にこの人達は協調性が無いんだから、、。


俺はとりあえず、このまま休憩が終わるのを危惧して

作戦プランを全体へ提示した

「なら各自バラバラに攻めた方が良いんじゃないですかね、多少は勝つ見込みがあると思うんですけど」

正直また激突されても困る

それに固まって移動してまたグレネードの餌食になるのは御免だ


暫くして俺のプランについての感想が2人から返ってきた

「そうやな、一人でやらせてもらうわ」

「えー、一人でやるの?」

意見が分かれたが、隊長のわがままにはお構い無と言った具合に通信を入れる

「決まりですね」

「決まりやな」

俺達がプランを決定をした後も隊長が終始喚いていた

その喚きに耐えかねて俺が隊長へと通信を入れる

「付いて来るのは勝手ですけど激突はしないでくださいね」

「わかってるわよ」

その発言を最後に無音の時間が続いた

03号機も喋れるのなら

もっと色々作戦が練れたのだろうけど


休憩時間の終了間際

真っ暗だった画面がスタート地点の映像を映し出した

その映像を見て04号機から通信が入る

「おー、戻っとるやんけ」

世界の最新技術を見て04号機がはしゃいでいる

「このシステム作るのにどれだけ労力使ったと思ってるのよ」

隊長機から無線が入ってくる


先ほどやられた場面からTSC達がレッドチームのスタート地点に並んでいるのだ

型番が同じという事はTSCは先ほどと変わらず同じ機体だ

そして今彼らは1ラウンド目が開始した時と同じ映像を映し出している

こんな技術力が世界にあったのとは

心の奥底で少し感心していた


そよりも隊長について気になる事が出来たので通信を入れる

「隊長って開発者か何かだった-----------」

俺の発言は無残にもビーという試合開始を告げるブザー音に引き裂かれた

そして甲高いブザー音が全員のコクピット内に響き渡る


適正試験、第2ラウンドの開始だ


四号機から連絡が入る

「それじゃー、オレは左隅から攻めてくるわ。付いて来たいやつが居たら勝手に付いてきーや」

そういうと04号機は左の隅のキューブの森へと姿を消していった

それに続くように03号機も左の隅へと移動する

04号機達を見届けるようにして俺も移動を開始する

「了解。俺は右隅から攻めるよ」

そう言い終えると俺は右隅のキューブへと歩を進めた

案の定隊長が俺の後ろへと付いてきた


調度良い機会なので先ほどの質問をもう1度する事にした

「隊長って開発者か何かだったんですか?」

その質問に隊長は心良く答えてくれた

先ほどのヘマを帳消しにしたかったのだろう

「うん、そうだよ。ここの運営責任者の助手をしてるんだから」

隊長が自信満々と言った具合に返事をする

とはいえ、結局の所、助手なのである

「そうなんですか、凄い兵器を作ったもんですね」

嫌味っぽく隊長へ連絡を入れる

俺の意見に続くように04号機からも連絡が入る

「そうや、そうや、こんな変な実験に無理矢理参加させやがってからにー、オレの内定かえせや!!」

「ごめんね、最初はこんな事の為に使いたくなかったんだけどね」

04号機パイロットの激しい口調に負けたかのように急に隊長の声のトーンが下がった

先ほどの自身は何所へいってしまったのだろうか

04号機から無線が入る

「そんなのは、どうだってええねん。問題は結果や結果、結局こんな事に使われとったら無意味っちゅう話やねん」

確かに04号機の意見にも一理ある

さらに04号機が続けようとした時だ

04号機の音声から銃声らしき音が聞こえて来た


ダダダッ ダダダ という自衛軍のライフル音と

タタッ タタッ タタ というMl6の射撃音だ


どうやら敵側は射撃制度を上げるためにバーストを解除してるみたいだ

こっち側の射撃が当たらないと思われているのだろうか

交戦中と思われる左側へ通信を入れる

「今は隊長を責めるのは止めた方が良いみたいですね」

軽い舌打ちの後04号機からの無線連絡が止んだ

隊長からの連絡もそれ以降無かったので、ロボットの足音だけが不気味にスピーカーから木魂していた


右のキューブを進んで45メートルくらいだろうか

カッン カッン

というサイクロプスの足音が聞こえたので移動を止める

どうやら敵さんは先ほどと同じ場所にいるみたいだ

隊長に連絡を入れる

「この先、敵が居るので気を付けてください

「わかったわ」

隊長は一言さみしげなく口調で言った

さっきの04号機に言われた事が応えているのだろう


やがて俺はキューブの角から通路へと出ると

そこには青いサイクロプスが銃器を構えていた

まるで俺たちが出てくるのを待って居たみたいだ


また先ほどのグレーネードランチャーを構えている、あれで俺達を一斉に焼くつもりなのだろうか

武器を構える仕草を見て一気に敵の方へ走り出す

今度はグレネードを使われないように一気に間合いを詰めたのだ

それに焦ったのだろう、大慌てで、グレネードからライフルへと武器を切り替える敵機

しめたと思い、俺は射撃体勢へと入る

走りながら撃った所で何処に弾が飛ぶとも分からないからだ

サイクロプスの移動を止め、少ししゃがんでライフルを構える

俺に少し遅れて後ろの通路へと出てきた隊長機の援護射撃が入る


ダダダッ ダダダッ ダダダッ


ろくにリコイルもしない隊長の射撃は敵の上空のはるか上を撃ち続けていた

それに続くように俺もようやく射撃を開始する

ダダダッ ダダダッ

トラックボールでの射撃はやはり難しい

それに加えて3点バーストだ

6発撃って敵の腕と足に1発ずつしか当たらなかった

ようやく敵機も射撃体勢を整えたのだろう、敵の射撃が始まった

タタッ タタッ

頭部への正確な射撃が2発入る

その2発で沈められてしまう俺の機体

更に、その後の2発で隊長のサイクロプスを一閃した

暫くして右隅の画面に俺達の名前が表示された


それと同時に04号機から連絡が入る

「お帰り〜」

どうやら先ほどの銃撃戦で左側を攻めてた連中は既にやられていたらしい

集中していて全く気がつかなかった

隊長に連絡を入れる

「隊長、これ動かすの始めてでしょ?」

俺の唐突な質問に隊長が反論をする

「そんな事ないわよ、さっきだってホールで動かしてたんだから!!」


隊長の話だとこうなる

先ほどのホール内でサイクロプスのデモ機を動かしていたのが隊長なのだと

空高くジャンプして1回転し、かっこ良く着地したのが隊長なのだと

04号機も同じ事を考えていたらしく疑問の声があがった

「あれ隊長やったんか、偉いかっこ良く決とったな〜、ああ言う動き俺らもできへん

のか?」

04号機の言う通りだった

1ラウンドが始まって動作確認をしていた時だ

少しジャンプをして遊んでいたのだが

せいぜい2メートルくらいしかジャンプできなかった

それに比べてホール内のサイクロプスは凄かった

上空を一回転それも3メートルという常人離れしたジャンプをしていた


そんな事を考えていた時

隊長から通信が入る

「ああ、あれね。あの時はプログラムで動かしていたからできたんだよ」

俺は隊長へと返答した

「この機体も、プログラムで動かす事ってできるんですか?」

一拍の間を挟んで隊長が答える

「ええ、勿論」

隊長の言葉はとても活き活きとしており

さっきまでの沈んだ声とはまるで別人の声に思えた


隊長の発言を最後にブザー音が鳴り響く

2ラウンド目終了のお知らせだ

やがてレイブンのアナウンスが入り

先ほどのように5分間の休憩が取られた

休憩中俺たちは特殊プログラムを使った作戦を練ることにした

勿論参加したのは3人だったのだが

3人の会話にももう慣れていた


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