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サイクロプス  作者: NEO,s
12/21

チャプター10「試験開始:第1ラウンド」

ビーーーーー

っという甲高いビザー音と共に

サイクロプスが動くようにある

トラックボールを動かすと視点がコロコロと動く

一通りの運動操作を確認する


その後あたりを見回すとそこには俺を取り巻くように

4台のサイクロプスの姿があった

肩のところに先ほどのコクピットの型番が書いてある

TSC-302~304 それとTSC-000

隊長機は何所か第3演習場とは違う別の場所から操作しているのだろうか

あの演習施設にTSC-000の型番を持ったコクピットは存在しなかったはずだ


そんな事を考えていると連絡が入ってくる

「ぼさっと立ってないでさっさと行くよ!!」

その連絡戸と共に周囲を観察していたロボット達が一斉にTSC-000の方向を向いた


この音声連絡でわかる隊長は女性だ

女性が隊長という事で俺は少し不安になったが

このまま突っ立ってるわけにもいかないので隊長へと連絡を返す


資料に書いてあった通りに右小指のボタンを押す

音声通信はこのボタンを押している間有効になるらしい

俺はボタンを押して発言した

「どうやって攻めますか?」

その言葉をいう俺は半ばやけくそだった

最前線送りだけはどうしても免れたいのだ

その思いだけがこの馬鹿げた戦争ゲームへの参加を表明させたのだ

他の3人も同じ気持ちである事を祈るばかりである


隊長機から通信が入る

「とりあえず付いて来て、ここに居たらやられちゃうからね」

「了解」

俺の他に1人から通信で合図が入る

その声は先ほど聞いた関西人風の男性の声だった

通信ナンバーTSC−304だ


その合図共に隊長機の後を迫うようにして一列になる形で4台のサイクロプスが移動を始めた

残念ながらTSC-302号機はそのまま動く事はなかった

見たまんまだとラウンドリタイアという事になるが

エラ一で動けないのかもしれない

俺は一番最初にコクピットに押し込まれたので

誰が02号機を操縦しているのかはまったくといっていいほどわからないのだ

暫く進んで隊長機へと通信を入れる

「あのー、できれば敵の情報が欲しいんですけど、隊長わかります?」

04号機も同じ事を考えていたらしい 

「そうやね、アメリカの演習も兼ねとるって言ってたんやから、武装辺りは知りたい

ね」

俺たちの問に答えるように隊長機から通信が入った

「ごめんね、私軍隊に詳しくなくって。今これ動かしているのも臨時だから」

続くようにして04号機が答える

「なんや臨時なんか、臨時の隊長さん大丈夫なんか?」

隊長から通信が入る

「武装は多分こっちと大差ないと思うけど、、。」

「武装が同じである事を祈るしかないですね」

確かにそうである、こちらの武装は自衛軍正規のライフル一本のみ

演習と言っている以上米軍の武装がこちら側と同じとはかぎらないのだ

とはいえ、レイブンが言っていたように隊長格以外がサブ武器を使えないとしたなら

多少は楽になる

今回隊長は臨時だといっていた

動き方からして、サイクロプスを動かすのに多少慣れているみたいだけど

戦闘が始まるまではなんともいえない状況だ


「それにしてもこのサイクロプスとやらのモチーフがFPSになってるのには驚きやな」

「そうですね、直観的に動かせるのは良いですね」

「おっ、俺以外にもFPSを知っとる奴がいる奴がいたとは」

会話に花が咲きそうになった頃

隊長から通信が入って来る

「私語はつつしみなさい」

シレっとした口調で隊長から連絡が入る

その言葉にすかさず04号機が突っ込みを入れる

「なんや聞こえとったんか」

「えぇ、全部ね」



3人で会話をしながら50メートルくらいキューブの森を直進した時だろうか


カツン カッン カッン


金属が固いものに当たる時の音に近いだろ

その音はとても低い位置から交互にリズム良く鳴っていた

まるで足音のように


その不穏な音を耳にして全員が足を止めた

「今の音なんです?」

不穏な音の正体を確かめる為に通信をいれる

「多分敵の足音だと思うけど、リズムからして歩いてるみたいね」

隊長機から通信が返ってきた

このステージ内は無音といっていいくらいほとんど音がしない

先ほどからする音といえば、味方機の走る足音くらいなものだった

しかも足音はガシャ、ガシャとかなりの騒音を立てている

この距離で敵の足音が聞こえると言う事は

既に敵に位置を把握されているかもしれない

「ねえ、ちょっと見てきてくれないかな? 01号機君」

隊長が直接俺の機体を名指しして通信を送ってきた

「嫌ですよ、敵のレベルもわからないんですよ?」

04号機が会話へと参加する

「そうや、こういう時は隊長が体張るもんとちゃうんか?」

「だって、怖いじゃない! あっ、こういう場合ってあれよね。隊長命令っていうのかな?」

隊長の無茶な発言が宙を舞った

その発言でも分かる、隊長は素人だ、、、。


仕方なく隊長へと通信を入れた

「わかりました隊長命令ですね、今ちょっと見て来ますから」

渋々と隊長命令を受け入れた俺は

キューブとキューブの隙間から辺りを覗き込むようにして見回す事にした

音の方角を確かめ、ジグザグに配置されたキューブを縫うようにして歩いて

物音のした方向へと進んで行く

2つくらいキューブを進んだ時だろうか

そっと覗き込むと

敵の青いサイクロプスを発見する事が出来た


俺はその事を伝えるために全体に少し叫ぶように通信を入れた

「敵です、発見しました!。 青いのが1機です」

隊長機から返答がくる

「わかっわ、すぐそっちへ行くから待ってて」

通信の連絡がプッンと切れた時だろうか

俺の後方からガシャン、ガシャンというサイクロプスの走る音が聞こえた

あっ、あいつら走ってやがる、、、。

その音はとても勢いよく鳴り響いていた

そしてどんどんと俺の方へ近づいて来る


しばらくして俺の後ろに到着したのだろう

「あっ、ちょっとどいて〜〜〜」

俺はその声がなる方向へ振り向いた

「へっ!!!」


ドガシャーン

隊長が止まりきれずに俺へと激突してきた

その弾みで俺は隠れている場所から前方へと弾き飛ばされるように外へと放り出されて

しまった

俺の正面には今敵が居る

放り出された衝撃で俺のサイクロプスは勢いよく転げる

そしてそんな間抜けな俺の姿は敵から丸見えだった

サイクロプスも激しくバランスを崩しているらしく直に射撃体勢を取れる状況ではなかった

正面の敵は既に銃器を構えていた

見るにMl6のグレネードランチャー装備型だ

とても実践的である


脳裏に一瞬衝撃が走る「隊長機か!!」

驚きのあまりコクピット内で叫んだ時だ

カチッつというトリガー昔と共に

ポーーーーーンっという奇怪な音が正面からした

煙を噴いて丸い物体が勢いよく飛んでくる

やがて丸い物体は俺を通り過ぎ

真後ろの壁に跳ね返ると地面に落ちた

その瞬間に辺り一面が激しい光源に包まれる

その光が収まった頃、俺のサイクロプスは機動をやめた

「左下に体カメーターがあるって資料書いてあったっけなー」

とブツブツ眩きながら下を見ると

体力が0になっている

次に右上を見る

確かやられた奴が表示されるはずだったよな

そこにはTSC-000 TSC-00l TSC-004

と書かれていた

04号機から通信が入るいる

「どないしたっちゅーねん」

隊長機からも連絡がくる

「なんか動けないんだけど、、、」

しばらく見方側は混乱していた

そして混乱が収まりかけた頃、隊長達に通信を入れる

「敵の武器がライフルにグレネードを装備してるタイプでした」

「つまりどういう事?」

隊長から連絡が返ってきた

まったくもって自体を飲み込めていない様子だ

04号機から通信が入る

「ああ、グレネードランチャーか〜」

04号機は軽く舌打ちをして続けた

「隊長機にでも鉢合わせたってことか〜、おたく運ないなー」

そう、煙を噴いて飛んで来た物体はグレネードランチャーの弾だ

発光の仕方からして実際に爆発したわけではなく、光源の照射面積によってダメージが

決まる仕組みらしい

それにしても、一気に3人を倒すほどの威力、脅威である


俺達の会話に隊長が割り込んでくる

「ぐれね〜どらんちゃ〜って何?」

隊長の発言はとてもめんどくさいものだった

正直その隊長の質問に返答しようか迷ったものの

一応隊長なのだという事もあり連絡をする事にした

「遠投系の爆発物です」

初心者でも直観的にわかるように

俺の言葉に04号機も続ける

「手榴弾やな」

俺たちのこのやり取りで隊長は納得したみたいだ

それにしても気になるのは02号機と03号機である

02号機は動かないから仕方ないとして

確か04号機の後ろをずっと03号機がついて来てたはずだが

先ほどから全然会話には参加して来なかった

少し気になる事があったので

隊長機へと連絡を入れる事とした

「やられても、見方への通信って出来るんですか?」

「うん、それは問題無いとは思うけど、、。」

隊長からの返答を元にトリガーボタンを押す

さっきまで自分のサイクロプス主観映像だった画面が

03号機の主観視点へと変更された

03号機はその場を一歩も動いていない様子だった


目の前の3体のサイクロプスを見て、呆然と立ち尽くしている


03号機へと通信を入れる

「03号機さん聞こえますか?」

その声を聞いたのだろう、頭部がキヨロキヨロと動いた

俺の画面の視点が左右に動くのが確認できた

様子からして音源を捜しているみたいだ

無論音源は先ほどやられた連中なのだが

それ以上に自分を名指しした通信に驚いている雰囲気だった

04号機から通信が入る

「なんや聞こえているみたいやな、ちょい、視点を上下に動かしてくれるか?」

04号機の問いかけに答えるように

視点が上下に動く、3回ぐらい往復しただろうか

やがて視点が元に戻った

さらに04号機が続ける

「何でええ、喋ってみ」

今度は画面が左右に振れる

「無理なんか?」

03号機の視点が中央で止まったと同時に隊長機から通信が入る

「ボケッと立ってないで、そこの影敵がいるから気をつけてね」

また視点が上下する

どうやらこれが分かったという合図らしい

割って入るように俺は連絡を入れる

「今そこに居る敵無視した方が良くないですかね?」

俺の中には少し府に落ちない事があった

それを03号機に確認してもらいたく

03号機へと通信を入れる

「正面を突破して敵軍のスタート地点までいってみてくれないですか?」

少し、ヤケクソっぽく言った

そのヤケクソに反論するように隊長から激が飛ぶ

「そんな事したら無駄死にじゃない!!。え?、最後の1機まで無駄にやられに行けっ

ていうの?」

隊長の甲高い声コクピット内に響き渡り

女性特有の高音が耳の奥に残る

それを返すようにして04号機から通信が入る

「隊長はちょっと黙っとけ、今回やられたのだって元わと言えばあんたのせいや。その非を責めない01号機君は大した奴っちゃで」

04号機にまで子供扱いされた、、、、。


その後内輪採めは1分近く続いたが

その間03号機はその場を動く事をせず、俺ら敗者の会話をじっと静観していた

内輪揉めしている間も敵のカッン カッン とう足音はしたけれども

俺達の残骸を確認しようとはしてこなかった

それでもわかる敵の様子が少し変だ


たぶんこの50メートルのラインにあるキューブが底辺なのだろう

それ以上の深追いをしない作戦なのだと思うのだが


1分の後隊長が納得し先ほどみたいに隊長命令をだすと、約束してくれた

3体のロボットの抜け殻の横には最後の兵員であろう

03号機が今立っている

彼がやられればブルーチームの勝利となるだろう


04号機が03号機へと質問した

「今体力どれくらい残っとるんや?」

やはり03号機からは返答がなかった

「やっぱり無理なんか〜」


今や03号機は引っ張り凧である、俺、隊長、04号機から質問攻めだ

だがそれらの質問に彼が答える事は無かった

やがて隊長命令が入る

「いい、さつき、01号機君が言ったみたいに中央突破で攻めるから」

その声を聞いたのだろう

また上下に視点が振れる、納得したって事か


やがて3号機は敵がいた角とは別の通路を選び

ガシャン、ガシャンと音を立て突き進んでいく

途中キューブの隙間からMl6を持った敵の姿が見えた

先程の奴とは違う型番だ、さらにライフルの先端にはグレネードが換装されている

03号機の赤いサイクロプスを見るや銃器を構えるが、すぐさまキューブの影に03号機が隠れた為に、構えを解くとまたカッン、カッンという足音だけが響きわたっていた


俺はその光景を見るや、全員に通信を入れる

「やはり変です、敵側が攻めて来る気配がありません。 しかも先ほどと同じ武器でしたよ」

04号機から通信が返ってくる

「ほんまかいな、全員隊長装備って事かいな」

「なんとも言えないですけど、そうなると思います」


俺達の会話中も直03号機は体長命令を忠実に守り、中央を直進していく

やがて80メートルほど前進した時だろうか、ようやくキューブの森が終わりを継げた

正面にはブルーチームのスタート地点が見えた


あたりを見回し恐る恐る正面へと出ようとする03号機

前に出ようとした03号機を静止させよとして俺は連絡を入れた

「ちょっと待って!!」

他の人達が気がついたのかは分らない

俺はかすかに映る黒い獲物をいち早く発見して連絡を入れた

だが一瞬通信連絡が遅かったのだろう

既に森の中から広場へと歩を進めていた03号機も一歩遅れて敵を見つけたらしい

03号機の銃声が響きわたる

ダ-------ン

だが銃声は一発だけしか鳴らなかった

標準の場合なら3点のバーストショットの重く乾いた銃声が聞こえるはずなのだが

03号機の銃声は1発分しかならなかった

それと時を同じくしてだろう、敵の方から重く甲高い銃声が鳴り響く

ターーーーーンという甲高く重たい音だ

そして倒れ込む03号機

03号機のカメラはその正体をしっかり捕えていた

スタート地点の右隅で馬鹿でかい銃器を構える

青いサイクロプスを

形状からして見るにスナイパーライフルか!!

「クソキャンプかいな!!」

04号機から通信が入る

形状からしてオートマチックのスナイパーライフルだ

「なーに?あれ、、、。」

困惑する隊長に04号機が通信を入れる

「スナイパーやな」

俺も会話に参加する

「多分あれが隊長機ですよ!!」

「じゃあ敵の戦力って、圧倒的じゃないか!!」

04号機やはり驚きの色を隠せない様子だった

「どういうこと?」

隊長機から連絡が来た

やはりまた自体を飲み込めていないらしい

「スナイパーのキャンパー程厄介な相手もいないんですよ、敵は追ってこなかったんじゃないんです。多分俺達を中央におびき寄せて隊長機がそれを狩る、そういうフォーメーションだったんですよ」

俺は少し興奮気味に答えていたと思う

「気になる事ってそいういう事だったの?」

隊長期から連絡が返ってくる

「スナイパー倒すんにわ同じくライフルが必要やな」

「そうですね、ライフル1本しかもバーストの制約付きじゃ武が悪すぎますよ」

隊長が話に割り込んで来る

「こんなに戦力差があるなんて聞いてないわよっ」

混沌とした会話を割くように

ビーーーーっというブザー音が辺りに鳴り響いた

ブザー音と共に今まで03号機の主観だった画面が真っ暗になる

どうやら試験の第1ラウンドが終了したみたいだ


画面が真っ暗になって直ぐにアナウンスが入る

マーキスの声だ

「次のラウンドは5分の休憩の後行われる、味方側との通信は生きているので各自作戦を練るもよし休むも良しだ」

その後低い高笑いと共にアナウンスが終了は終了した


耳障りな高笑いに耳を貸す暇もなく、俺は先ほどの事を思い返していた

まさか演習も兼ねているとは聞いていたけれど

ここまで戦力差があるとは、せめてグレネードでもあれば良いのに


俺はそんな事を考えながら深く椅子に寄りかかった

第2ラウンドはどうしたものか、、、。


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