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サイクロプス  作者: NEO,s
10/21

チャプター8「操作説明」

いつ終わるとも知れぬ暗闇の中で俺はもがいていた

先ほどの技術者は暗視ゴーグルでも持っていたに違いない

この暗闇の中でいったいどうやって資料を読めばいいのだろう

そもそも今居るこのコクピットは何なのだ

サイクロプスを動かす装置だというのは確かなのだろうけど

こんな素人にハイテク機器を動かせると彼らは本当に思っているのだろうか


俺は逆鱗の中暫くブツブツと眩いていただろう


コクピット内の椅子に座ってから

すでに5分という時間が過ぎたであろう

未だ試験は始まらない

外ではたぶん俺の後ろを歩いていた連中が今頃コクピットに押し込まれている所だろう

そういえば俺は彼らの名前を知らない

同じ状況で試験を受けるというのに

名前一つすら知らないのだ

自分の名前にはすぐに気がついたっていうのに


まあ、世間なんてそんなもの

気にも留めていなければ一瞬で過ぎ去ってしまう

そう、この暗闇だってたぶんそうだ


とは言ったものの、このままずっと暗闇が続くようであれば

考えものだ

なんて言ったって今置かれている状況は新手の拷問に近いのだから

いや、新手でもないか、昔親に押入れに閉じ込められた感覚にちかい


そんな事を考えながらさらに5分の時間が過ぎ耐えられなくなった俺は

手当たりしだい触ってみる事にした

とりあえず正面を触ってみる

乗るときにチラリと見えていたのだが

正面には机らしきものがあったのは確かなのだ

そこにキーボードがあるのもわかっていた


とりあえずキーボードを叩いてみる


カチッ  カチッ  カチッ


全くもって反応しない

電源が入ってない見たいなのだから当たり前か


キーボード以外も触ってみる


ガン  ドムッ ザク (注意:効果音です)


変なスイッチ音だけが無常にも流れていった


コクピットに入りこんで、あたふたし出してから大体15分くらいたっただろうか

正面から激しい光源とともに耳元からアナウンスが流れた

「全試験者の搭乗を確認完了しました。 只今から試験を開始します」

今は正面の光源のおかげで何処にどんなスイッチがあるのかも分かるようになってきている

正面においてあるキーボードの配列はごく一般的なJISキーボードだ

ただ少し普通と違う部分を述べるならば

机にめり込んでおり、ノートPCみたいな一体型になっているという点である


さらに正面のスクリーンである、大きさは目測だが42型くらいはあっただろう

今はブルーのスクリーンが表示されており、その光源のおかげて

先ほどの資料を読む事もできるようになっている


アナウンスの音源なのだが調度自分の後ろから流れてきていた

椅子と一体型になっているのであろう、スピーカーから音声が流れてきている

音声は先ほど壇上で聞いた科学者の声が耳元でしていた

「やあ、気分はどんな感じだね」

俺は心の中で 「最悪だ」と眩いた

「まずは試験に入る前に幾つか操作説明をしなくてはいけないね」

「まず君達の正面にあるキーボードを見てもらえないかね」

高島の声通りに正面を見る

そこには先ほどのキーボードが存在していた

さっき俺が暗闇に耐えかねて乱打したキーボードだ

キーボードの間を確認し終えると高島からまたアナウンスが入る

「キーボードを中心に左を見てくれないかね」

アナウンスの声の通りに左を見る

そこには黒い御椀形の出っ張りが存在していた

「それを開けてみてくれないか、上に開くようになっているからね」

声の通りに上へと開ける、御椀形の出っ張りは簡単に開き90度の直角にすっと止まる

開いた先に目をやると

そこには手の形と同じ窪みと、奥の方には薄らとスイッチが確認できた

各指毎に1つ、中指には2つ存在している


「次は右側を見てくらないかね」

その声の通りに右側に目をやる、そこにも同じ御椀形だ


また蓋をあける、そこにも先ほどと同じ手形だ

左側との大きな違いは、各種ボタン以外に掌の部分に丸いコロコロ動く物体が存在する事だ


それはさながらトラックボールマウス(マウスをひっくり返したような感じ)のような

装置だった

中指のボタンも右側は1つしか存在していなかった


「見てくれたかね?」

アナウンスが入る

「そこに両の手の平を置いてくれないかね」

そういわれアナウンスの声の通りに手の平を乗せる

ボタンは少し固く少し指に力を入れないと押せないようになっていた

「準備が出来たかね、各種操作説明に移るからついてきてくれたまえ」

「なお、これは事前に録音されたものである、もう一度最初から聞きたい場合はキーボー

ドのRを押してくれ」

「なんだ?ただの録音だったのか」と心の中で眩いた

今俺はアナウンスで流れた音声通りに事を進めている

手でカチカチスイッチを押して、動揺している心を静めている

それはさながら貧乏ゆすりのような仕草だ


暫くしてまたアナウンスが入る

先ほどのアナウンス一周分くらい待たされただろうか

「では次の説明に入る事にしようかね」

いままでブルースクリーンだった画面が切り替り

先ほどのホール内の映像へと移り変わった

酷くうなだれている学生達が画面へと映し出されていた

友達を見つけて話し込んでいる奴もいる

慰めてもらっている学生の姿も見える

椅子に持たれて寝ている奴、さまざまだ


こんな映像を見せてどうするのだろうかと考えていた時

また少しして高島のアナウンスが流れる

「まず基本操作だ」


高島のアナウンス内容を要約するとこうなる



-左手の操作-

小指のボタン→しゃがむ 

薬指のボタン→左へ移動

中指のボタン→上の方前進 下の方後退 (押し込む強さによって走り歩きと調節可能)

人差し指のボタン→右へ移動

親指のボタン→ジャンプ



一通りアナウンスが終了してある事に気が付く

この操作方法、昨日俺がやっていたゲームの操作方法だ 間違いないFPSだ、、、。



この操作方法ならFPS初心者でもキーボードのボタンに迷ってという事がない

キーボードを見る必要がないのだからあたりまえか

さらに初心者でも幾分直観的に操作できるはずなのだが

こんな操作方法でホールのあれは機敏に動いていたのかと思った


おれも初心者の時はちらちらキーボード見て操作してたな

そのせいで顔をあげたら敵がいて、酷くやられた物だな〜

壊かしい思い出がよみがえる


アナウンスの終わり際

「基本操作に付け加えて言うよ、伏せる動作をしたい場合は小指のボタンを押した状態

で親指のボタンを押してくれたまえね」

なるほど、そうやって匍匐状態になるのか

やがて高島の左手の操作説明が終わりを告げる

「次の説明に移る前にもう一度アナウンスを聞きたい場合はRをおしてくれたまえ

ね」


また一周分待たされるのかと思い、多少暇だった俺は資料に目を通す事にした

資料の順序からして次は射撃設定に移るという事らしい

それ以外の事も色々と書かれていた

音声の設定やら

キーボードが設置されている理由など

まあ色々

仲間との通信方法なんかもこれに書かれていた

全部に目を通す事が出来なかったにせよ

大体の事を把握する事が出来た

一周分くらいの間の後画面が切り替る


それと同時にアナウンス

「では射撃の説明に入るよ、いいかね」

正面のスクリーンに映し出された画面は射撃場で

縦一列にサイクロプスが並んでいるのがスクリーン上で見てとれる

正面50メートル先には人を模った紙のターゲットが一枚張り付けられていた

「右手の操作だ、君達の掌には今トラックボールがあるね」

俺の手の平には確かに丸いボールがある


それをコロコロ動かすと画面上の視点がグルグル回っている

「それを動かして見てくれるかね」

先ほどから弄くりまわしているトラックボール、これで射撃をすると思うと少しガッカリだった

なんにせよトラックボールの操作はやり辛くてしょうがなかった

まあ馴れなのだろうけど、、、。


「次は重要だから良く聞いていてくれたまえね、

今回は人指し指しか使わないとは思うが一応説明しておこうかね」



-右手の操作-

小指のボタン→仲間との連絡(音声連絡)作中内は無線で統一

薬指のボタン→各種グレネードの選択

中指のボタン→兵装固有の行動(スナイパーライフルの場合スコープといった感じ)

人差し指のボタン→射撃

親指のボタン→武器の切り替え



右手の操作説明を終えた高島のアナウンスが流れる

「それでは今からプロファイルを作成するよ、射撃の癖をサイクロプスにインプットするからね。 正確に正面の標的 (人の形をした紙)を打ち抜いてくれたまえ」

そういわれ、高島のアナウンスが終わった

ビーっという合図と共に物凄い発砲音がスピーカーから四方八方流れてきた

ダダダッ ダダダッ ダダダッ ダダダッ

ダダダッ ダダダッ ダダダッ ダダダッ

銃器の設定は3点バーストになっているようで、設定の変更ができなかった


俺も恐る恐る人差し指のボタン(以後トリガ一)を押してみる事にした

ダダダッ

激しい発砲音と共に画面上の視点が激しくぶれる

トラックボールのせいでリコイルコントロールが激難しい為だと悟った


=リコイルコントロール=

マウスを操作して射撃中に玉を中央に集中させる為の技術

上級者になると一発も外さないで敵を倒す事ができる



暫くしてプロファイルは設定が終了した

サイクロプスの大演奏会はやがて終りを告げ

いよいよ試験本番である


今回はリピートがキャンセルされており、すぐさま試験開始になるらしい

やがて前方の画面上に映し出されたのは5メートル四方の長方形建造物が立ち並ぶ

無骨なフィールドと

縦一列に立ち並ぶ5台のサイクロプスといわれるロボットの姿だった


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