Chapter.3 「最強陥落」
長らくお待たせ致しました。
島の地下にある研究所のモニタールーム。そこに紙袋はいた。
「ふふ、素晴らしい…。やはり、彼女を呼んで正解だったな」
紙袋の前にはあらゆる情報を精査している部下達。そして巨大なモニターがあり、彼は彼女と田中との実験を興味深く眺めていた。
彼がモニターを眺めていると、彼の側に静が駆け寄ってきた。
「主任~、って…わわわ!?」
そして、何もない床で盛大に転んだ。
「全く…そんなに急いでどうしたんだい?」
「えへへ、すみません…。じゃなくて、主任。所長から通信が入ってますよ!」
「…そうか、分かった。直ぐに行く」
彼は直ぐ様、モニタールームを後にした。
そして、彼はとある部屋にいた。そこは彼以外入室を許されていない、特殊な部屋だ。部屋の中央にはプロジェクターがある。彼は電源を入れた。すると、映像に初老に入ったばかりの、紳士の様な男が現れた。
『やあ、久しぶりだね。透くん。』
そう、それが紙袋の名前だった。
「はい、所長は息災ですか?」
『ああ、キミに後を任せてバカンスを楽しむ、最高の気分だ。』
「そうですか。それで、用件は何でしょうか?」
『ああ、そうだった。何でも、上の方で視察団が来るらしい。』
「視察団?よりにもよってこの時期に?」
『質問に質問で返すのは、感心しないな。まあ、良いだろう。今だから、こそだと私は思う。』
「所長…いや、教授。…そういう事なのでしょうか?」
『ははは、その呼び方。まるで大学時代に戻ったみたいだね。兎も角、気を付けることだ。』
「…はい、分かりました。」
『ああ、ではな。…またキミに会えることを期待しているよ。』
そう言って、プロジェクターの映像は消えた。
紙袋は部屋を出て、モニタールームに戻った。
「主任、どうでした?」
静が紙袋に尋ねる。
「ああ、どうやら上から視察が来る。警戒した方が良さそうだ」
そう言う紙袋の顔は、紙袋に隠れて見えなかったが、その瞳は憎しみに染まっていた。
「そうですか…。あ、そうじゃなくて!彼女が大変なことになってるんですよ!」
「何?すぐに行く!」
そう話ながら、紙袋と静はモニタールームに向かった。
そこに居た者は、皆戦慄していた。あの『現代の斬裂魔』 フランツィア・エルヴァンハイムが、血濡れで倒れている姿を。




