5年後
ざわざわとした会場。
「前田竜雅 ( まえだりゅうが、流奈 ( るな 、結婚おめでとーう!かんぱーい!」
中学を卒業して5年後、皆ばらばらになって初めての集会。
竜雅と流奈の結婚式兼クラス会。
俺達は今、20歳になった。
「おめでとう、竜雅。」
「有難う。でかくなったな、龍樹 ( たつき 。」
「お前もな 笑 」
「そうかー? 笑 」
「流奈と会ってたんだな。」
「んー、中学離れて別れたけど、やっぱり忘れられなかった。」
中学の頃は竜雅とふたりでよく悪さしてた。
あの頃は若かったなあ。
担任の先生にも謝りたい 。 笑
竜雅は、流奈の事に関してだけは真面目だった。
「そっか。」
「お前は?」
「え、彼女?いねーよ?」
「違えよ。」
「何だよ。」
何について言ってるのかは検討つくけど、あえて知らない振り。
「あいつ。会えてないんだろ?」
あいつ。
俺の初恋の女。
竜雅にだけは明かしてた秘密。
「………何も知らねえもん。」
「そこはさ、調べろや。」
「手がかり何にもねえし。」
「何とかしろよ。
なあ、お前 。」
「ああ?」
「まだ好きなんだろ?」
「………………」
「……わかんねえの?」
「…実際会ったら、どう思うかわかんねえ。今会って、やっぱりすきだって思うかもしれないし、ああ冷めてるって思うかもしれない。」
時間の流れは怖いから。
でも俺は忘れる事は無かった。
「…素直になったな。」
「今更かよ 。 笑 」
「………探そう。」
「…いいよ。」
「俺も手伝う。」
「いいって。」
「何でだよ。会いたいんだろ?すきなんだろ?」
「…わかんねえってば。」
「…俺はいつでもお前の親友だから。流奈の事でも世話になったと思ってるから。助けになるよ。」
ああ、我ながらいい友をもったな。
竜雅、お前はいい奴だ。
「ありがとな。流奈の所行ってこいよ。」
「おう、また会いに来る。」
「同じ会場だろ wwww 」
懐かしい顔ぶれに、いつもみていた、いつも探していた、いつも皆の真ん中にいた君だけが居ない。
「探す、かあ。」
実際こうやって、居ない姿を無意識に探してるって事は、もう答えわかってるんだけどなあ。
自分でもわかってるのに、認めたくないんだ、きっと。
頑固さは直ってないな、俺。