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ファンタジー・オブ・デスティニー  作者: 一条一利
第二章 アリス教国ルイビンベール
9/60

1 始めての戦闘

第二章スタートです。

 ルイビンベールに上陸した。海岸警備隊がいたら面倒だなと思っていたが大丈夫だった。手頃な岩場に小舟をロープで括り付けた。とりあえず人を探そう、という事になり内陸部に向かって歩く。


 ゲームでは確か、しばらく歩くと街道があり、街道沿いの看板に首都までの道程が書いていたはずだ。


 看板があった。首都まで徒歩四時間と書いてある。


「首都まで四時間掛かるのか。今は何時ぐらいかな?」


 ちょっと待って、と周りをキョロキョロ見るハイミ。すると石造りの造形物に近寄って行った。どうやら石の影の長さで時間が分かる様だ。古代遺跡みたいだなと思う。


「朝の八時ぐらいね。首都に着くのは丁度昼ぐらいじゃない?」


 四時間も歩くのか、と思う。ゲームならすぐ着くのに。


「馬車でも拾うか? 多分この辺りにも馬車乗り場ぐらいあるだろう」


「ハルオ、ナイスアイデア!」


「でも、金貨を換金しないと使えるお金が無いわよ」


 ガックリした。街道を首都に向かって歩く事にした。


 ハイミはすっかり元気を取り戻しており、よく喋る。船から食料も持って来ており、小川で水を汲んで食べる。食欲もある。食べながら歩く。


「うーん、味はイマイチだけど、食べとかないとね。四時間歩くんだし。着いたらすぐに宿を取って美味しいご飯をたべようよ。ルイビンベールは美食が有名だからね」


「そうだね。着いたらまずは美味しい物を食べに行きたいね。宿を取るのは夜でいいんじゃない?」


 ゲームをやってるから分かるんだが、この日は宿を取らなくてもいい。すると、ハルオが、提案する。


「着いたらすぐにお城に行った方がいいんじゃないか? 国王に早く報告しないと」


「ハイミ、本当の目的を忘れてたでしょ。王様に報告しないと。食べる事ばかり考えないでよ」


 みるみる顔が赤くなるハイミ。


「い、いいじゃない! ルーべリアまで轟くルイビンベールの料理を食べたいと思っても!」


 ポコポコと俺の腕を叩きながら言う。でも、俺はゲームでこの先を知っている。昼食も取る必要も無いし、宿も取る必要がない。


「わ、分かったよ。とりあえずは金貨を換金しに行こうよ。まずはそこからだよ」


 むー、と膨れるハイミ。か、可愛いな〜。でれ〜、としてるとハルオが緊迫した声で言った。


「おい、二人共、魔物だ」


 えっ、と振り返る俺とハイミ。そこにはファンデスの初期モンスターである『オオカミ犬』だ。雑魚敵だ。それも一匹。急いで身構える俺達。何で街道に魔物が出るんだ。……ゲームだからか。


「ユウマ、ハイミ! お前達は下がってろ」


 素早く前に出るハルオ。俺達を守る様に。


「何言ってるんだよ。俺も戦うよ!」


「……武器も無しでか?」


「あ……」


 急いで逃げて来たから武器を持っていなかった。


 はぁ、と隣でハイミが溜息を吐く。そして右手を顔の高さまで上げる。すると右手に火の玉が現れる。


「ハルオ、わたしが魔術で動きを止めるからドドメをお願い。……金貨を換金したらまずはユウマの武器を買わないとね。剣士が剣を持ってないなんて」


 くらえ! と火の玉をハイミが投げた。火の玉は魔物に命中した。するといつの間にか魔物との距離を詰めていたハルオが強烈な蹴りを叩き込む。魔物は動かなくなった。


「やったー!」


「よっしゃー!」


 飛び跳ねて喜ぶハイミ。ガッツポーズをするハルオ。雑魚敵だけどね。


「もういない? わたしの魔法はこれだけじゃないよ!」


「こんな敵じゃ、本気出せねー! もっといないか!」


「調子に乗るなよ〜。敵なんか出ないに越した事はないのに」


「ビビってるんだ」


「ビビってるのか」


 ハモってるかの様に同じ事を言われた。た、確かに剣なんか持ったこと無いし、現実ではここ何年も体育さえしていない。でも、俺はこの世界では騎士団長の息子だ。


「な、何言ってるんだよ。俺は騎士団長の息子だよ。剣さえあればオオカミなんて楽勝だよ」


 プッ、あっはっは、と二人に大笑いされた。何が可笑しいんだよ、と詰め寄るが、さっさと逃げて行く。待てー、と追いかける。こうやって騒いでいる内に四時間はあっという間に過ぎて首都に着いた。


お読みいただきありがとうごさいます。

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