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ファンタジー・オブ・デスティニー  作者: 一条一利
第一章 転生と仲間との旅立ち
8/60

行間1 小舟にて

行間です。

「おはよう、目が覚めた?」


「うん、おはよう、ハイミ。俺、どれぐらい寝てたのかな?」


 小舟で出発した後、順番で寝ようという事になったが、ユウマとハルオは演習で疲れていた為、最初に寝させてもらった。それから何時間ぐらい経ったんだろう。ハイミは月を見て言った。


「うーん、夜中なのは間違いないと思うけど。わたしも月の見方をちゃんと勉強しとくんだったな」


 この世界では太陽や月や星の位置と季節でである程度の時間を判断している様だ。時計を見慣れている俺からすれば全く分からない。


「そうか。じゃあ、次はハイミが寝ていいよ。俺がコンパスを見てるから」


「うん、ありがとう。じゃあ、頼むね」


 ハイミも疲れていたのかすぐに寝てしまった。



 一人で起きているのは退屈だな。夜中だから怖いし、何て考えてるとハルオが起きた。


「ん、あー、ユウマが起きていたのか。ちょっと寝過ぎたかな。こんな所で寝ると身体が痛いな」


 立ち上がって軽く運動を始めた。船が大きく揺れる。


「ちょっと、船が揺れてるよ! ハイミが起きちゃうよ」


 ハルオはおっと、そうだな、と座った。するとハイミがうぅーん、と言った。起きたかなと思ったが大丈夫だ。しかしバランスを崩し俺の方に倒れてきた。


「うわわ、ハイミ……」


 ハイミが俺の胸の辺りで可愛い寝息を立てて寝ている。俺とハイミの顔の距離は数センチだ。照れて口をパクパクしている俺を見てハルオが言う。


「あーあー、羨ましなユウマ。出来るなら変わってもらいたいぜ」


 茶化さないでよ、と言うと、ハイミが起きるぞ、と口に人差し指を当てる。うー、と黙る俺。


「後は俺が起きてるからお前ももう一眠りしろよ。明日からまた大変になるぞ」

「うん、じゃあお言葉に甘えて」


 また俺は目を閉じた。



 ……眠れない。目を閉じたが眠れない。何故だか分かるだろうか? 小舟だから寝づらい? 違う。波の音がうるさい? 違う。でも、音がうるさいっていうのは惜しい。いや、うるさくはない。音が気になる。何の音か分かるだろうか? あと、厳密に言えば音じゃなくて声だ。


「すぅ〜、すぅ〜、……うぅーん……」


 ハイミの寝息だ。こんな寝息を数センチで聞いて眠れるわけ無い。


 もう一つ理由がある。寝息はたまに止む。で、その隙に意識が落ちかけるが次の攻撃が来る。……ハイミっていい匂いだな……眠れない! こんな事を何時間繰り返したんだろう、ハルオが俺達を起こさない様にか小さい声で言った。


「岸が見える」


 えっ、と目を開けた。ハイミに気を取られて気付かなかったが、夜が明けかけて水平線から太陽が出かけている。


「悪い、起こしたか」


「う、うん、よく寝たよ。岸が見えたの? 思ったより早かったね」


「ああ。さぁ、上陸だ。ハイミを起こそう」


 ハルオが岸に向けて船を漕ぐ。近付いて来る岸を見ながらハイミを揺すって起こす。


「ハイミ、着いたよ。起きてよ。上陸するよ」


「ふぇ? うぅーん、あと五分〜」


 寝ぼけている。ハイミって寝起きこうなのかな。意外だ。しっかりしてそうなのに。起きなよ、と強く揺すった。すると正気に戻った様だ。でも小事件が起きていた。


「ん、着いたの? そう。……ユウマ、どこ触ってるの?」


 えっ、と下を見ると左手は肩を揺すっていたが、右手は胸を揺すっていた。わざとじゃないが、言い訳ターイム!


「ち、違うんだよ。その魔術師の服って生地が厚いんだね。触ってるの気付かなかったんだよ。か、感触が分からないからこれは無かった事に出来ないかな?」


「感触って何よ! 無かった事に出来るわけ無いでしょう! 肩と背中を揺すればいいのに何で胸を揺すってるの? ……わざとでしょう? 白状しなさい!」


 狭い船で四つん這いで向かって来るハイミ。四つん這いで逃げる俺。変態、と言いながら何で向かって来るんだ。普通逃げるよね?


「お前等、暴れるな! 船が転覆するだろうが!」


 聞く耳持たずに追いかけて来る。逃げてる間に岸に着いた。


楽しんでいただけたでしょうか。

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