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7 陽動作戦を見抜いたら

「ロイナート、爆発物を探してる隊員に伝えてくれ。爆発物を見つけたら、力場魔法で爆発を抑え込む役と、爆発を念動力か気力で促す役――二人一組で爆発物処理にあたるようにと」


 ロイナートは頷くと、レイラに向かって言った。


「レイラ、各隊長に今の指示を出してくれ」

「判りました」


 レイラは頷くと、背中を向けた。念話で各隊長に指示を出しているのだろう。


「ディモン、判断が早いが――経験があるのか?」

「ああ。少しな」


 俺は堅い表情を崩さないロイナートに、それだけ言っておいた。


「総隊長、処理法を伝えました。既に隊員たちが各地で爆発物を発見してるとのことです。現在――総計で22個」

「そんなに?」


 レイラの報告に、セレスが驚きの声をあげた。ロイナートは深く頷く。


「各員に伝令。正午までにすべての爆弾を発見せよ。王都の平和は、我々警護隊が守る――と」

「判りました!」


 レイラはロイナートの指示に、微笑を浮かべて見せた。


   *


 レムルス王子の元に、アリアン・スレイが現れた。


「王子、王宮からは爆弾は発見されなかった模様です」

「そうか。兄上たちの処はどうだ?」


 レムルス王子は、真剣な面持ちでアリアンに訊いた。アリアンは頭を下げる。


「ただ今、確認して参ります」

「うむ」


 そう答えると、アリアンは退出していく。


「何事もなければいいが――」


 レムスル王子は、独り呟いた。

 その瞬間、何処からともなく女性の声が響いた。


「何事も…ってのは、ちょっと無理な話しかもね?」


 王子が振り返る。

 振り返った先の空間から、突如として女が現れた。


「こんにちは、レムルス王子。この前は――残念だったわ」


 一つ目の仮面をつけた女――レディ・スィートはそう言って微笑んだ。

 それに続いてグリード、テラー博士も空間の歪みから現れる。


「お…お前たちは――」


 レムルス王子の驚き顔に対して、眼がないのに眼鏡をかけてるテラー博士が笑いかける。


「この前はその命をいただけませんでしたが――今日はきっちり、いただいていきますよ」


 テラー博士の言葉を待たず、王子は手の中に真っ白な魔法杖を呼び出す。と、その先端についた緑の結晶が光り出した。


「余にも魔法の先生がいてね。その教育の成果を出さないとな」


 王子の背後に8つの電撃を帯びた球が現れる。


「旋回電球破!(スパイラル・ボルト・ブレイク)」


 8つの電撃弾が高速回転しながら三幹部を襲う。電撃弾の爆発で、室内は爆炎で視界がきかなくなった。


 王子はその隙に後方へと下がる。

 爆炎が消えた時、グリードは魔法を吸収し、レディ・スィートはカマキリのファントムで魔法を防御、テラー博士は魔法衝撃で身を守っていた。


「なるほど、大した魔法だ。よほど、いい先生についたと見える」

「――お褒めに預かり、恐縮ね」


 傍にいたシイファが声をあげた。

 俺たちは、王子の部屋のサイドボード裏にある隠れ部屋から姿を現す。俺とシイファ、ニャコは王子の傍に出て、三幹部を睨んだ。


「キィ・ディモン……何故、此処に?」


 テラー博士が口惜しそうな声を出した。


「お前たちの最終目標が王子暗殺だと判っていたからな。挑発の爆破をした上で、爆破予告。警護隊は爆弾探しに駆り出され、王宮の警備は手薄になる。その隙を狙って、王子暗殺をする事が真の狙いだ。捕まった犯罪者たちの解放など、そもそもお前たちにはどうでもいい話で、全ては王子暗殺のための伏線だった」


 俺はテラー博士に説明してやった。

 テラー博士がそれを聴いて、皮肉そうな笑みを浮かべる。


「そこまで判っていながら、小娘二人が護衛とは。やはり人員を取られて隊員たちを動員できなかった事は痛いでしょう?」

「お前は勘違いをしている」


 俺はテラー博士を指さした。


「この二人は、俺が考える最強の布陣だ。これ以上に心強い味方など存在しない。邪神教団ヌガイラムの三幹部――殺人容疑、および王都騒乱の罪で、お前たちを逮捕する」


 俺は三幹部に言い放った。

 三幹部が顔色を変える。が、すぐにテラー博士は笑みを浮かべた。


「面白い――やれるものなら、やってごらんなさい!」


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