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蛇足5 明けました


「あけましておめでとうごさいます!」



だらだらとコタツでスマホを弄っていたら、正面の羽乃がそう言った。



「ん?あ、ホントだ新年だ」



スマホの時計を見ると、見事に0:00と表示されていた。


うーん、新年を迎えた瞬間がYouTubeか……

なんとも言えん。

勉強をしてる羽乃とは大違いだ。



「こちらこそ、あけましておめでとうございます」



そう返すと、満足そうに羽乃は微笑んでから、またシャーペンを走らせ始める。


新年の挨拶なんて、ここ数年、した覚えがない。

やっぱり、家族とはこうあるべきだよな。


うんうん。


一人で頷いていると、羽乃が突然、ピタリと止まり、言う。




「初日の出見たいね、」


「……なんだよ、突然。」




なんかキラキラした目で、こっち見てるんだけど……

可愛いじゃねえか、


そんな見つめられたら……



「見に行くか?」



断れるわけないだろ!



「うん!」


「でも、起きてないとだぞ?」


「うん!」



こういう時はやけに子供っぽい。


そこが魅力と言えば、そうなのだが。



「まぁ、起きてられるなら良いけど……」



どのみち、まだ冬休みだ。


明日、学校はないし、特に用事は無い。



少し経った頃だろうか、

羽乃はすっかり船を漕いでいた。


頭が上下にカクカク揺れている。


なんか、可愛い。


赤ベコ的な感じ?


まぁ、僕が起きてれば良いか……

起こしてやろう。



初日の出かぁ、そんなの見るのは初めてな気がする。


今までは、馬鹿らしい文化だと決めつけていたが、いざ目の前にすると心が踊るものだ。




そうして、スマホに目を落とすーーー



やがて、机から頭を上げる。



「はっ!?」



思わず声が出た。


寝てしまったみたいだ。


幸い、太陽が出てる様子は無いが、もうすぐにでも太陽が登りそうだ。


空が白み出している。



一瞬で目が冴える。


眠いが、そんなことを言ってる場合では無い。

せめて、2階のベランダからでも見れればいい、



「羽乃!起きろ!初日の出見るんだろ!?」



こちらも僕と同様にコタツの机に突っ伏している羽乃の肩を少し勢いよく揺らす。



「……お兄ちゃん、」



寝ぼけた羽乃が、半目で僕に向かって言う。



「……ん、なんだ?」



先程までの威勢は消えてしまい、羽乃に呼ばれて、答えてしまう。


てか、最近、頼って呼ばれているから、お兄ちゃんと呼ばれるのが新鮮で……



あと、なんか寝ぼけてる羽乃可愛い。


あぁ、ダメだ!

そんなことより、初日の出を!



すると、羽乃が僕の首に手を回した。



「え?」




思わずマヌケな声が漏れる。


僕はそのまま倒れ込むようにして、羽乃に抱かれたまま、横になった。


いやいやいや!

ダメでしょこれ!



「すき、」



う、が、が、レジギ、ガガ……

そんなこと言われて、僕はいよいよ動けなくなる。


いや、なんとか最後の理性で羽乃の名前を呼ぶ。




「う、羽乃!」


「しー」



しー、なんて言われたら黙るしかないでしょうに……ははは、

黙ってます。はい。


てか、顔近い……


ほっぺ、柔らかそ……

可愛い……



そんなことを思っていると、凄まじい眠気が襲ってくる。



ああ、このまま寝てしまおう……

まぁ、これは不可抗力みたいなものだ、




ーーーーーーーー



「え……」



起きたら私の腕の中に頼がいた。


静かに寝息を立てている。


私に記憶は無いけど、私が掴んでいるのだから、私から抱きついたのだろう。



てか、顔が近いっ!!


ほ、ほっぺが柔らかそう!

い、イケメンすぎる!



もう!ダメだ!



そのまま、私は帰らぬ人となったのでした、





完!


いや!それじゃダメだ!



「お、起きて!」


「……ん、んん!」


「……」



お兄ちゃんが凄い真っ赤な顔で勢いよく起き上がる。

私は何も言えない、顔に熱がこもるのが直に分かる。


「ご、ごめん!あ、いや、不可抗力だったんだ!だから、」


「いいよ、別に気にしてないから……」



うわぁああ、顔が熱い……

生きてる心地がしない、



恥ずかしすぎる!


あ、ま、まぁ、今更だけどね!

まぁ、私と頼は、色々した仲だし?


そういえば、初日の出……

いや、まぁ、いっか。





初日の出なんかどうでもいいくらいに、私の心は満たされていて、

なんだか、腕の温もりは一生消えない気がした。


何を隠そう!次話、新章突入が決定!!乞うご期待!!!

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