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蛇足3 クリスマスの贈り物・前編

もう冬休みになった。


1年の最初は、それこそ忙しくて濃い日々が続いてたが、今はすっかり何も無いと言ってもいいような平和な日常が続いている。


そんな平和はやがてこんな日をも暖めてしまいそうだ。



「ちょっと、出かけてくる。」



そう言って誰もいない家に告げてから、僕は家を出る。


ドアを開けると同時に勢いよく冷えきった風が、吹き込んでくる。


一瞬、寒さに耐えられず、ドアを閉じようかと考えるが、すぐにそんな気持ちなんて吹き飛んでしまう。


なんでかって?


今日は珍しく、羽乃が友人と遊ぶとかで、家を留守にしてるんだ!



ふはははは!これは勝利だ!


確かに羽乃がいないと心做しか寂しく感じるのは事実だ!それは、認めよう!


でも、それは1日くらいなら何も感じない!

こんな日を楽しまないで、どうするんだという話だ。



家を出て、バスに乗り、前橋駅から電車で高崎駅に向かう。


高崎に来たのには、理由があるという訳では無い。


ただ、一人でゆっくり買い物をする日があってもいい気がしたからだ。


群馬じゃ、高崎は県庁所在地を抑えてトップの発展具合だからな……。



ふと、電車を降りて改札を抜けると、大きなクリスマスツリーが目に入った。



「……今日って何日だ?」



気になって、スマホを見ると12月24日と画面に表示されていた。



まじっすか、


すっかり、忘れていた。


一日中、家にいる日が多かったから、気が付かなかった。


なんで家にいるかというと、羽乃が僕が家を出ようとすると、着いてくると言い出すからだ。


とてもでは無いが、仮にも妹とデートなんてしたくはないし、中学の友達なんかに目撃されでもしたら、恥ずかしいったらありゃしない。

まぁ、そんなこと言っても、いつだったか、2人でWindowなshoppingをしたことがあった気がするが………まぁ、それとこれとは別の話だ!



クリスマスかぁ、


まぁ、クリスマスくらい友達と遊びたくなるのは分からなく無い。


羽乃だって、年頃の、いわば女子高生だ。


ん?僕?僕は……まぁ、気にしないでくれ。


ん、クリスマスに……誰かと遊ぶ、…①

女子高生、…②

①+②=カップル!?



……まさか、男とっ!?


なんか、数学の証明みたいだなぁ、、


いやいや、そんなことより、羽乃が男友達と遊んでる可能性は……。


そんなことを思ったが、仮に男と遊んでいたとしても僕の知ったことではないし、とてもでは無いが羽乃が男友達と遊んでるところなんて想像出来ない。


うんうん。そうだ。クラスでだって男と話してるところなんて見たことないぞ?


勿論、この話は杞憂に終わるのだが、そんなこと知る由もないこの時の僕は妄想を膨らませて、どんどんネガティブな気持ちになっていく。



あぁ、クリスマスって……聖夜とかいうやん。

聖なる、なのにやってることは汚らわしい行為……まさか羽乃が誰かに巻き込まれたら!ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛!!


一人で心の中で叫んでいると、ふと声をかけられた。



「おぉ、頼じゃねえか!何してんだ?こんな所で?」



馬鹿だ。

関わらんとこ。



「おいおい、無視すんなよ!俺だよ、分からねえのか?朋也だよ!」



知らん知らん。


結構、序盤の方にでてきた友人キャラの名前なんて、いちいち覚えてるわけないだろ。

初投稿からどんぐらい経ってると思ってんだ?今更、出てくんなよ。



「ところで、お前一人で何してんだ?」




僕の返事を待たずに朋也は話を進め始める。



僕は一人を謳歌していたのに、コイツときたらそんなことも露知らず……



「ん?俺か?俺は今日は一人でshoppingだ!」



ちなみに、これを答えたのは僕では無い。

朋也だ。


何も聞いてねぇよ。


しかも、クリスマスに一人でshoppingとか、今どきの小学生でさえクリスマスは友人と遊ぶのに……こいつ、まさか残念なやつなのか?


ん?ブーメランだって?

はっはっは、こりゃ一本取られましたよ……はぁ、



「まぁ、つっても妹と弟の為におもちゃ買いに来ただけだけどな!ほら、サンタさんのやつだ。」



「へぇ、」



ここで初めて声が出た。


コイツが見た目に反して、意外にも家族、というよりは兄弟思いなのだと



「あとは、色々と世話になってるから、貯めた小遣いで、母さんと父さんになんか買ってこうかなぁ、ってな!」



「……や、なるな。見直したぞ……」



なんてこった、家族思いでもあった。


こいつの方が上だ。そう本能的に感じるのにはまだ早い!!



「あ、あぁ。僕も今から羽乃にクリスマスプレゼントを渡すために、何か買いに行くところだ。」



「お?そうなのか?妹さんにか!なら、一緒に行くか?」



死んでもごめんだ。


野郎と2人でプレゼントを買いに行くなんて、暑苦しいったらありはしない。



「いや、僕は急いでるから。」


「ん?そうなのか?じゃあ、また学校でな!」



話が早くて助かる。


手を軽く振ると、朋也は駆け足でショピングモールの中へと消えていった。




「はぁ、羽乃って何が欲しいのかなぁ?」





どうやら、1人になっても、羽乃の事を考えない訳にはいかないようだ。


いや、これがもしかしたら、幸せと言うのかもしれない。


後編は同タイミングで更新!!

おもしろかったらいいジャンしてね!!

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