14話 真実を知るのは当事者だけ。
いやはや、ビックリした。
変な人のせいで楽しい時間が消えてしまうかと思ったよ……。
てか、あれ誰なんだ?
お兄ちゃんは高校生だと思いこんでいた気がするけど、アイツら明らかに高校生では無くない?
高校生だとしても、高校に仲の良い男友達なんて居ないし……。
お兄ちゃん以外の男とは極力関わらないようにしてるから、あんな、軽々しく私に話し掛けられる男なんて居ない筈なんだけど……。
どういうことだ?
どこかで会ったことがあるのだろうか?
いきなり知らない人から話しかけられたら、そりゃあビビって何も出来ないもんだよ。
お兄ちゃんが居てくれて良かったと、つくづく思う。
あそこで、助けてくれなかったらどうなっていたんだろう。
人違いにしても、私の名前知ってたしな……。
ん〜?
誰だったんだ?
あの2人組は……。
本当に誰だか分からないまま、フードコートに到着する。
「なに食べるん?」
お兄ちゃんに聞くと、少し辺りを見渡してから決意を決めたように言う。
なんで、そんなに何食べるかを本気で考えてるんだよ、
その仕草に微笑みが零れる。
普段は行動や発言は大人っぽいのに、こういうときは子供っぽい。
「僕は……うどんかな?」
「おお!良いねぇ!○亀?」
「まぁ、○亀しか無いしな……。」
「そっか!私もそうしよ!」
二人で○亀製麺の注文カウンターに向かう。
今、考えるとへ○ッパーランチでも良かった気もするが……まぁ、今日は何だか冷たいものを食べたい気分だ。
「ぶっかけの並二つ。どちらも温かいのを、お願いします。」
……。
え!?
何勝手に決めてんの!?
いや、確かに肌寒いから温かいのを食べたいのは分かるけど!
私は冷たい気分だったんだけど!
まぁ、いっか。
今回はお兄ちゃんに助けてもらったし。
しっかし、このままだと良くないな。
さっきの、服の話もそうだけど……、
いつか、お兄ちゃんが女の子とかとお出かけしたとしたら、このままだと蛙化(?)みたいなことになる気がする。
ん……、いや、お兄ちゃんは誰にも渡しませんので、このままでも構いませんね。はい。
ふふ、お兄ちゃんのそういうところ受け止められるの私だけだからね…、
「はい、お待ち」
「ありがとうございます。」
二人でお盆を持って席に着く。
「「いただきます」」
手を合わせて、今日も見えない何かに感謝する。
いつかの未来を強く信じて。
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「えっと、付き合ってるぽいっすよ?」
「うんうん、」
あるビルの最上階。
群馬県内では県庁の次に高いビル。
そのビルの全てを統括する会社の、社長室。
煌びやかとは言えないが、盾や賞状が光を反射させる部屋は、いつもとは違う空気を孕んでいた。
二人のチャラい男が、一人の壮年の男に軽い口調で説明する。
それに対して壮年の男は聞く。
「本当か?」
「ええ、まぁ頼君の方が言ったから間違えないと思いますけど……」
「うんうん、」
「頼が、言ったのか……」
男は思案する。
家では、そうは見えない二人が既に付き合っている可能性を。
「分からない……」
いつもの、気弱そうな男には到底見えない厳格な雰囲気の男は、手を顎に当てて何かを考えるように唸る。
羽乃が、頼の事を好きだと聞いて好都合だと思った。
打ち明ける時が来たのだと。
でも、羽乃の熱さに、頼は付いていけてる様子は無い。
それは、今朝もそうだった。
親の前では本性を見せないと言うことなのか?
だとしたら、羽乃から何か報告があってもいい気がする。
再び唸る。
それは、幾千の戦いを生き抜いた戦士のような面構えで、
「もう、長くないんだがな……」
そう小さく呟く。
その呟きが聞こえている筈なのに、二人の男は何か声を掛ける様子は無い。
もしかしたら、全てを理解しているが故の沈黙なのかもしれない。
だから、その呟きは空に溶けて、儚く消えた。
真実を知るのは当事者だけ。
なんというか、色々暴かれてきましたねぇ……
続きを読みたかったらブクマとかイイネしてね!!
あと、星!!!!
(2023,7月10日、加筆修正済)




