表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/44

10話 妹看病イベント

「お粥ってどうやって作るんだ?」



少し前に見た恋愛漫画でヒロインが、看病のためにお粥を作っていたから、それを模倣してお粥を作ろうと思っていたが、どうやら一筋縄では行かないようだ。


そもそも、作り方すら分からない。


というか、鍋で作るのか?

いや、炊飯器で作れるのか?


……?

わからん、こんな時はG○ogle先生だな。



普段は、羽乃がご飯については準備をしているから、皿の場所もよく分からない。


義父さんはお察しの通り、料理なんて微塵も出来ない。


ちなみに、僕も同様に料理は得意では無い。

いや、良くないと思うよ?


それこそ、男性は料理を女性に任せるみたいな、日本の良くない構図を縮小したような家だってことは、理解してる。


でも、最初は僕も義父さんも、羽乃を手伝ってたんだよ……。


でも、そのうち僕達を遥かに凌駕する速さで羽乃は、料理スキルを会得してしまったんだよ……。

なろう系主人公並みのスキル会得スピードだったよ…


果てには、僕らは自由の(ニート)さ。



ネットでお粥の作り方を調べたら、鍋で作るレシピが沢山出てきたが、どれもこれも大変そうなものばかり。


やる気なんて消え失せて、逃げ道を探す。



「ん!そうだ!カップ麺が有ったような…」



いや、病人にカップラーメンを食わせるのは馬鹿だよな……。


どうしたものか、


今になって、料理を勉強しようとしなかった自分を呪う。


羽乃を今でも手伝い続けていたら……。


いや、どのみちセンスが無くて、壊滅的だったと思うが。



「買ってくるか……」



もう、打つ手は無くなっていた。


結局、僕は近所のコンビニに向かうのだった。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーー



「おーい、羽乃?お粥買ってきたよ?」



ノックしても返事が無かったので少し不安に思っていたが、羽乃は静かに寝ていた。


少し安堵している自分がいたが、返事がなくて不安に思うのは当たり前だ。


別にこの感情は異常なものではないと、心に言い聞かせて、部屋の奥へ進む。


少し前に羽乃の部屋で寝た時は、しっかり部屋を見ていなかったから特に気にしなかったが。


こうして、見渡すと完全に女の子の部屋だ。

なんというか、色合いが。



「ゴホッゴホッ、」


「おぉ!」



部屋を見渡してたら、羽乃が咳き込んだ。


ビックリさせんなよ……。


部屋を見渡してたことを咎められているようで、びっっっっくりしたじゃないか。



「ん、お兄ちゃん……」


「お、おう……起きたか、大丈夫か?」



すると、咳で目が覚めたのか羽乃が、虚ろな視線を僕に向ける。


え、なんか可愛いんですけど?


何ですか?


この犯罪してる気分になる状況は?


手錠はモザイクでお願いします。



「うん、多分へいき、」


「お、おお良かった…」



なんか、いつもの元気が無くて可愛い……。


いつもこのテンションだったら、結婚しても良いかもしれない。


いや、何を言ってるんだ……。


何度も言っているが、僕らは兄妹だ。


そういえば何の脈絡もない話をするが、僕と羽乃の誕生日は同じという設定だったが、本当はいつなんだろう……

おそらくは、別の日なんだろうが…、

あとで、義父さんに聞くか。



余計なことを考えて、羽乃についての悩みを曖昧にする。



「お粥買ったから、」


「ん、ありがと。」



なんでだ?


なんで、こんなにしおらしいんだ?


おかしい!こんなの羽乃じゃない!


羽乃ってのは、もっと悪魔みたいに笑うんだ!


こんな、純真無垢な笑い方はしない!


しない!しない……ぃ、筈!



「えっと、僕は部屋に戻るよ?お粥はここに置いとくからーーーーー」


「まって、」



え?


なんすか?


待つんですか?


待つんだな?!ウノ?!今、ここで!!



「ここにいて、」



あ、はい。


うん。


辛いよね、風邪の時は独りは心細いよね、

分かるよ。その気持ち。




そうして、30分が経った。




僕は静かに寝息を立てる羽乃の顔を凝視しながら、ベット横の椅子に座っていた。


何をしてるんだ?僕は……。


いや、何もすることがないからこうしてるのか。


羽乃の顔を見ていたら、30分がいつの間にか過ぎていた。


危ない、危ない……。



ん?


見惚れてたかって?


ハッハッハ、馬鹿言うんじゃないよ。


まさか、いくら可愛いからと言って義妹に見惚れるほど、僕も落ちぶれちゃいないよ。


じゃあ、なんで見てたかって?


だから、言ったじゃないか……することが無かったからさ!



「ねぇ、」


「うわっ!」



一人で理解不能な自問自答をしていたら、羽乃が起き上がって僕の顔を覗き込んでいた。

近い、近い!


息がかかりましたよ?


すると、羽乃が僕の手を取る。


羽乃の手が、とてつもない高温の熱気を放っている。


まぁ、風邪の時は不安になって、人肌恋しくなるって聞いたことあるし……。


仕方なく、羽乃の手を握り返す。



「ど、どうした?」


「あのさ、薬取ってきてくんない?」


「お、お安い御用さ!」



顔を近ずける羽乃を、無理やり離して立ち上がる。


いや、正確には立ち上がろうとした。


羽乃は、それに従うように再び横になったのだが、僕の手を離さない。


だから自然と腕を引っ張られる形になり、結局椅子に座りなおす。



えっと、手を離してくれませんかね〜?




「薬は、どこにあるんだ?」


「えっと、ね〜……」


「ん?どこだ?」


「……」


「…………。」



え?!


寝た?


は?


寝た?


マジかよ、寝たのか?


僕の手を掴んだままだぞ?


薬は、良いのか?



ダメだ。もう疲れた……。


諦めて椅子に座りなおす。



何故か学校行ってる時並に疲れた気がする。


結局、どこにいても羽乃に振り回されるのは変わらないようだ……。




羽乃を見ていたら、僕も少し眠くなってきた。


看病する立場の人間が寝ていいのか?


なんて、思いながらも意識は深層へと消えていく。



疲れたから少しだけ……





てか、女の子の手ってこんなに柔らかいのか……。


次は全力で飛ばします。戦場を駆けるランスロットやドムの如く。

余談ですが、余談でした。

(2023,7月9日、加筆修正済)


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ