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独り善がり

作者: みあ


 初めて目にしたとき、胸が高鳴った。

 人見知りなわけでもない、強面な人だったわけでもない。ただただ心臓が跳ねて、煩かった。それからだった、気になるようになったのは。


 名前しか知らない人。

 恋人がいるのか、結婚しているのか、好きな人がいるのか……何も知らない。名前と顔しか分からない。周りから「こういう人」という情報はあるが、私自身は何も知らない。

 仲良くなりたい、何が好きかもわからない。ただの一目惚れのような芽が勝手に育ってゆく。


 期待して、望んで、それは私の作り上げる理想。それに当てはめてしまいそうで怖かった。


 高鳴る胸を落ち着かせる。

 第一印象が良い人は、きっとたくさんいる。そこから、話して仲良くなって深い関係を築くことが出来る。


 今は独り善がりでしかない。



 そんなこと、分かっている。

 痛いほどに理解している。


 それでも、それだからこそ、気になってしまう。

 ふとした瞬間に考えてしまう。私のことを知ってほしいと思ってしまう。それなのに話しかける勇気も度胸もなくて、遠くから見ることしかできない。


 私は、こんなにも意気地なしだったのか……。

 新たな自分を発見したようで、嬉しいやら空しやら複雑な感覚になる。


 理想に当てはめて、こんな人だったなんて……と言いたくない。

 そんな人になりたくない、と思っていたはずなのに。どうしてだろう、そうなってしまう気がする。


 今ほしいものは何かと言われたら、踏み出す勇気かもしれない。


一目惚れした際の、踏み出す勇気が出る前にうだうだ悩んでしまう感覚を言語化してみたかったもの。こういう恋愛は見ている側は楽しいですよね。

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