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やっぱり駿河国も繁栄しているな。

ここ数日の間、朝のお勤め、朝の修練を終えてる毎日をしているが今日は出掛ける事にした。


これからは今川一門の武将としてやっていくので重臣たちと上手くやって行く為に福島 正成殿の所に挨拶でも行こう。


柳生 家厳と松永 久秀と世鬼 政棟をお供に正成殿の屋敷へと向かう。

門番に名乗り取次ぎを頼むと屋敷の中へ1人が確認をしに入って行った。


暫くすると屋敷の中庭に案内された。

そこには正成殿が息子である福島 孫九郎と修練をしている最中だったのでいきなりの訪問を謝罪した。


孫九郎は流石のちの北条 綱成なだけ他の者とは違う雰囲気を纏っている。


自分の息子に自信があるのだろう。

正成殿は孫九郎と立ち会ってみないか?と提案して来たので私は良い機会だと提案を受け入れた。


孫九郎は私が受けるとは思っていなかったようで意外な顔をしていた。


思いっきり打ち込むのには木刀よりも竹刀の方が良いが使用しているのはまだ私たちしかいないのでしょうがない。


孫九郎に怪我を負わせないようにしないとな…


立ち会いは孫九郎の木刀を何回か受けたのち孫九郎の木刀を弾き飛ばし私の木刀は孫九郎の頭上で寸止めした。


孫九郎は呆気にとられ固まったままだが、正成は孫九郎が負けた事より私がここまで一方的に勝った事に興奮していた。


武芸を叩き込んだ自慢の息子を一蹴したその武芸に正成は惚れ込み、そしてその義元に仕える事が決まっている息子の孫九郎にわずかばかりの嫉妬を覚えた。


我に返った孫九郎も興奮しながら私の家臣になれた事を喜んでいた。


私たちは修練を終え部屋に通されて漬け物をお茶受けにお土産に持って来た煎茶を楽しみながら雑談を始めた。


私は正成殿が玄広恵探派だとわかっているが孫九郎を家臣にどうしても欲しい為にお屋形様にお願いして私の家臣につけてもらった経緯を説明し、その為に福島家に混乱を招いた事について謝罪した。


正成としては孫九郎を玄広恵探の元に送りたいと考えていたが圧倒的な武芸を示した義元自らが孫九郎を指名した事を光栄に思い息子を指名してくれた事に対し礼を述べた。


また、孫九郎には私の偏諱を与え、名を【福島 元成】と名乗る事になった。


正成と元成に見送られて屋敷を後にし、まだ時間があるので岡部 親綱の屋敷へと向かう事になった。


幸いな事に親綱は屋敷におり、すんなりと部屋に通されたのでまずは突然の訪問を謝罪し、お土産の煎茶を渡す。


親綱は笑いながら気にする事は無い、むしろ光栄ですと言いながら煎茶のお礼を述べた。

その後、息子である岡部 五郎兵衛を私に紹介した。


親綱はお屋形様から私から五郎兵衛を家臣としたいと提案が有った事を伝えられておりしかも突然とはいえ、わざわざ私が出向いて来た事で親綱と五郎兵衛の2人は笑顔が絶えない。


暫く話を続けたのち、親綱と五郎兵衛に見送られて屋敷を後にした。


まだまだ夜のお勤めには時間があるので町を探索する事にした。

今川家のお膝元で公家たちが度々逗留するだけあって堺には劣るが栄えていて活気があるので町を見て回るのを楽しんでいたら松山 重治がいたので声をかけた。


知り合いと出会ったので話込んでいたとの事で相手は堺での知り合いらしい。


相手は【間野 時秋】と名乗った。

子供も連れており、孫の【伊丹 雅勝】と紹介された。

今は長年滞在していた伊勢国から諸国ををのんびり見て回るつもりと言う。


雅勝の父親は【伊丹 元扶】といい摂津国の伊丹城主で有ったが細川家の権力争いの最中に討ち死にし、後を継いだ雅勝の兄【伊丹 国扶】も討ち死にした。


これにより時秋は雅勝の身の危険を感じ、摂津国から逃れた。

この後、伊丹城主には雅勝の従兄弟である【伊丹 親興】が【細川 晴元】から認められている。


時秋は雅勝を伊丹城主に据えたいのだが雅勝はそんな気持ちは全く無い。


雅勝は伊勢国で水軍に出会い水軍の魅力に惹かれて水軍になる為に見習いとして修練していたので旅をする事を拒んだが見聞を広げる為にと無理矢理連れて来ている。


今回、旅に出るにあたり、伊勢国で時秋と雅勝が世話になっていた【向 忠綱】の息子である【向 正重】が行動を共にする事で雅勝の反抗は薄れ正重と共に旅が出来ると喜んだ。


正重は外の世界に憧れていた為に時秋から雅勝の為に誘われた時にすぐに承諾した。

雅勝の事を弟の様に可愛がっていたので心配だったのも有るが自身も外の世界に出て見聞を広めて一旗揚げたいと思っていた。


私は雅勝と正重にせっかく駿河国へ来たのだから私の水軍で暫く腕を磨かないか?と誘いをかけた。


すぐさま時秋が反論しようとするが久秀と重治が時秋を囲み久秀は悪い顔で、重治は爽やかな顔で時秋に何かを吹き込んでいる…


その間に私も雅勝と正重を勧誘する。

嘘はいけないので興津水軍から来た者たちを中心に田子の浦湊を拠点として一から【吉原水軍】を設立すると説明し、その手伝いをしてほしいと伝えた。


2人共、後に水軍の将として名を馳せるので今のうちに親密になっておかないとね。


吉原水軍を一から設立するのを手伝ってほしいと言う言葉に若い2人は目を輝かせている。

水軍設立に携われる事は滅多に無いだろう…


雅勝と正重は時秋の方を見たが久秀と重治に耳打ちされている時秋の表情を見て若干引いていた…


時秋の表情は良からぬ事を考えている悪い顔をしていた。

時秋は若干引き気味の孫である雅勝の視線に気付き慌てて普段の表情に戻した。


時秋は気を取り直して私に対して暫くお世話になりますと頭を下げたのでこちらこそよろしくと伝えた。


それを見た雅勝と正重は吉原水軍の一からの設立を手伝えるのを確信し喜んでいる。


私の意思を読んで時秋をとっさに丸め込んだ久秀と重治に目線で礼を述べたが久秀と重治はわかってくれたみたいだった。


時秋たちは宿も決まっていなかったのでそのまま一緒に善得院へと向かった。


さて、夜のお勤めと夜の修練だ!!









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― 新着の感想 ―
[一言] 題材はおもしろいとおもいますが、日記を読んでいる様な感覚に陥ります。会話と触覚で周りの状況や空気が伝わってくると読みやすくなるとおもいます。頑張ってください。
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