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今川 義元になりました。

朝、目覚めるとやはりもう1人の自分の記憶が有るがもう違和感も無く馴染んでいるな…


元々こんな感じだったが昨日だけ違和感を感じたのか?

記憶では私が駿河国へ戻るのは1535年だが今年はまだ1534年で1年早い。


すでに私の記憶とは違う歴史になっているからもう気にしないが…


今日は私の兄上である今川 氏輝から呼び出しで今川館へと参上する予定だ。


今までは兄上に甘えて兄上と呼んでいたがこれからは正式に一門衆として家臣となるのでお屋形様と呼ばなくては…


今川家は『室町二十一屋形』の内の一家で当主は屋形号を許されており、氏輝の兄上は皆からお屋形様と呼ばれている。


朝のお勤めと朝の修練を終えた後、朝食を済ませ出かける準備を始める。


今川館に向かうのは私、九英承菊、柳生 家厳、松永 久秀、松山 重治、世鬼 政棟の6人だ。


朝の修練では家厳、久秀、重治、政棟の4人から前日に私の起こしたお茶目な自爆の事を呆れ顔で今後そのような行動をしないように注意された。


一応は心配してくれているみたいだ…


今川館へ着くと【今川双頭家老】である【三浦 氏員】殿がわざわざ出迎えてくれたので感謝の意を述べ、案内をうける。


⁇……今川双頭家老って何??

この世界でも、私の記憶の歴史でもそう呼ばれているという事実は無いのだが…


私と九英承菊の2人だけ氏員殿に一室に案内された。


氏員殿がお屋形様に私たちの到着を知らせに退室した後に九英承菊に今川双頭家老って聞いた事あるかと聞いてみたが聞いた事も無く、誰もそんな呼び方はしていないだろうとの事だ。


最後に良い呼び名なのでこれからは皆でそう呼びましょうと笑った。


しばらくするとお屋形様が小姓を引き連れ姿を見せたので平伏して迎えて挨拶をすると今は公式の場で無いからいつも通り兄上と呼ぶように言われた。


頭を上げるとそこには自信に満ちた健康的な氏輝の兄上がいた。

話を聞くと食生活を変えてからは寝込む事も無くなり武芸の修練をしても体力が続き楽しくてしょうがないとの事だ。


私の優秀さはわかっていたので家臣たちが病弱の兄上より私に近づくのでは無いかと思い上洛を進めて駿河国から離れさせたようだ。


兄上も彦五郎の兄上は眼中に無かったらしい…


しかし健康になり家臣たちにも認められいる今、私を還俗させて一門衆として不安定な駿河国の東部、富士川より東側の【河東】に私を置いて安定した支配をしたいそうだ。


確かに私は富士郡の善得寺で修行をしていたが…

幼少の頃は寺から抜き出しては悪さをしてた様な気がするが大丈夫だろうか…


善得寺城に入る様にと言われたがもう1つ田子の浦湊が有る吉原城も配下に置きたいと言うと少し考えた後に承諾を得る事が出来た。


普通は承諾されないと思うけど承諾されたよ。


今川一族の城である善得寺城と吉原城なので拡張するようにとある程度の資金を後で渡すそうだ。


兄上の作った馬廻衆の【富士 信忠】を家臣として付けてくれるそうだ。


富士家は浅間神社の富士大宮司を継承する社家であり、大宮城城主である武家という。


出来る事はしてくれると言うので甘えさせてもらい小姓として【岡部 親綱】の息子の【岡部 五郎兵衛】と馬廻として【福島 正成】の息子の【福島 孫九郎】の2人を家臣としたいと申し出た。


五郎兵衛は後の【岡部 元信】で孫九郎は後の【北条 綱成】の事だ。


孫九郎は私と敵対して北条家に去ってしまうのでここで家臣としておきたい。


私はドキドキしながら回答を待とうとしたが兄上から普通に手配しておくと即答をいただいた。


私が提案して製造した清酒と石鹸で今川家は儲かっているから必要な物があったら遠慮無く相談しろと言う。


記憶を辿ると確かに清酒と石鹸の製造を提案してる……


京では石鹸の試作品を製造する為に少し多めに油を確保したかったので油を確保する為に走り回って久秀に出会ったんだもんな…

石鹸の知識はこの時代の知識ではないのに普通に製造して違和感は無かったな…


まあ、気にしない気にしない…


その後は兄上と雑談をしていると氏員殿が大広間に家臣たちが揃っているので氏輝の兄上を呼びに来たので私は氏員殿に先導されて退室する。


腰を上げた時に兄上は時間を作って尾張国の弟である今川 氏豊に顔を見せて上げてくれと言われたので素直にわかりましたと答えたら兄上は微笑んでいた。


氏員殿に先導されながらそういえば氏豊から寂しいから那古野城まで来て欲しいと何回も書状を貰ってたなと思い出していた。


三河国を通って安全か?

船を使って、津島か熱田まで行った方が良いか?


三河国の【松平 清康】と会ってみたいし、やっぱり尾張国に行くのは多少危険でも三河国を通って行くか…


考えがまとまった所で氏員殿にここに座るようにと言われたので周りの者たちに会釈をして座り、お屋形様を待つ。


氏員殿はそのまま自分の席に行き座った。


周りからは私を見てヒソヒソと話し声が聞こえて来る。

皆は私が誰なのか知っているらしく私の事を品定めしているのだろう…


あまり良い視線は感じないな…

私は余り歓迎されていないようだな…殺気すら感じるので殺気を放っている者が誰なのか確認したら…


お前かよっ!!彦五郎の兄上!!

思わず溜息を漏らしてしまった…


それを見た彦五郎の兄上はさらに殺気を強めて来たのでもうこの場では気にしない事にした。


因みに九英承菊は今頃、家厳、重治、政棟と合流して私の帰りを別室で待っているはずだ。


改めて周りを見渡すと今川双頭家老の【朝比奈 泰能】殿を筆頭に駿河朝比奈家の【朝比奈 親徳】殿【蒲原 氏徳】殿【瀬名 氏貞】殿【松井 宗信】殿などがいる。


他の者たちは残念ながら会ったことも無い者たちなので顔を見てもよくわからない…

後で誰かに皆を紹介してもらえるようにお願いしよう。


しばらくするとお屋形がお目見えになった。

皆が一斉に頭を下げ、お屋形様が席に座りお声がかかるのを待つとお屋形様の声がかかり皆が頭を上げる。


お屋形様が皆に私の事を紹介する。

私の為にお屋形様が将軍である【足利 義晴】様より偏諱を賜り私はこれより【今川 義元】と名乗る事を許される事になった。


その後に私に善得寺城と吉原城を任せる事により河東の安定をさせる事、私に信忠、五郎兵衛、孫九郎を家臣として付ける事を発表した。


お屋形様が五郎兵衛の父である親綱殿と孫九郎の父である正成殿に承諾を得る為に声をかけた。

親綱殿は喜びの表情で私に息子をよろしくと頭をさげたが正成殿は表情を一瞬強張らせたが無表情になり頭を下げた。


まあ、玄広恵探の兄上の母親が福島の一族出なので玄広恵探の兄上が還俗した時に玄広恵探の側に置きたいと思ったのだろうな…

私が還俗したのなら玄広恵探の兄上も還俗する可能性が高かいからね。


お屋形様は最後にもう一度、私の事を頼むと言って退室して行った。


せっかくなので氏員殿に重臣たちを紹介してもらい、皆に挨拶をしてしっかり顔と名前を一致させて今川館を後にする。


正成殿は私との縁も出来た事だし良い方に考えたのか、息子を宜しくと笑顔で挨拶をした。


駿河国東部にある葛山城の【葛山 氏広】殿にはこれからは色々相談する事があると思うのでよろしくお願いしますと挨拶をした。


さあ、九英承菊たちと合流して善得院に戻るか。










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