北条家に使者として行ってきます。
場所を大広間に移してこれから評定が始まります。
駿府にいる家臣を集めての評定でたまたま駿府に来ていた葛山 氏広殿も評定場にいた。
お屋形様が武田家と同盟の締結を目指す事を宣言した。
武田家との交渉の前に北条家にその旨を伝え、さらに北条家と武田家との同盟締結に向けて両家を取り持つ事も皆に告げた。
北条家への使者は北条家当主である【北条 氏綱】殿の弟である氏広殿が指名された。
氏広殿は承諾したが、何故か氏広殿は私のお供として一緒に北条家の小田原城へ向かいたいとお屋形様に進言した。
お屋形様は私を正使とする事を即答した。
お屋形様にそう言われてしまったら承諾するしか無いな。
相模国へ行くのは初めてだな…
そんな事を考えていると評定は終わった。
評定が終了した後、そんな事を考えていると氏広殿が私に近づいて来て、笑顔で小田原城まで一緒に行きましょうと言われてしまった。
世鬼 政棟たち家臣と合流すると政棟に身延山久遠寺の太原 崇孚に北条家への使者として相模国の小田原城へ向かうから早く帰って来るように使者を送るように命じた。
お屋形様と母上に挨拶をして善得寺城へと戻った。
小田原城まで今回は陸路で行く事になった。
氏広殿が私に弟の【北条 長綱】殿を紹介したいと途中で箱根権現に寄って行く事になっている。
長綱殿は箱根権現の40世別当になっており、長綱殿は後の【北条 幻庵】殿の事だ。
箱根権現は関東の守護神として畏敬されているの。
善得寺城に戻ると小田原城へ向かう準備をする。
友野 次郎右兵衛に氏綱殿への手土産を相談すると小田原に支店を構えているのでそちらで用意するそうだ。
今回、小田原には前回、駿府に行った14人に加えて柳生 家厳、松永 久秀、大林 勘助にも同行してもらう。
善徳寺城は相談役の興津 親久、飯富 虎昌、工藤昌祐に任せて、吉原城は間野 時秋に任せる事にした。
崇孚は思ったより早く戻って来た。
富士川を船で下って来たので疲れも無いと言うが一晩休んでから出発する事にした。
まずは箱根権現へと向かおう!!
途中、何事も無く無事に箱根権現にたどり着くことが出来た。
道の険しさに驚いたが日頃の修練のお陰だろう、小姓たちも苦も無くたどり着けた。
到着すると早速、氏広殿によって長綱殿を紹介された。
優秀な自慢の弟との事だ。
私も氏広殿によって長綱殿に紹介された。
私にも可愛い弟がいると、何故か張り合ってしまった。
そんな私を長綱殿は温かい目で見ていた。
その後は私と崇孚と長綱殿で少しばかり、仏門談義で少し盛り上がったが私だけ還俗しているんだよね…
私がそういうに離脱した後、崇孚と長綱殿はさらに仏門談義を続けていた。
長綱殿には名産品詰め合わせセットを渡しておいた。
干し椎茸を見た長綱殿は物凄く喜んでいた。
やはり椎茸は高級な為、滅多に口に出来ないから有難いそうだ。
今日は早目に身体を休めて明日、武田家の事を相談する事になった。
やはり、険しい道を歩いた為にぐっすりと眠れた。
身体が軽く感じる!!
長綱殿の手が空く時間まで待ってから今川家が武田家との同盟締結を目指している事を説明し、さらに北条家と武田家の同盟締結まで視野に入れている事を伝える。
三国同盟を締結事により今川家は三河国に、北条家は武蔵国に、武田家は信濃国へ集中出来る事を強調した。
まだ、武田家と同盟交渉はしておらず、北条家の承諾を得てから交渉を始めるとも伝えた。
長綱殿は今川家と武田家との同盟締結は今川家が北条家に対して仁義を通す行動をした為、北条家も認めると思うと自分の考えを述べた。
しかし、北条家と武田家との同盟締結は難しいだろうとの事だ。
やはり、武田家と扇谷上杉家との同盟関係が難しくさせている。
扇谷上杉家と山内上杉家と戦をしている北条家としては武田家と同盟締結をしたいが武田家と扇谷上杉家は婚姻関係を結んでいるので北条家より扇谷上杉家を取るだろうの意見だ。
長綱殿はしばらく考え込んでから、私も一緒に小田原へ向かいましょうと私に告げた。
その後、私、崇孚、久秀、勘助、氏広殿、長綱殿と武田家との同盟締結について話し合った。
話し合っていると外が騒がしくなってドタドタと足音が近づいて来て部屋の前でピタリと足音が止まり、襖が勢い良く開かれた。
氏広殿、長綱殿が驚いた顔をして襖を勢い良く開けた人物を凝視して固まっている。
私はその人物の後ろに松山 重治がいるのに驚いた。
改めて襖を勢い良く開けた人物を見たが、私が誰?という感じで首を傾げているとその人物は北条 氏綱と名乗ったので慌てて名乗り、頭を下げた。
なんで箱根権現に北条家当主がいるのかと不思議に思っていると、氏綱殿は温泉に入りに来たそうだ。
そこで温泉に入っている重治と出会ったそうだ。
温泉に入っている時に【風魔 小太郎】から武田家との事で今川家からの使者の私が長綱殿の所にいる事を知ったので立ち寄ったそうだ。
重治が私は今川家の者ですと告げたので重治は氏綱殿に連れて来られたそうだ。
長綱殿も氏綱殿が温泉に入りに箱根に向かっている事を知らされていないようで氏綱殿に対し、説教を始めた。
氏綱殿は長綱殿の説教を軽く聞き流して私に要件を聞こうかと言いながら上座に座った。
氏綱殿に長綱殿に話した内容を話すと、やはり北条家に対してしっかりと仁義を通しているので今川家と武田家の同盟締結は承認するとの事だ。
武田家と北条家との同盟締結は武田家が望むなら話を進めても構わないとの事だ。
最後に1つ質問だと言われ、北条家と武田家が敵対した場合は今川家はどう動く?と問われた。
私は、もちろん北条家に付きます!!と即答した。
今川家と北条家との関係を見たらそれ以外の答えが見つからないと更に続けた。
それを聞いた崇孚、久秀、重治、勘助、氏広殿は納得とばかりに頷いていた。
家厳、政棟はいつのまにか退避していた。
氏綱殿は武田家との事は長綱殿に任せるから報告するようにと言い残して、また温泉に入ると去って行った。
重治は本当にびっくりだよ〜と氏綱殿と出会った事を笑いながら話していた。
いつも、誤字脱字の指摘ありがとうございます。