プロローグ
衝動的にふわっふわな設定で書き始めたので、おかしな所や「もっとこうした方がいい!」という所があれば、教えていただけると嬉しいです。
緩やかに、激しく
大胆に、静かに
手の先、足の先、髪の一本一本まで集中して
服の擦れる音、地面を蹴る音
全てを祈りに
『舞はね、神様への感謝を示すものなのよ』
柔らかく微笑む祖母の顔がふと頭に浮かぶ
(そうだね、おばあちゃん)
きっと、今の僕も祖母と同じように微笑んでいるんだろう
ゆるり、くるり、ひらり
廻って、跳んで、円を描いて
…………
……
…
小さい頃からひとつ上の姉が羨ましかった。
黒い髪に黒い瞳。
天からの授かりもので、羨むだけ無駄だとわかっていても、その思いはずっと胸にあった。
別に、自分の色が嫌いなわけじゃない。
グランマと同じ色であること自体は嬉しいと思う。
ただ、この色ではあの舞台に上がることができない。
どんなに上手に出来たって、どんなに心を込めたって、姉や母や祖母と同じ舞台には行けないのだ。
髪を染めたって、カラコンを入れたって所詮は紛い物。本物じゃない。本物じゃない物に意味は無い。
そうやって、諦めて、必死に見ないようにしてきた。
でも、もし諦めなくていいのなら……
全く同じ舞台では無くとも構わない。同じ意味である事が僕にとっては重要なんだ。
僕の初めての舞台
喜んでもらえるように、精一杯頑張るね
………神様




