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依頼を受けました

ギルドで早々に今まで討伐したモンスターを渡したらギルドマスターに呼び出しくらいました。

悪いことしてないよね?私は領地を救ってただけなんですけど。


「ギルドマスター、ピギーだ。」

「え?今なんと?」

「この冒険者ギルドマスターのピギーだ。」


おー……。見た目も名前もブタっぽい人来ちゃったよ。

自己紹介される度にブタ!?って見ちゃうから出来れば二度と名前を言わないでいただきたい。


「さて、もう1人仲間がいるらしいが。ここに来る予定はあるかな。」

「……もうすぐ来ると思うが、何の用だ。」


鋭い目付きでギルマスを睨む最推し。

やっべぇ、かっこいい……!

私より半歩前に出て警戒するその姿!アニメ後半での神回を彷彿とさせる……!


「そう警戒しなくてもよい。ただ君たちの冒険者ランクの見直しをしたいだけさ。」


喋り方カッコイイのになー。

声もイケおじだし。見た目がブタが惜しい。

私好みの不細工(イケメン)なら良かったのになぁ。


最推しがいるからどうでもいいけどね!


「ギルドマスター、お連れしました。」

「ミシェル様ぁ!変態にあんなことやこんなこと、果ては《ピー※自主規制》な事されてないっスかァァァ!?」

「おい、クリシー。誰を見て言ってる。」

「アンタだよ!自覚ねぇのかよ!!」


憲兵に引き渡した割には早かったなぁ。

それにしても最推しが変態?それは超ウェルカムな案件なんだけどそんなこと言ったらダメよね。

また修羅場になっちゃうよね?知ってる。


「……ゴホンっ。話しを始めても良いかね?」

「……えぇ。構いませんわ。」

「……っス。」

「……あぁ。」


メンヘラは3段たんこぶが出来るまで殴って黙らせ、ギルマスを促す。

犯人私だけど痛そう。後で治してあげよう。


「結論から言うと君たちの冒険者ランクを上げるため、指名依頼を受けて欲しい。陛下と懇意にし、Sランクの青き狼(ブルーファング)をいとも簡単に跪かせた君たちを低ランクとしておくには今後問題も出てくることだろう。」

「実際倒したの回復職(ヒーラー)のミシェルだけどな。」

「僕たち何もしてないよな!んでもって僕は冒険者じゃない!ミシェル様の忠実なげぼ……んん、護衛だ!」


いま下僕って言おうとしたな?

最推しも黙ってて欲しい。私の聖女バレしたらどうする気!?王族に嫁がされそうになったら駆け落ちして責任取ってもらうぞ!

……駆け落ち、うん、ありよりのあり。

というか、想像しただけで興奮する。小説1冊は余裕で書けるレベルだわ。


「高難易度ダンジョンや緊急討伐依頼を受け続ければいずれは一代貴族になることも夢ではないぞ?ご令嬢はともかく、君たちには必要とも言える権力ではないかね?」

「……必要か?領地なんて管理できる気がしないな。」

「僕はミシェル様の下僕でいいっス。ねー、ミシェル様ぁ。」


一代貴族。男爵位かー。うーん。必要かな?

本人たちはいらないって言ってるけど、あって困るものではないし、領地管理をしたくないならシーボルト家で代行をしても良いし、私だけでもやれないことはない。

それに最推し凄いでしょ!と周りに自慢しつつ、今までバカにしてきたであろう連中を見下したい。


ここは、ギルマスの提案に乗るとしましょう。


「私は高難易度ダンジョンに興味がありますわ。2人がよければ受けたいと思います。」

「ミシェルが言うならやろう。」

「僕はミシェル様について行くだけっス!」


イエスマン過ぎない?この2人。

私が黒っていたら白だろうが虹色だろうが黒に見えるなとか言いそうで怖いんですけど。

私が魔王になる、世界征服するって言っても一緒に来そう……。

人の道を外さぬようにしよう。元推したちにはもうだいぶやらかした後だけど。


「おお!それはありがたい。今回の依頼を達成すれば君たちを晴れてSランク冒険者にさせてもらうよ。護衛の君もね。」


……お、おえぇっ。ギルマスの近距離ウィンクは即死攻撃に近いダメージがある。

良い人なのは分かるんだけど、ごめん。生理的に無理。

この世界じゃきっとイケおじなんだよね!!でも私にはキモオジなの!!ごめん、本当ごめん!!

吐くの我慢するからひきつり笑いは許して!

そして両サイドの不細工(イケメン)はハラハラしなくていい!惚れないから!絶対ありえないからっ!!!


「そ、それで依頼はどんなものなのでしょうか?」

「あぁ、これだよ。」


渡された1枚の真新しい紙。

書かれたモンスターはSランク認定されているらしい二角獣(バイコーン)だった。


二角獣(バイコーン)ってたしか不純を司るんだっけ?

……私はどっちだろう。この世界の体は純血だ。最推し捧げるつもりだけど。

前の世界は違う。そして多分脳内は不純だらけ。

体に反応するのか、それとも魂か。気になる。


二角獣(バイコーン)は幻覚を操り、角には毒を持っている。不用意に近づけば、かすり傷1つで死ぬ可能性もある。」

「……へぇ。青き狼(ブルーファング)の時ですら受けたことない依頼だな。」

「……お前ホントにSランクかよ?」


うん、それな。

Sランク冒険者を少なくとも2年務めてる最推しが受けたことないっておかしくない?

Sランクの基準がよく分からなくなったよ。元推したちがあまりにも雑魚だったせいもあって。


「本来であればこの依頼はSランクパーティ5つで挑むものなんだよ。SSランクには緊急時に備えてもらいたいからね。君たちが強くともSSランクには流石に急には上げられない。だからこれは踏み台だと思ってもらいたい。」

「そういうことだったんですわね。」


いきなりSランクも無茶ぶりだと思うとは言えず、とりあえず真剣な表情をして頷いてみる。

最終的にSSランクにあげてやるぜっ!ってことだよね、これ。


あと、アニメとこの世界での討伐難易度の設定にズレがあるのが気になる。

ギルドに入ってからチラリ見た掲示板ではスライムやゴブリンがCランクに設定されていた。

思わず二度見しそうになったもん。

スライムとかって子供でも倒せる設定じゃなかったっけ?ゴブリンは新米冒険者のときによく出てたよね?


二角獣(バイコーン)は果たして本当に強いのだろうか?というかギルド査定が間違ってたらシャレにならない。

実はSSランク以上でした、とかだったから困るよ。

でもやるって言っちゃったしなー。あ、生息地ここから馬車で1日はかかる所だ。


「……分かりましたわ。準備を整えてから向かいます。」

「ほぉー。余裕そうだね。」

「さぁ。それは生還してから分かるのではなくて?」

「クックック。お手並み拝見といこうか。」


んんんんん!ほんと、ほんとさ。私好みの不細工(イケメン)なら推せる、この人!!

脳内補正かからないかなー。マジで。


「準備って何用意するんっスか?」

「ポーションや携帯食料じゃないか?」

「アンタには聞いてねぇよ!」

「そうか。じゃあ無知のままミシェルを守れるって言うんだな?」


早速買い物をしようと、ギルドを出た途端これだ。なんなの?ケンカップルなの?私はそれでも美味しくムシャムシャできちゃう子だよ?地雷なしだった子よ?

どっちが右でも左でもイケるな。うん。


「……!……ミシェル?なんか今変なこと考えなかった?」

「僕なんか背筋がゾワッとしたっス!」

「……いいえ、空間魔法(アイテムボックス)があるので皆さん必要なものをすべて揃えるべきかなと考えてただけですわ。」

「そ、そうか。便利だよな、その魔法は。俺も使えれば良いんだが。」

「僕も覚えたいっス!」

「では移動中は魔法の勉強会といたしましょう。」


野生の勘、侮れないわね。変なことはなるべく考えないようにしよう。そうしよう。


「ご飯はマンジェーズで作って、馬車で移動といえどテントや毛布は必要よね?」

「あぁ。あとは水や最低限の治療はできるよう薬屋も行かなくちゃな。」

「魔導具売ってるとこも見たいっス!何か良いのあるかもしれないっスよー。」


回復職(ヒーラー)である私がいるとはいえ、緊急時用のアイテムは必要だよね。やっぱり。

色々と揃えなきゃいけないものもあるので、別行動を提案したけど、それは即却下された。まぁいいけど。予想してたしね。

・地雷なし

余りの不細工(イケメン)たちの仲の良さ(?)に前世の危険な趣味の扉を開きそうになる。最推しが幸せなら応援もできる。

でも本作のヒロイン(笑)は君だ。


・イエスマン1号

ヒロイン(笑)のためならなんでもする。喧嘩になるのはアイツのせいだと言い張る。同担拒否になるのも時間の問題かもしれない。野生の勘が冴える。


・イエスマン2号

既に同担拒否なので、喧嘩をすぐ売るような行動は止められない。下僕ですと言いたいがヒロイン(笑)を困らせるのを分かっているので表向きは護衛と宣言できる子。


・イケおじ(笑)

巷じゃ有名なイケおじ(笑)

独身貴族である。普通に腹黒いけど良い人。

不細工(イケメン)だったらヒロイン(笑)の推しになれただろうに。


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