卒業パーティー
いよいよ卒業パーティー当日となりました。マカロン様はすでに我が家に到着しており、玄関ホールで私の事を今か今かと待っていました。
「お待たせしました。マカロン様、素敵なドレスをありがとうございます。‥でも私には少し大人っぽくないですか?」
私は、デコルテを強調した大人っぽいドレスが自分には似合わないのではないかと心配でした。
「全然おかしくないよ。寧ろ似合いすぎて怖いくらいだ。‥心配ならショールを用意するよ。」
「いえいえ、大丈夫です。‥マカロン様から見て今日の私はどうですか?」
「チョコが会場で一番綺麗だと思う。僕はこんなに素敵なチョコをエスコートできて幸せだよ。」
「マカロン様‥‥私、恥ずかしくて溶けちゃいそうです。」
「ああ、なるほど〝チョコ″だけにね、うまい事言うね。」
「アハハ、マカロン様ってば、すっかり地球の日本文化に染まってますねぇ。」
私達のこの会話を聞いてた両親は、この会話の何がおかしいのかよく分からない顔をしていました。ですが、楽しそうに笑い合う私達を見て、安心した表情を見せていました。
私達は馬車に乗り込むと、早速会場となる学園のホールへと向かいました。
ホールにはすでに大勢の人々が集まっていました。
中にいる人々の髪色やドレスの色がカラフルで、目がチカチカしてきました。
眩しいなぁと思って、隣を見ると地味な黒色の髪と、紺色の洋服に身を包んだ目に優しいマカロン様の姿がありました。
「マカロン様、私達ってこの会場で一番地味ですけど、目に一番優しい存在だと思いませんか?」
「アハハ、分かるそれ、皆んな髪も服も凄く派手な色をしてるからね。」
「‥私、学園に来る前はこの黒髪が嫌でした。学園でもそうでしたが、この国は髪の色で人の能力を分けるじゃないですか。」
「‥そうだったね。」
「私、黒髪黒目って暗い魔法のイメージしかなかったんですよ。周りにもそんな目で見られてましたし。」
「‥分かるよ。」
「周りは皆んな金髪や赤色のカラフルな髪色だったし、まわりが羨ましかったんです。」
「‥。」
「でも、前世の記憶を思い出したり、マカロン様と出会ってからは、この黒髪が大好きになりました。」
「僕もチョコと同じ髪色で嬉しいよ」
「あっ、それに将来マカロン様と私の子供が生まれたら、間違いなく黒髪ですよ!」
「‥‥うん。黒髪の男の子と女の子が一人ずつ欲しい。」
「女の子二人が良いです。」
「じゃあ、男の子一人と女の子二人はどう?」
「じゃあ、それで良いです。」
私とマカロン様が、将来の子供の数で言い合っていると、呆れた顔でグスタボ君がやってきました。
「‥二人とも気が早すぎるでしょ。子供が子供を産む話してんじゃないの。お馬鹿ね。」
グスタボ君は、髪を腰まで伸ばしていました。白い衣装を着ていて、とても神秘的で美しくなっていました。
「‥グスタボ君、何だか神々しいね。素敵。見てるだけでご利益がありそう。」
私は思わず両手を合わせて拝んでしまいました。
「‥チョコ、やめて!皆んなが見てるでしょ、皆んなまで真似して私を拝み始めちゃったら嫌だからやめて。新興宗教の教祖様みたいで嫌なの〜!」
「‥ごめん。もう遅かった。」
グスタボ君の周りには、いつしかグスタボ君を拝む為の人だかりができていました。
「チョコー!あんたのせいよ!!」
私とマカロン様は、グスタボ君に笑顔で手を振り、その場を去りました。
会場の真ん中には、ソード様とエリナさん、それにモアさんとノア様がいました。
「マカロン王子、お久しぶりです。」
「ああエリナ嬢か、最年少議員になったんだってね。凄いね。」
「ありがとうございます。」
マカロン様とエリナさんの挨拶を皮切りに、皆んながそれぞれ近況を報告し合いました。
「それにしても、マカロン王子、チョコさんご結婚おめでとうございます。」
「ありがとう、皆さん。」
私とマカロン様は、皆んなにお祝いの言葉をかけてもらい、その場を去りました。
私は会場内にサトル君の姿を探しました。会場の一部に大人の男の人達が沢山集まってるグループに目をやると、その真ん中にサトル君がいました。
サトル君が私の熱い視線に気付いて、そっと手を振ってくれました。私も手を振り返し、サトル君の元気そうな姿を目に焼き付けておきました。今日この会場でサトル君の話す事は難しそうですので‥‥。
私は久しぶりに皆んなの顔が見られて嬉しかったのと、マカロン様とダンスを踊れて嬉しいのとで、もう顔が終始ニヤケっぱなしです。
「チョコ、卒業パーティーの次は僕達の結婚式だね。」
「はい。‥私、嬉しすぎて顔が崩れっぱなしです。」
「嬉しいよね。僕も油断してるとついついニヤケてしまうんだ。」
「マカロン様、全然ニヤケてないですよ。」
「ううん、今でもニヤケてるよ。」
「‥‥ああ、微かに目元や口元が緩んでる?のかも。」
「チョコの花嫁姿、綺麗だろうなぁ。」
「‥そう言ってくれるの、マカロン様だけですよ。」
私達は、卒業パーティー中ずっとこんな感じの会話を続けていました。
私は本当に幸せの絶頂にいました。




