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卒業パーティーの招待状


実家での生活が相変わらず続き、もし学園にいたらそろそろ卒業パーティーの準備が始まっている頃かなぁ、なんて考えていたら、侍女のマリーが一通の手紙を持ってきました。


「お嬢様、学園からお手紙が届いてますよ。」


早速開いてみると、なんと、卒業パーティーの招待状でした。


「‥私、三年生になってまだ一度も授業を受けていないのに、卒業出来るんだ。」


「皆さんとまた会えますね。」


「ええ、そうね。楽しみだわ。」


マリーと手紙を見ながら話していると、通信機が鳴りました。


ピッ、ピッ、


「あっ、またマカロン様だ。」


通信機からマカロン様の声がします。もう見慣れた光景の為マリーは特に驚きもせず、そっと私の部屋を退室していきました。


「マカロン様、おはようございます。」


「チョコおはよう。卒業パーティーの招待状が届いたんだね。今度ドレスを送っておくよ。当日は僕がエスコートするから。」


「凄く嬉しいです!楽しみにしてますから。」


「チョコ、まだ寝起きだった?」


「何で分かるんですか?」


「いや、普通にチョコの顔が見えるから。」


「アハハ、ハハ、もうそれって、地球だと盗聴機と盗撮機を付けてるストーカーレベルの域ですよ。」


「ストーカー?」


「いえ、いいんです。そんなに気にする事ではないんです。ただ、愛されるなぁと思いまして。」


「愛してるよ。」


「‥‥マカロン様、私も愛してます。」


「‥‥。」


「‥‥このやり取りだけは、何だかいまだに恥ずかしくて照れちゃいますね。」


「‥いや、僕は結構このやり取り好きだよ。もっとしたいぐらいだ。」


「‥いやいや、私がもう限界です。」


「ハハ、チョコが真っ赤になってるのを見るのも大好きだよ。」


「‥マカロン様‥もう!」


「ハハハ、ごめん。からかいすぎた。あっ、そろそろ出かける時間だ。‥じゃあまた。」


「はい、また後で。」


私は通信機の通信を切り、マリーを呼びました。支度の続きをしてもらうと、両親と一緒に朝食をとりました。そして卒業パーティーの事を報告しました。


「‥あら、まだ卒業してなかったのね。お母さんはすっかりチョコが学園を卒業したものと思っていたわ。」


「そう思われても仕方ないです。だって、三年生になってまだ一度も授業受けてないですもん。」


「‥では学費はどうなるのかしら?」


「‥ベリー、そんなケチな考えはやめなさい。寄付したと思えば良いんだ。」


「あらそう?分かりました。‥ところで卒業パーティーのドレスやエスコートって‥。」


「マカロン様がドレスの用意とエスコートをしてくれるそうです。」


「えっ!?今朝招待状が家に来たのに、マカロン王子ともうそんな話がついてるのか?」


「はい。マカロン様とは通信機で毎日連絡を取りあってますから。」


「‥そうだったな。」


「はい。」


「それにしても、おめでとうチョコ。マカロン王子と結婚だなんて、お父さんはびっくりしたよ。‥あの内気なチョコがこんなに明るく社交的になって‥‥。」


「本当よね、チョコがこんなに綺麗になるなんて、恋って凄いのね。」


「‥はい。」


「‥チョコ、卒業パーティーが終わったら結婚してこの家を出るのよね?」


「はい。」


「‥寂しいわね。チョコは内気だからもっと結婚は遅いかと思ってたのに‥。」


「ベリー、俺がずっと君の側にいるから。」


「あなた‥‥。」


「‥‥。」  


私は、目の前でラブラブな様子の両親を無視して黙々と食事を済ますと、すぐに部屋へ戻りました。


「‥家の中で部屋が一番落ち着くわぁ。」


部屋に着くなり、私はソファーに横になり寛ぎました。


私の学園三年生の一年は、授業は一度も受けられませんでしたが、これも必然だったのかも知れません。


自分の気持ちにしっかりと向き合い、他人と自分を比べる事もなく、自分を卑下する事もなく、自分の将来を決める事が出来たのですから。


卒業パーティーの後、マカロン様との結婚式もあります。


マカロン様と結婚式の後、私は公爵夫人として忙しい日々を過ごす事でしょう。慣れるまでは占い師はできないかもしれません。


ですが、やはり月に一度でも良いのでこれから先もずっと占い師は続けていきたいと思うのでした。


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