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悪夢‥‥のちスッキリ

冒頭、ちょっとショッキングな単語が並びます。

読むのが辛い方は、この話を飛ばして次の話へ進んでもらっても大丈夫です。



うぅ、う、う‥‥。


チョコは夢をみていました。


とても恐ろしい夢をーー。


 


そこは、、武内るなの暮らす地球でした。


地球の至る所で起こっている紛争、テロ、ハイジャック、無差別殺人。


家庭内暴力や、ネットによる誹謗中傷による自殺者の増加。


謎のウイルスの蔓延と、猛暑による救急搬送の増加による医療崩壊。


輸入制限と猛暑による物資不足、そして物価高騰。


日に何度も起こる地震。


私は空の上から地球全体を見下ろしていました。


それにしても、るなのいる地球はーー


なんて、なんて恐ろしい世界なんでしょう。


そういえば、武内るなは、、


アパートの自室でテレビを見ながら、携帯電話で話していました。


「おばちゃん、そっちは大丈夫?北海道や青森あたりが震度6って出てたから、、」

「大丈夫、大丈夫。それより‥‥るな、お前の方は大丈夫か?東京が都市封鎖されたって聞いたけど。」


「うん、大丈夫。マスクしてコンビニに行くぐらいは良いみたい。コンビニで何でも買えるし。あっ、トイレットペーパーは微妙かも。あと6ロールだけど、、まぁひとり暮らしだし、しばらくはもつのかな。」

「何か欲しいものがあれば、送ってやるからな。」


「ありがとう。」 





場面は変わり、帽子とマスク、手袋をつけた武内るながアパートの外にいました。


長靴を履き、雪の上を慎重に歩いていきます。


アパートから少し離れたところにあるゴミ捨て場へ、ゴミ出しに来たようです。


「やぁー、やっと片付いたぁ!」


るなは、度々起こる地震で部屋の中のものが倒れて来ないように、


外へ逃げる際に逃げ道を塞がないように、


昨日から今日の朝まで、ずっと部屋の大掃除や断捨離をしていたのです。その為、るなの部屋はミニマリストの部屋の様に物の少ないスッキリした部屋となっていました。


そしてこの重装備ですが、ゴミ出しとはいえ、外へ出るのですからマスクや手袋は欠かせません。


巷では、まだ様々なウイルスが蔓延しています。


「さっ、徹夜した事だし、帰って寝るか!」


そう言って、来た道を戻ろうとすると、、


キィーー! バンッ!!


なんと、るなは雪道をスリップした自動車にぶつかって道に飛ばされていました。


るなは、しばらくは自分の血だらけの身体のそばにいましたが、


自分の死を確信しました。







「えーっ!だってあんなに気をつけてたのに!!」


そう叫びながら、チョコはベッドの上で目を覚ましました。


「お嬢様!どうしました??」


驚いた顔の侍女のマリーが、慌てて私のもとへ来ました。


「凄い汗ですよ〜。怖い夢でも見たんですか?」


そう言って、とても心配そうな顔をして私の汗を拭ってくれました。


「マリー、私っていつから寝てた?」


「昨日はいつもと同じ時間に寝てましたよ。」



「一晩しか寝てないのよね。」


「勿論です。‥‥長い夢でも見たんですか?」


「夢‥‥。」


私はチョコ・シリアル。


そして私はチョコの前世の、、武内るな。


そう、私はついさっきまで生きていたのです。地球で武内るなとして。たとえ夢の中の出来事だとしても。


ぶつかってきた車の当たる感覚が、生々しく体に残っています。


私は悔しくて泣いていました。


だって、あんなに何が起きても死なないように気を付けてたのに、、


どうして自動車にぶつかって死んでしまったのだろう、、悔しい。。


マリーは、泣いてる私をずっと抱きしめてくれました。


「お嬢様、今日は学校もお休みの日ですし、ゆっくりシャワーを浴びて、のんびりと過ごしましょう。」


「あっ、ねぇマリー。今日は前髪を切って欲しいの。」


「あらっ。嬉しい!お嬢様を可愛く変身させて、明日学園で皆んなをびっくりさせましょうね!」


「あっ、ううん。ただ目の上で切ってくれるだけで良いよ。」


「ええ。勿論。私に任せて下さい。間違いなく素敵にします!」


「‥じゃあ、うん。もうマリーに任せる!」


「はいっ。」


こうして私はシャワーを浴び、のんびりとお茶をして、ソファーでウトウトして、おやつを食べて、


マリーに前髪を、、、


バッサリと切られました。


えーってビックリさせられたけど、、鏡に映る私を見て、


「うん。悪くないかも。(ちょっと可愛い)」


大満足したのでした。


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