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革命一日目〜入学式の中止〜


私は結局一睡もしないまま朝を迎えましたが、不思議と頭も心もすっきりと冴え渡っていました。


「おはようございます、お嬢様。お支度しますね。髪型はどうしましょう?」

  

「‥ポニーテールでお願い。あと、今日は少し早く登校するね。」


「分かりました。」


私はマリーに髪を結って貰いながら、心の中でマカロン様に話しかけました。


遠隔でのテレパシーは私からマカロン様への一方通行のままで、結局私がマカロン様の声を聞き取る事はありませんでしたが‥‥。私の声がマカロン様に届く事を願って、話しかけました。


『マカロン様、おはようございます。昨日、革命軍と会って話して来ました。革命軍が今日、学園を占拠し、不正を行った貴族邸に攻めこみます。生徒達は学園内で保護します。


革命軍は、善良な人達の集まりです。本気でこの国の改革を考えてはいますが、血を流す事は望んでいません。むしろ、怖いのは農民達の暴動軍です。彼らは過激化した組織です。生優しい改革を望んでいません。


過激な暴動軍が王都に来る前に、革命軍が被害者が出ないように革命を進めていく予定ですが‥‥王都にいつ暴動軍が来るか分かりません。マカロン様も気をつけて下さい。』


「さあ、お嬢様。お支度が出来ました。行ってらっしゃいませ。」


「‥マリー、ありがとう。行ってくるね。」


私は部屋を出ると、一つ深呼吸をしてから学園へと向かいました。



学園に着くと、学園内はすでにざわざわと騒がしくなっていました。入学式や始業式で集まった生徒達がすでにホールに集められていました。


舞台の壇上には、マイケル先生がいました。そして舞台の脇には生徒会メンバーがいて、エリナさんが私に手招きをしています。


私が舞台に上がりエリナさんとグスタボ君の隣に座ると、二人が険しい顔で話しかけてきました。


「‥私達、今朝早くマイケル先生から呼ばれて、今回の革命の事は全て聞いたわ。‥革命軍は本当に私達には何もしないのよね、生徒達はここにいれば安全だって先生は言うけど‥‥。」


「‥チョコ、あんたはどう思うの?昨日革命軍に会ってきたんでしょう。」


「革命軍は善良な方達でした。決して私達を傷付ける事はしないと思います。


それに私は、革命はこの国が変わって行く為には必要な事だと思います。地方の領民の事を蔑ろにして、暴利を貪ってきた貴族達も悪いけど、国の中で、何も知らずにのうのうと生きてきた私達の方こそむしろ多少の痛手は受けて然るべきだと思います。」


「‥そうは言っても、急にこんな事‥。」


「シーッ、マイケル先生の話が始まりますよ。」


先生が壇上のマイクの電源を入れると、会場内を見渡して生徒達が全員いる事を確認してから、話し始めました。


「皆さん、おはようございます。本日は本来なら入学式や始業式が行われる予定でした。ですが、この学園は間もなく革命軍によって封鎖されます。革命軍が王都で行動を起こしている間、あなた方はこの会場内で静かに過ごしていて下さい。学園の外は危険ですから出られません。」


マイケル先生の話を聞いて、怖くて泣きだす生徒や、血気盛んに革命軍と戦ってやる!と叫ぶ生徒がいたりと、皆んな様々な反応を示しました。やはり、はじめての事でパニックを起こしているようです。


「皆さん、静粛に。革命軍は、誰かを殺したり傷つける事はありません。


今、この国はあなた達の知らないところで沢山の人達が飢えて苦しんでいます。それこそ何日も食事をとっていない子供達がたくさんいます。この国は水不足や噴火による噴煙で、作物が育たなくなり飢饉が起きていたのです。


その為、農民達は立ち上がりました。暴動軍を組んで王都に向かって来ています。彼らは、貴族に反抗すれば死罪だと分かっていて死を覚悟した上で、こちらに向かっています。彼らは過激で危険な思想を持っています。彼らが王都に攻め込んできたら、我々の身の安全は保証されません。


その為に、農民達が来る前に革命を進めて、貴族と農民達の調整をするのが革命軍なのです。なので、皆さんは革命軍の指示に必ず従って下さい。」



先生の言葉に、会場は一瞬シーンとなったものの、やはり誰かが暴動軍や革命軍をやっつけようと叫びました。


「俺たちが剣や魔法でやっつけてやる!」


オー!オー!!


一部の生徒が盛り上がりを見せました。すると、マイケル先生は机を叩き、声を荒げました。


「あなた達は何を考えているんですか!戦う相手はあなた達と同じ人間なのですよ。魔獣ではないのです。農民達を何と思っているのですか!」


先生の言葉に黙る生徒もいれば、まだ頭に血がのぼったままの生徒もいます。彼らはまだ叫び続けます。


「だって、それじゃあ黙ってやられてろって事だろ。俺達貴族が何で農民風情にやられっぱなしでいなきゃいけないんだ。おかしいじゃないか。」


そうだ、そうだ!そうだ、そうだ!


いつの間にか会場内で手拍子が響き渡り、剣を持った生徒達は会場から外へ出ようと歩き出しました。


「お前ら!この馬鹿共が!‥もうこの学園は今日この日をもって廃校とします。‥あなた方みたいな無知で野蛮な生徒達をこれ以上増やす訳にはいきません!


貴族の学園はすべて廃校にして、かわりに全国に身分の分け隔てなく学べる学校をたくさん作っていこうと思います。以上!」


マイケル先生は、怒りと悔しさで目に涙を滲ませて壇上から降りて来ました。


マイケル先生は、生徒会メンバーと他の先生方に、この会場から一人も生徒を出さないように頼むと、私と一緒に革命軍に合流するべく舞台裏の通路から会場を出ました。


いよいよ革命が始まったのだと実感した私は、ドキドキしながら生徒達のいる会場を後にしました。


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