革命前日
私は先生と共に街の飲み屋を出ると、月明かりのみの暗い裏道を通って学園寮に向かいました。
「‥先生、明日の入学式はどうなりますか?」
「中止して、革命軍が来る前に皆んなを非難させよう。そして、白旗をあげようと思う。」
「‥皆んなは今後どうしますか?」
「学園がなくなり、国中に新たな学校が設立されるまでは‥‥課外授業でもしてもらいますか。冒険や農作業体験、国政の基盤作り、等やる事は沢山あります。学生達にも新しい国づくりに参加して欲しいと思っています。」
「‥領地から暴利を貪っていた貴族達はどうなりますか?」
「革命軍が各貴族邸へ向かい、貴族邸をのっとる手筈が整っています。そこの貴族のお子さん達は、こちらで保護します。」
「‥誰も傷つけないんですよね。」
「ああ。その為の革命軍だからね。本当に怖いのは、無知な農民達の暴動軍なんですよ。いずれ彼らは「正義」を盾に、貴族達を殺す勢いで王都に向かって来る事でしょう。
彼らはあまりにも無知で愚かです。目先の事しか考えていない。農地の運営や収穫した作物の管理もできない。
貴族達が、領地運営や国の政治や防衛、外交を行っている事を知らない。貴族とは、ただただ平民の税金を使って贅沢に暮らす人種なのだと勘違いしているのです。
彼らは、その日の暮らしだけで精一杯で教育を受ける余裕がないんです。それ故の無知なのです。
だから、無知で危険な農民達の暴動軍が来る前に、我々革命軍が平和裏に先に事を進める必要があるんです。
ただ、表面上彼ら農民の暴動軍には、我々革命軍の方が過激な活動をしていると思い込ませています。
何故なら、彼らは生優しい革命を好みません。彼らも命がけで暴動を起こしているのですから。」
「分かりました。」
こうして私とマイケル先生は話しながら、私の寮の前まで来ました。
「いよいよ明日が革命初日ですよ。」
「はい。覚悟は出来てます。」
私達は、部屋の前で別れました。
今日出たタロットカードの〝節制″の意味は、統合と再編、そしてバランス、折衷案‥‥を表していました。
命がけで暴動を起こす農民の暴動軍と我々貴族達の間を取り持つ革命軍‥‥。
カードは、きっとこの革命軍が、双方の間でバランスを取りながら、新たな国を作っていく事を暗示していたのだと思います。
私は気が昂ってベッドに入っても中々眠れないまま夜を過ごしました。




