話し合いの前に‥
私はマイケル先生と別れた後、自分の部屋でそわそわと落ち着かない時間を過ごしていました。そして、落ち着きを取り戻す為私はまたタロットカードに手を伸ばしていました。
「今晩の話し合いに行くにあたり、アドバイスを下さい。」
私はそう言ってクロスの上でカードをシャッフルして一つに纏めると、上から一枚だけカードをとりました。
ワンオラクルです。今日一日の運勢を見たりする時に使うスプレッドです。非常に簡単で明快な答えが出るので、今の私にはピッタリの占いなのです。
‥そして、出てきたカードは〝節制″の正位置です。
統合と再編、しっかり自己主張もしながら、会話をしてベストな折衷案を考えて‥とのアドバイスが出ました。
「折衷案‥。」
ピッ、ピッ、
私が占い結果で出たカードと睨めっこをしていると、マカロン様からの通信が入りました。
「チョコ、『折衷案』ってなんの話?」
「マカロン様、私の独り言が聞こえてたんですか!?」
「うん、だんだんとチョコの心の中や独り言を受信する精度が上がってきたかもしれない。」
「マカロン様、じゃあ通信機はもう‥‥。」
「うん、僕はもういらないかもしれない。でもチョコはまだ必要だよね。」
「はい。‥あっマカロン様‥私から伝えたい事があります。」
私はマカロン様に、マイケル先生から聞いた話をしました。そして、今晩の話し合いの事も伝えました。
最初は、私が話し合いに行く事に反対していたマカロン様ですが、私が説得をすると何とか話し合いへの参加を認めてくれました。
そして、マカロン様との長い打ち合わせの結果、私は‥‥革命軍に味方して、革命軍と共に王都を攻め込み、平民が「悪」と認めた貴族の身分を剥奪する事になりました。
「僕は王族だから‥この国の責任者だから、この革命において中立の立場でなければならない。
だけど、チョコはチョコの正しいと思う事をやってくれればいいよ。僕はチョコの事を信じてるから。
確かに今この世界は変動期の最中にあるんだろうね。
だから、チョコやグスタボ君、パウエル王子のように地球からの転生者が現れるようになったんだと思う。チョコが地球での政治や王族のあり方について話す内容は、平民の革命軍の理想とするものに限りなく近いからね。
革命軍が理想の社会を実現するには、僕達王族や一部の貴族が「悪」として倒されるという儀式が必要なんだと思う。
だから僕は喜んで「悪」になるよ。」
「‥分かりました。私がマカロン様達王族を倒す役になります。一部の貴族の敵となります!」
「‥チョコ、僕達はこの革命が落ち着くまではまた当分会えなくなるね。」
「はい。でも今度は大丈夫です。私達なら必ず乗り越えられるはずです。」
「‥チョコ、大好きだよ。」
「私もマカロン様が大好きです。」
私は、マカロン様からの通信が終わると、通信機の電源を切りました。
そしてマイケル先生が約束通り迎えに来てくれると、黒い地味な格好をして革命軍との話し合いの場へと向かいました。




