感動の学園祭フィナーレ
感動のライブも見終わり、私達はまた模擬店を少しまわりつつ生徒会室へ向かいました。
「エリナさん‥いないんですか?」
私達は、エリナさんがいるかと思って生徒会室へ来たんですが‥どうやら留守のようでした。
テーブルの上には、私宛の手紙がありました。
〝チョコへ。頭を打ったばかりなので、無理せず安静にしていて下さい。テーブルの上のお茶とお菓子は、マカロン王子と二人で召し上がって下さい。エリナより″
「マカロン様、エリナさんが私達にお茶とお菓子を用意してくれたみたい。それに安静にしてて下さいだって。
‥‥皆んな、優しいですね。凄く私の事を心配してくれてます。」
「そうだね。後でしっかりお礼しなきゃいけないね。」
忙しい皆んなに申し訳ない気もしつつ、とりあえず私はマカロン様とソファーに腰掛けて寛ぎました。
そして氷の入った器にある瓶から、冷たいお茶をコップに注ぎ、マカロン様と頂く事にしました。
「冷たっ、‥よく冷えてるね。」
「エリナさんは最近紅茶だけじゃなくて、冷たいフレーバーティーにも凝ってるんです。ちなみにソード様はこの冷たいフレーバーティーが大好きだそうですよ。」
「そうか。確かにソードが好きそうな飲み物だね。」
私は冷たいフレーバーティーを飲むと、テーブルの上のカラフルなお菓子を手に取りました。
「あっ、このお菓子‥マカロンだ。」
「えっ?」
「‥‥あっ、ハハハ、マカロン様と同じ名前のお菓子があるんです。‥このお菓子は多分パウエル君が作ってくれたんですね。
〝マカロン″って言うのは、地球で有名なお菓子なんです。とってもカラフルで可愛らしいお菓子で、若者中心に人気なんです。」
「‥僕の名前って、お菓子の名前だったんだ‥。じゃあ、チョコは僕の名前を知って、変な名前だなって思った?」
「‥‥んー、なんていうか、マカロン様だけじゃないんです。マロン様だって、地球では〝栗″という食べ物の名前ですし、それに私の名前だって〝チョコレート″という甘いお菓子の名前なんです。」
「‥へぇ〜。面白いね。多分その事を知ってたら、そんな名前なんて付けなかっただろうから、たまたまそうなったんだろうね。‥でも不思議だね。何だか、チョコの前世とこの世界って繋がりがあるのかな?」
「‥‥。」
「‥チョコ?」
「あっ、ごめんなさい。マカロン様の言葉を聞いて‥そうなのかなぁって考えてました。」
「‥そっか。あっチョコ、そろそろ学園祭の閉会式の時間だ。この部屋の窓から見えるから、見に行こう。」
「‥下に降りなくても良いのかな?」
「皆んなが心配するよ、ここで一緒に見よう。」
マカロン様が、そう言って後ろから私の肩を掴み、そのまま窓際まで連れて行きました。
窓からは閉会式の様子がしっかりと見えました。エリナさんが太鼓演者や武芸の団体演技をしてくれた人達を称えて、感謝状と、お礼の品物を渡しています。
ちなみにお礼の品物は、この国の特産品を学園祭の協賛店が提供してくれたものです。
さて、次にいよいよ模擬店の上位三クラスが発表されます。
三位は‥‥私達のクラスのメイドカフェでした。グスタボ君が少し満足のいかない顔を浮かべつつもお礼のスピーチをしています。
二位は、三年のクラスの魔法実験ステージでした。色々なマジックや科学実験をメインとしたステージを何回か上演してましたが、その度に大行列ができてたようです。
そして一位は、やはりサーラさんのクラスの喫茶店でした。女子の圧倒的人気を得て、堂々の一位です。特に手作り雑貨の人気が凄かったそうで、販売後一時間もしないうちに完売したのだそうです。
そしてこの一位のサーラさんのクラスは、雑貨の売上を街の教会へ寄付した事により、協賛店の票も集め、「協賛店特別賞」も頂きました。
沢山の拍手で盛り上がる中、エリナさんが閉会の挨拶をし、閉会式が終わりました。
「はぁ、学園祭が終っちゃった。」
私がそう呟いて後ろを振り向くと、すぐ正面にマカロン様の顔がありました。マカロン様は窓枠に両手をついて、私を窓際に閉じ込めてしまいました。
私は恥ずかしいのとびっくりしたのとで、思わずマカロン様の腕の下をくぐり抜けて、マカロン様から少しずつ距離をとってしまいました。
自意識過剰かもしれませんが、キスされるかと思ってしまったんです。別にマカロン様にキスされるのが嫌な訳ではないんです。
マカロン様にそんなつもりがないのは分かってます。でも、だからこそ、そんな勘違いをしてしまう自分が恥ずかしいんです。
「‥チョコ、ごめん。今のチョコの心の中の声聞こえた。」
『ですよね。‥恥ずかしい。‥私、最近変ですよね。マカロン様の事を好き過ぎて、浮かれすぎですよね?変ですよね‥‥でもどうしよう、マカロン様への好きがとまらないんです。だから、マカロン様!私から離れて下さい。』
「ええ〜、あっいや、チョコの気持ちは嬉しいんだけど、今から大切なこと話があるんだ。‥お願いだから、もう少し近くに来て。離れろなんて言わないで。」
『でも、マカロン様にうっかり近付いたら、私、マカロン様の手を繋いでしまうかもしれませんよ。』
「‥手を繋ごう、いいよ、ほら。だから近くに来て。」
私はマカロン様と手を繋ぎ、深呼吸をしました。
「ごめんなさい。もう落ち着きました。マカロン様の大切なお話、ちゃんと聞きます。」
「良かった。‥大切な話なんだ。その、チョコ、君に正式に婚約を申し込みたい。君のご両親のもとにも申し込みの旨をすでに伝えてあるんだ。チョコ、好きだよ。ずっと僕の隣にいて欲しい。チョコの隣は居心地がいいんだ。それにチョコは、僕の特別だからね。」
そう言ってマカロン様は、繋いだ私の手の甲にキスをして、とても優しい笑顔を私に見せてくれました。
私は‥嬉し過ぎて、言葉が出ませんでした。ただ黙ってひたすら縦に頷いていました。
王様が私達の婚約を許してくれた事が嬉し過ぎて、もう幸せの飽和状態になっていました。何だか‥幸せすぎて怖い、と思ってしまいました。
その後、早速王様へ婚約受諾の報告をしに行き、花嫁修行の為に頻繁にお城へ行くことになりました。




