マカロン様と学園祭デート
私とマカロン様は、私のクラスのメイド喫茶へ向かいました。
「お帰りなさいませ、ご主人様。」
「あっ、うっ、どうも。」
お店に入ると真っ先にお出迎えしてくれたのは、メイド服のグスタボ君でした。びっくりして固まってるマカロン様を見てたら、私は何だか可笑しくて笑いが止まりませんでした。
「アハハ、アハハ、ハ、可笑しい。グスタボ君凄い、完璧!似合ってる〜!マカロン様、固まってる。アハハ。」
「チョコ、笑いすぎ。‥ねぇ、他の子達も見てあげて。皆んな頑張ってるでしょう。」
グスタボ君の言う通り、他の子達も完全にメイドになりきって頑張っていました。練習の最初の頃は恥ずかしがって泣いていた子も、今日は生き生きと接客をしています。
女子が表舞台で接客を頑張っている間、裏のキッチンでは、男子達が食事やドリンク、パフェを作っていました。
最初は、オムライスやパフェやドリンクを作るのに抵抗があった男子達も、今では女子顔負けの料理の腕前になっています。
それにしても、メイドや裏方で頑張ってる皆んなもそうですが、お客様達、とても楽しんでいます。学園の他のクラスの子達も、メイドさんと萌えポーズを一緒にとったりして、大変ノリノリでした。とにかく店内の活気が凄いのです。
私とマカロン様がメロンソーダを飲んでいる間も、店内ではメイド喫茶の決め台詞があちこちで飛び交っていました。
「ドリンクをフリフリ、シャカシャカしま〜す。せーのっ、フリフリ、シャカシャカ。」
その一方で、お帰りになるお客様がいれば、担当のメイドさんが扉の所までお見送りして、
「行ってらっしゃいませ、ご主人様。」
と可愛く手を振ってくれます。
〝おもてなし″の心がいきていました。
私はモアさんのメイド服姿も見たくてモアさんを探しましたが‥‥いました!数人のグループに囲まれています。
遠くから見たモアさんは‥眼鏡と三つ編みのままでしたが、とてもメイド服が似合っていました。「お客様のご指名ナンバー1」の大きな名札もつけられていました。
私とマカロン様は、グスタボ君にお決まりの挨拶で見送られながら、メイド喫茶から出てきました。
「ふぅ、何だか疲れたな。」
「マカロン様大丈夫ですか。次はライブで盛り上がろうと思ってましたが、やめときますか?」
「いや、大丈夫。僕もそれ見たかったんだ。行こう。」
マカロン様は、そう言って私の手を強引に引っ張って歩き出しました。
「‥マカロン様に強引に引っ張られて歩くの、私好きかも。」
私は思わず小さく呟いてしまいました。
「‥チョコは、強引なのも好きなんだね。」
マカロン様、ちゃっかり聞いていました。
「‥いえ、マカロン様なら何やってても好きです。」
「‥もう、チョコは馬鹿だなぁ。」
「‥ふふっ。」
「おい、そこのバカップル、見てるだけで恥ずかしいから、もうその辺でやめて。」
私達の甘酸っぱい雰囲気を壊して割り込んできたのは、パウエル君でした。
「あっパウエル君、私を保健室へ運んでくれてありがとうね。‥その、喧嘩してた子達どうしてる?」
「ん?ああ‥あの子達ね、反省文を書いた後すぐ自由になったから、今頃どこかで学園祭を楽しんでると思うよ。安心して。」
「そう、良かった。あと、自由時間をくれてありがとうね。」
「ああ、いいよ。チョコさんの仕事はもう会場の片付けぐらいしかないし。」
オホン、
「‥ねぇパウエル君、口調がタメ語になってるよ。マカロン王子の前なんだけど?」
「あっ、やばい。じゃなくて、ごめんなさい。」
「‥いや、いいよ。その話し方、嫌いじゃない。」
「‥あっ、そうっすか。じゃあタメ語で良いっすね。チョコさん達、ライブ会場のとっておきの場所キープしてありますよ。さあ、こっちです。」
私達は、会場の客席の〝招待席″と書かれたところへ案内されました。
「この国の王子と将来の妃様ですからね、特別席を用意しましたよ。」
パウエル君はそう言ってウインクをし、気障に去って行きました。
私達が席に着くと、太鼓の重低音が響きはじめました。色とりどりのライトが舞台上で激しくまわりだしました。
次に「せいやっ!」の掛け声と共に、舞台上の武芸を披露するメンバーにスポットライトが当てられ、団体演舞が始まりました。
息の合った動き、激しいアクロバティックな演技に、観客は皆んな息をするのも忘れて魅入っていました。そして幻想的な太鼓の演奏が舞台をドラマチックに演出します。
やがて武芸と太鼓演奏のライブが終わると、観客からスタンディングオベーションが起こりました。
隣を見ると、マカロン様も大興奮して立ち上がり拍手を送っていました。マカロン様のこんなにキラキラした眩しい顔を、私は初めて見ました。
「チョコ、最高だね!僕感動したよ。」
「‥感動してるマカロン様の顔、キラキラして素敵です!」
「‥もう、やめて。」
「‥照れてるマカロン様もいいですね。」
「‥。」
私はメイド喫茶のメイドさんよりも、マカロン様に萌えまくってしまいました。




