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街での太鼓演奏会


魔道具の通信機の電源を切ってから三日目、マカロン様からは何の音沙汰もありませんでした。


私は我慢できずに、少しだけ電源を入れてみました。でも一時間程たっても通信を知らせる音は鳴りません。私は通信機の電源を再び切って、椅子に腰掛けてぼーっと窓の外を眺めてみました。


こうして三日間ずっとマカロン様からの連絡を待ってましたが、私は精神的に疲れてしまいました。


「はぁ、通信機の電源を切ってから、マカロン様の事ばかり考えてる気がする‥‥。疲れた~。」


私は思わず大きな独り言を言ってしまいました。



「お嬢様、それなら気分転換に出かけませんか?今日は占い処も学園もお休みですし。それに隣国の太鼓演者の方々が、街の広場で太鼓の演奏をするそうですよ。」


「へぇ、そうなんだ。太鼓の演奏見たいし、マリーも一緒に行ってくれるなら行こうかな。」


私はマリーと一緒に街に行く事にしました。




街に出ると、私とマリーが少し変わったワンピースを着てる為か、とても注目を浴びています。隣国の太鼓演者達の演者の服を真似た柄のチャイナドレスなのですが、スリットがあるせいか、男性の視線が熱いです。   


「マリー、これはちょっと刺激的過ぎたのでは?」


私はチャイナドレスのスリットを指差して、マリーに抗議しました。


「良いんですよ~。大人が着ると色っぽくなり過ぎてしまい問題ですが、私達子供が着る分には何の問題もないです。」


「はーい。」


私達は、何点か雑貨屋をまわってから広場に向かいました。


広場には、すでに沢山の大太鼓がセットされていました。街の広場に人が徐々に集まり出し、いつしか太鼓のまわりには人々の輪ができていました。


しばらくすると、一人の男性太鼓演者がやって来ました。バチを手に取り、ボーンッと低い音を響かせます。すると、集まった人達はお喋りをやめて、太鼓に集中しました。


一発目の太鼓の響きの余韻が残る中、太鼓の端の方で軽快にバチが細かいリズムを刻んでいったかと思うと、時折お腹まで響くような大きな音が出ました。


演者が、


「ハァーッ!」


と掛け声を上げると、他の演者達も人の輪の背後から、全員威風堂々とやって来ました。そして全員で掛け声を上げると、太鼓演者達による演奏会が始まりました。太鼓の音の響きも凄いのですが、演者達の息の合ったパフォーマンスが凄かったです。


バチを捌く動きも全員揃ってますし、リズムに合った体全体を使った動きも見事で、息をするのも忘れてしまうほど、夢中になって見てしまいました。


太鼓の演奏が終わると、広場は一瞬静寂に包まれましたが、次の瞬間に大歓声が起こりました。鳴り止まない拍手と、飛び交うチップの中、演者達が深くお辞儀をして退場しました。太鼓は次の公演の為にそのまま置かれてました。


「マリー、凄かったね。私、久々に感動した。この感動をマカロン様にも早く伝えたい。」


「‥お嬢様、通信機はグスタボ様とマロン王女に止められてますよね。我慢ですよ。」


「‥はい。我慢‥します。」


私は、うっかりマカロン様に通信機で話そうとしてしまいました。とりあえず、お店巡りもしたし、太鼓の演奏も見たので帰ろうとすると、前方から先日お会いしたマハム様がやって来ました。


マハム様は太鼓演者の一人と街の偉い人と話しながら歩いて来ました。どうやら、マハム様は太鼓演奏のマネージメントもしているようです。


マハム様が、前方にいる私に気付いて手を振ってくれました。


私も手を振り返しましたが、その時‥ふと、マハム様にまだハンカチを返していない事を思い出しました。


好きな人なら綺麗に洗って刺繍でもしてから、お返しをするのですが、マハム様は好きな人でもないし、いつ会えるかも分からない方なので、洗ったハンカチをどうしようか迷っていたところでした。


そんな事を考えてると、マハム様の方から話しかけてきてくれました。


「チョコさん、また会えましたね。」


マハム様は、白い歯を輝かせながら、眩しい笑顔を見せてくれました。


「せっかくなので、近くで美味しいお茶でも飲みませんか?お連れの方も是非。」


マハム様が誘って下さいました。チラッとマリーを見ると、静かに微笑んで頷いてます。


行って良いという事かしら?


「はい、是非。」


私はお誘いにのることにしました。こうしてマハム様と私とマリーの三人でお茶をする事になりました。



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