お城へ
マロン王女と学園の庭園のガゼボでお話をしてから、二週間後にお城へと呼ばれました。マロン王女からのお誘いではなく、王様からの呼び出しでした。急いで支度をし、お城へ向かいました。そして、登城してから案内されたのは、王様の謁見室でした。
「チョコ・シリアル侯爵令嬢が参りました。」
「チョコ、そう畏まらなくても良い。頭を上げなさい。」
王様にそう言われて、私は顔を上げました。王様は玉座から私を静かに眺めて、ゆっくりと話し始めました。
「マカロンがお主と婚約したいと言ってな、一度私もこの目で見てみたくなったんだ。急に呼び立てて悪かったな。」
「いえ、光栄です。」
「‥‥ふむ。」
「‥‥。」
「‥マカロンが誰かに興味を持つなんて珍しいんだ。チョコは、マカロンとは生徒会で知り合ったのだよな。‥‥ふむ。まだお前達は若い。それに、まだこれから出会う縁もあるだろう。お互いに安易に婚約をするのは、後々自分達を苦しめる事になるかもしれんぞ。
せめてチョコが中等貴族学園を卒業するまで待ってみてはどうかな。それまでは、マカロンやマロンの友人として、お城にも気軽に来ると良い。」
「ありがとうございます。」
王様の話はこれだけでした。私とマカロン様が仲良くする事は反対されませんでした。ですが、マカロン様の婚約者をまだ私に決めたくないという、王様のお考えは伝わりました。
ハァー、私は少しだけがっかりしました。てっきり婚約をお許し頂けるものだと思い込んでいたのに‥‥。
私は失意のままお城の中を歩いていました。
お城を出ると、お城の庭園が見えました。イングリッシュガーデン風の見事な庭でした。
つげの生垣で、色ごとにわけられた空間が奥まで続いていました。
最初の部屋はホワイトを基調とした花で統一されていました。通路の真ん中にはユニコーンを模したトピアリーが飾られています。
なんて素敵!マカロン様とこの庭園でゆっくり散歩をしながらお話できたら、楽しいだろうなぁ、なんて妄想をしていました。
すると、庭園の片隅にあるガゼボに男女の人影を発見しました。
一人は金髪の女性、もう一人は黒髪の‥‥マカロン様?
二人は仲良く話していました。笑い声も時折聞こえてきます。
私は何となくいたたまれない気持ちになり、そっと庭園を抜けて帰りました。
マカロン様と一緒にいたのはジューン・ラプス王女でした。そして、仲良く寄り添うマカロン様が見えました。
何故ジューン王女がここに?それに何故王様は、今日私をお城へ呼んだの?まさかこの二人を私に見せる為?
王様はマカロン王子の婚約者にジューン王女をお考えなのかしら?
私の中で悪い想像がとまりません。
どうしましょう‥‥




