入学式直前 侍女マリー
いよいよ入学式の日が来ました。
緊張しますね。
ちなみに学園は制服です。男の人はスラックス、女の人はスカート。
侍女マリーとは、すでに寮で一緒に暮らしています。チョコはマリーが大好きで、結構心を許しています。
「お嬢様、前髪どうしますか。せっかくの綺麗な瞳を隠しては勿体ないですし、なんといっても学園デビューの晴れの日ですし。。」
「‥‥‥マリー、やっぱり前髪で眼を隠してないと不安なの。少し斜めに流して、眼が上半分隠れるぐらいにしてくれる?」
「お嬢様、また謎のこだわりを‥‥。分かりました。それでお嬢様の不安が消えるなら。あっ、横と後ろは好きにさせて貰いますよ。」
「ありがとう。マリーは女子力高いから、きっと素敵にしてくれるんでしょうね。」
「お嬢様、変身してシンデレラになりたくなったら、マリーはいつでも全力で応えますから、だからその日を楽しみに待ってますからね!」
「うん。」
今日はいよいよ学園の入学式です。式の後、クラス毎に分かれてオリエンテーションがあります。
ちなみに今は、寮の部屋で私の身支度の最中です。
お気づきだとは思いますが、小さい頃から唯一の友達のようなマリーには、全てを打ち明け、地球の物語や、言葉、様々な事を2人で話す内に、マリーはすっかり地球通になっていました。
覚えたばかりの地球の言葉を、すぐに使いたがるマリー。
そんなマリーが、私は可愛くて大好きです。本当の親友だと思っています。
‥‥マリーは褒めてくれる黒髪と黒目、実は地球で言うところの黒魔術や霊感が強いとされる色なのです。けれど、皆んなの期待を裏切り、判明した能力は、共感能力。。
あれからるなの記憶や知識を使ったり、実際に夢の中でるなに入り、本屋や図書館で本を読んだりして調べました。
共感能力、それはおおざっぱに言えば、相手の気持ちに寄り添える素晴らしい能力。
わかりやすく長所を言うと、聞き上手で、何でも相談に乗れる事です。また、洞察力も鋭いのですぐに相手の気持ちを察します。
短所は、すぐに他人に同調してしまう為、自分の芯がぶれやすく、デリケートで大勢の中にいると疲れてしまいます。あと、相手の悪意にも敏感なので、ひどい場合は自分の部屋にこもりがちになってしまいます。
将来は、占い師やカウンセラー、教師、引きこもりになるとされています。
「さぁ、お嬢様。支度が出来ました。行きましょう。」
「ええ。」
私は深呼吸をした後、ヨシ!と気合いを入れて入学式の会場へ向かいました。
チョコ、入学式に向かいましたね。気合い入れてましたね。
クラス分けも気になります。