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ジューン・ラプス王女


卒業パーティーの会場の隅で、チョコとパウエル・ラプス様が話している間、マカロン王子も大勢の人々との挨拶に忙しくしていました。


「マカロン王子、はじめまして。今日は国王陛下にお招き頂きましたの。ラザニア帝国国王の長女のジューン・ラプスです。


こちらの国の高等貴族学園へ入学する事になりましたの。弟のパウエルも中等貴族学園へ入学しますのよ。」


「ジューン王女、お会いできて光栄です。学園でまたお会い出来ますね。宜しくお願いします。」


マカロン王子はジューン王女と挨拶を交わすと、視線でチョコを探しました。


すると、壁際で金髪碧眼の美少年と話してるチョコが見つかり、マカロン王子はチョコのもとへ向かいました。


『誰だ、あの男は。やけに親しそうだな‥。僕が長い時間チョコを一人にしてしまったから‥‥。』


二、三歩進んだところで王女がマカロン王子を引き留めました。

 

「マカロン王子、お待ちになって。私と踊って下さる?」


「‥勿論です、王女。是非。」


隣国の王女の申し出を無視はできない為、マカロン王子は、王女と最初の曲を踊ることになりました。


「マカロン王子、私のところにたくさんの婚約の申し出がきていますの。でもマカロン王子は私に婚約を申し込んでは下さらないのですか?」


「はい。もう決まった方がいますので。」


「国王陛下もお認めに?正式に婚約をされましたの?」


「いえ、それはのちのちに。」


「へぇ‥そうなんですの。」


王女と一曲踊り、マカロン王子はチョコのもとへやっと戻って来れました。


「チョコ、ごめんね。‥そちらは?」


「初めまして。隣国のラザニア帝国国王の長男パウエル・ラプスです。マカロン王子ですよね、僕はマロン王女の婚約者なんです。」


「マロンの婚約者‥あっ、そうか。あなたがパウエル王子‥。妹共々宜しくお願いします。」


「はい。こちらこそ宜しくお願いします。‥あの、先程は姉が失礼しました。強引にダンスの相手をせがまれたのでは?」


「いえ、楽しく踊らせてもらいました。」


『マカロン王子とさっき踊っていたのは、隣国の王女様だったのですね。』


『ああ、ごめんね。最初の曲はチョコと踊りたかったけど‥‥』


私とマカロン様が心の中で会話をしていると、パウエル・ラプス様が私達二人を見て笑い出しました。


「アハハハ、お二人共急に黙って顔を見合わせたままでいるから、びっくりしました。心の中で会話でもしてたんですか?」    


「「‥!」」


「ああ、おかしい。笑ってすみません。冗談ですから。それにしても、お二人仲良さそうですよね。髪色が同じせいかな?雰囲気も似てますね。うん、お似合いです。」


「パウエル様、あの、‥‥。」


パウエル・ラプス様は何かと鋭いお方ですので、私とマカロン様がお付き合いしてる事に気付いた様子です。


「まだお二人の関係は正式なものではないのですよね。‥‥年若い僕とマロン王女が婚約するぐらいだから、あなた達が正式に婚約をしたとしても不思議ではないのに。この国なら王子妃の身分だって、さほど気にしないのでは?」


『パウエル王子はグイグイ来るなぁ。‥‥でも、僕も婚約者がいてもおかしくない年齢だし、父上に話してみようかなぁ。』


『マカロン様、話すってまさか!』


『チョコ、僕と婚約して下さい。』


『‥私で良ければ是非。』


パウエル・ラプス様の何気ない一言で、私とマカロン様の関係が大きく前へ進む事になりそうです。


「ちょっと、二人共また急に黙って、今度は赤くなって‥‥本当にもう、お二人何なんですか!」


年下のパウエル・ラプス様に叱られてしまいました。


口では恥ずかしくて言えない事も、心の中だと素直に話せるので、つい心の声を優先させがちになるんですよね。気をつけなきゃいけません。


「だから、もう!二人共口開いて喋ってくださいよ。僕だけ疎外感が凄いんですけど。」


「「すみません。」」

  

「マカロン王子、謝らないで下さいっ、困ります。あぁ、もう。


そうだ、マカロン王子、姉のジューンがあなたを気にしているみたいです。強引な人なので気をつけて下さいね。では、僕はこれで失礼させて頂きます。」


「あのパウエル・ラプス様、ありがとうございました。」


「‥あ、そっか。チョコさん、マカロン王子が戻って来てくれて良かったですね。では、また学園でお会いしましょう。‥学園では、フルネーム呼びはやめて下さいね。」


「すみませんでした。あっ、また学園で宜しくお願いします。」


こうしてパウエル様は姉のジューン王女のもとへ戻って行きました。


一瞬ジューン王女に睨まれた気がしましたが‥気のせいではなさそうです。


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