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お城でマロン王女を占いました


学園祭が終わると、つぎのイベントは卒業パーティーです。


それまでは、生徒会の仕事も少し余裕ができる為、マカロン先輩もちょくちょく私を構ってくるようになりました。


学園内で、私がマカロン先輩と一緒に学食を食べていた時は、まわりの人達が驚いて見ていたし、一緒に図書館で勉強をしてた時もまわりがチラチラとこちらを見てくるのを感じました。


私が廊下を一人で歩いている時に、他のクラスの男子から話しかけられた事が何度かありましたが、その都度マカロン先輩がどこからかやってきては邪魔をしてくるのでした。


私は嬉しい反面、まわりの人達の嫉妬が怖くなりました。


特にピエンさんのいたクラスの女子達はマカロン先輩狙いの方が多かったので、嫌がらせなどあるかと思っていたのです。実際少しは嫌がらせもあったのです。持ち物がなくなったりしましたし。


けれども、私とピエンさんが街であったりして仲が良い噂が学園内で広まると、そういった嫌がらせは一切無くなりました。


ピエンさんがよっぽど怖いのでしょうね。


こうして、マカロン先輩と私は徐々に親交を深めていきました。


そして今日、私は初めてお城へ来ました。マカロン先輩からとうとう招待されてしまったのです。


お城に着いてみて、あまりの豪華さに気後れしていると、年配の品の良い男性が応接間へと案内してくれました。


「チョコさんですね。殿下から噂は予々聞いております。私はフェルゼンです。宜しくお願いします。」


「宜しくお願いします。」


フェルゼンさんと挨拶を交わしていると、マカロン先輩が来ました。


「殿下、この度はご招待頂きありがとうございます。」


「チョコは、お城は初めてだったよね。二階に行こうか。気を張らずにのんびり過ごせると思う。妹にも会わせてみたかったんだ。」


妹さん‥‥王女様じゃないですか!


『ハハハ、心配ないって。良い子だよ。』


私達は階段を登って行くと、広い廊下を走って来る美少女が見えました。


タタタタタタタタ、


「はぁ、はぁ。あなたがチョコね。はぁ、はぁ。」


「王女殿下、お初にお目にかかります。私シリアル家次女の‥‥」


「うん、知ってるから、そういうのはいいの。さっ、こっち来て。」


王女様は、私の手を引いて広い部屋へと連れて行きました。


遠くでマカロン先輩が手を振ってます。ああ、最初から私と王女様二人で過ごしてもらおうという算段だったのですね。


「チョコ、私の事はマロンって呼んで。さあ、これを見てちょうだい。ヨイショッ!」


マロン王女が絢爛豪華な箱をどこからか持ち出して、テーブルの上に乗せました。


「チョコが占い師で、このタロットカードの発案者だという事は知っているのよ。」


「はい。」


「ね、お願い。私も占って。」


「分かりました。」


「さあ、こちらへ腰掛けて。侍女が後から美味しいケーキも用意してくれるから、寛いで楽にしてちょうだい。」


マロン王女が、そうやって私を気遣ってくれたのが嬉しくて、私はつい前世のルナの時のようにソファーにもたれて足を広げてしまいました。


「ぷっ、やあだ、チョコったら寛ぎすぎよ。アハハハ、あーおかしい。変な令嬢ね。」


「あっ、すみません。つい気が緩んでしまいました。失礼をお許しください。」


私はとっさに姿勢を整えて謝罪しました。


「アハハ、私の前でだけなら許すわ。だから、今も寛いでて良いのよ。アハハ、今更取り繕ったって、あーおかしい。」


私は恥ずかしくて俯いていました。


「あっ、そうそう。占ってくれるのよね。このタロットカードを使ってくれていいから、今お願いしても良い?」


「はい。では何を占いますか?」


「好きな人もいないし、特に何も悩んでもないけど、駄目?」


「全然問題ないです。では全体的な運勢と近い未来を占ってみますね。」


私はテーブルに、手持ちの大きめのクロスを敷きました。


占い師をやってると急に占いをする事があるので、こうして大きめのクロスを普段から持ち歩いているのです。


私はクロスの上でカードをシャッフルし、並べていきます。スリースプレッドで見ることにしました。


「マロン王女から見て右側が過去のカード、真ん中が現在のカード、左側が近い未来のカードです。


過去のカードが〝戦車″の逆位置です。マロン王女はもともと真っ直ぐで強い性質を持った方です。それがまわりから誤解されて傷つく事もあったのではないかと思います。苛々したり、喧嘩になる事もあったのではないでしょうか。」


「‥ええ、そうね。続けて。」


「けれども、今は違うようですよ。現在のカードは〝太陽″の正位置です。


マロン王女の頑張りや真っ直ぐなところを理解してくれる人達がいます。マロン王女と誠実に向き合い、嘘偽りなく付き合ってくれる人が現れます。この出会いによって、どんな辛い事も乗り越えられそうです。夢や希望のある良いカードなんですよ。」


「あら、良かった。続けて、続けて。」


「最後に近い未来を表すカードが〝恋人″の正位置です。


他人と一緒にいるからこそ味わえる一時的な快楽を表しています。心許せる友達と軽いノリで遊んだり、恋をしてみたり、時間を忘れるような楽しい事が待っています。


目の前の出来事に楽しんで、気分転換をする中で何か理想が見つかったり、気付きがあるかもしれません。」


私の占い結果をマロン王女がどう思っているのかが気になりますが、マロン王女はしきりに頷いたきり、固まってしまいました。


「マロン王女?」


「チョコ、あなた凄いわ。ちょっと怖いぐらい。でも、そうね‥‥私達ちょっと変わってるもの同士気が合うと思うの。つまり、私とあなたは友達になるといいと思うの。


あなた、マカロン兄様と将来結婚したいのでしょう?ふふ、12歳なのに、おませね。」


私より年下の王女様に言われたくないです‥‥。


「私はあなたの良い味方になれるわよ。そして、あなたは私の良い味方でいてね。」


マロン王女は私の手を取り、必死な表情で私を見つめてきました。


私は目を逸らさず、マロン王女の目を見つめ返しました。


マロン王女は何か不安な事でもあるのでしょうか。一見明るそうなマロン王女の、隠された一面をみてしまったようで、私は申し訳ないような気持ちになりました。


「はい。私はマロン王女のお友達になりたいです。私はマロン王女の味方になりたいです。」


私がそう言うと、マロン王女はフッと笑顔を見せてくれました。


「さあ、マカロン兄様のもとへ戻りましょう。待ち疲れているかしらね。チョコはマカロン兄様の特別だから。」


そう言って、マロン王女と私はマカロン先輩のもとへ戻りました。私は特別美味しいケーキを頂いて帰りました。


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