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私とピエンさん


ここはどこでしょう?


学園も道もない真っ暗闇の中を、私とピエンさんは共にフラフラと彷徨い歩いていました。


「あんた、なんでこんな所にいるのよ!邪魔しないで!」


「邪魔?ピエンさんは何をしたいの?私がなぜ邪魔なの?」


「私?私はただ憎いの!あいつらに思い知らせてやるの!私と同じ目にあわせてやるの!それにあの男も許せない!お母さん一人町に残してきてしまった!お母さんに会いたい!この学園も嫌い!チョコも嫌い!何よ、良い服着て化粧して私よりも綺麗になったつもりでいるんじゃないわよ!私が一番美しくて素晴らしいのよ!」


「ピエンさんの頭の中には復讐と憎しみと妬みしかないのね。なら、復讐だけでも協力するわ。」


「チョコ、あんた‥私に同情しても無駄よ!あんたなんか死んじゃえばいいのよ!チョコのくせに偉そうに!」


「ふふふふ。私ね、ピエンさんの復讐したいっていう気持ちがよく分かるの。私ね、前世で凄く虐められてたの。死にたい事もたくさんあったの。だから、復讐しましょう。」


私はピエンさんの手をしっかり繋いで、暗闇に浮かぶたくさんの女の顔に対峙しました。


「あんた達の悪意には反吐がでるわ!やる事が陰湿なのよ、私の持ち物を隠したり、捨てたり、切り刻んだりして、自分の自尊心を満たしてるだけでしょ。本当に馬鹿!私が同じ目にあわせてやるわ!」


私がそう言うと、暗闇に亀裂が入り、亀裂からピエンさんのクラスメイトが見えました。ピエンさんに暴力をふるわれてすでにボロボロでしたが、上空の亀裂から私の手が伸びてくると、悲鳴を上げて逃げまわりました。


私は逃げまわる女子達を捕まえて、その服をいつのまにか伸びていた爪で切り刻みました。


「許して、許してピエンさん。もう何もしないからぁ。やめてーっ!怖い、もう、嫌!」


「ドレスを切り裂いてごめんなさい。でも、あなたが私の好きな人を奪ったのよ!私だけが悪いんじゃないの!」


女子が口々に懺悔する姿を見て、私は復讐する気が薄れてしまいました。


その様子を見ていたピエンさんも、呆れた顔で彼女達を見ていました。


「あんた達弱いのよ。よくもそんな意気地なしの癖して私を虐めたわね。この事は全部先生に言うから!もうあんた達なんか怖くないわ!」


ピエンさんがそう言うと、黒いオーラの中の大量の女の顔は消えていきました。


「チョコ、あんたは誰?」


ピエンさんが私にそう聞いてきました。


「私はチョコであり、前世のるなであり、今はピエンなの。何だか自分とあなたとの境い目が分からないの。」


私はピエンさんの気持ちに共感するうちに、ピエンさんと自分の境界が分からなくなってしまったのです。


「ピエン、あんたさぁ、自分の父親の事も憎いんでしょう?今から行っていじめてやろうよ。」


「チョコ、あんた口調まで変わってるけど。」


何か言ってるピエンの腕を引っ張り、私は黒いオーラの中に残っていた大きなおじさんの顔に対峙しました。


「ピエン、あんた言いたい事あるんなら言えよ!」


「‥‥。」


「早く言えって!」


私はそう言って、ピエンを大きなおじさんの顔に向かって突き飛ばしました。


私はモタモタしているピエンに苛々しました。ピエンがおじさんに何と言ってやるのか、どんな嫌がらせをするのか、楽しみで仕方がなかったのです。


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