グスタボ君の告白
今日は私のお家でお茶会です。グスタボ君、エリナさん、モアさん、サトル君を招待しました。
侍女のマリーが自慢の手作りシフォンケーキと香りの良いハーブティーを用意してくれました。
「チョコ、今日とても可愛いわ。それに制服の時と全然違うから驚いたわ。」
「そうね、私も驚きました。何だか雰囲気も変わりましたわね。」
私の事をエリナさんとモアさんが早速褒めてくれました。
「ありがとう。エリナさん、モアさん。マリーの腕が本当に凄いのよ。」
女同士で盛り上がっていると、グスタボ君とサトル君も話が弾んでいました。
「グスタボ君の絵が沢山ついてる本、僕買ったよ。家族に見せたらびっくりしてた。あっ、君の事は言ってないからね。」
「ありがとう、サトル。夏休みはチョコのファッションショー用のドレス作りで忙しいけど、サトルともたくさん遊びたいの。サトルからも誘ってね。」
「うん、勿論誘うよ。あっ、でもファッションショーって?」
話がちょうどファッションショーの話になったので、私は皆んなに週末だけ占い師として活動している事や、ピエンさんを占って分かった事や、その為にファッションショーへ出る事などを報告しました。
「チョコ、よく話してくれたわね。私達はあなたの味方よ。それに惜しみなく協力するつもりよ。」
「私も同じよ。遠慮されるのは嫌いなの。何でも言ってね。」
「僕も、何か出来る事があれば是非やらせて欲しい。」
「チョコ、良かったわね。もう何も怖がらずに、むしろ楽しんじゃいましょうよ!」
皆んなに協力してもらえるようです。私達五人で、何があっても怖がらずに楽しんじゃうんだそうです。とても素敵です。
これが友達かぁ。チョコもるなもこれまでの人生で友達がいなかったので、今しみじみと友達のありがたみを味わっていました。
「友達って良いねぇ。」
思わず口に出てしまいました。
「あらやだ。チョコ、感動してるの?可愛い。」
グスタボ君にからかわれてしまいました。グスタボ君を見ると、何か決心した顔で私を見て頷いた後に、皆んなに告白をしはじめました。
「皆んな聞いてくれる?私ね、今体の中におばあちゃんが入ってるの。私の体に目に見えない者達がよく入ってくる話は前にしたわよね。でね、今はおばあちゃんが入ってるの。」
「大丈夫?何かされてない?」
サトル君が心配そうに、グスタボ君の手を握ってあげてます。
忘れてましたが、そういえば私達はまだ12歳なので、友達と肩を組んだり手を繋いだりして、体を使ったコミュニケーションをとりたがる年頃でしたね。手を繋いでる事にいちいち反応してはいけませんね。
「うん、大丈夫。そのおばあちゃんね、実は私の前世の人なの。昔、地球という星で〝イタコ″という心霊を体に下ろす職業をしてた頃の私なの。あっ、大丈夫かな。話について行けてる?」
「うん、とりあえず話を続けて。」
サトル君が真剣に聞いてます。
「でね、そのおばあちゃんは、なんとチョコの前世のおばさんだったのよ。」
「ねぇグスタボ君、話を整理すると、グスタボ君とチョコは前世で一緒に生きていたのね。それで、グスタボ君の前世がチョコの前世のおばさんだと言うのね。」
モアさんが一生懸命話をまとめようとしてくれてます。
「そう。そのおばさんなんだけど、地球で歳をとっておばあちゃんになって死んでしまったの。だから今私の中にいるの。」
「一つの体に二人の人間が入ってるってどんな感じなの?本当に大丈夫?」
サトル君が混乱してるようです。
「えっとね、そのおばあちゃんの生まれ変わりが私だから、私は私のままなの。ただ、おばあちゃんの記憶とかは私の中に残ったままになるわね。
そのおばあちゃんも死んで私の中に入った時点で、私の記憶を引き継いでるからすでにグスタボ・ムーンライトになってるの。」
「つまり、地球での前世を思い出したグスタボ君って状態なのかしら?そうなると、どうなの?グスタボ君の心は男なの?女なの?」
エリナさんは理解したようです。そして、核心をついてきました。
「あっ、恋愛対象は勿論女の子よ。ただ、女の心も入ってるから、カッコイイ人には反応しちゃうかな。あと、前世で好みだった男の人を見るとドキドキはするかも。」
「‥‥分かった。両方大丈夫って事だね。」
サトル君が気付いてしまったようです。グスタボ君が、女の子だけでなく男の子も好きになれる可能性がある事に‥‥。
「あら、良いじゃない。男も女も好きになれるなんてお得じゃない。もともと神官とか神様とか中性的な人が多いんでしょ。グスタボ君の外見も中性的だし、違和感ないわ。」
エリナさん、さすがです。皆んなが思っていた事をさらっと言ってのけました。
そうなんです。グスタボ君の外見のせいか、男も女も好きになれると聞いても違和感がなかったのです。むしろ納得というか‥‥
「んもう、だから恋愛対象は女の子だって言ってるでしょ!ああ、でも分からなくなってきた。ちょっと前までは、チョコの事を気に入っていたのよ。異性として、恋愛対象としてね。
でも、チョコのおばさんだっていうおばあちゃんが入ってからは、チョコの事をもうそういう目で見られなくなっちゃったの。なんか身内というか妹みたいな存在にしか思えなくなっちゃったの。自分でも結構戸惑ってたのよ。今は平気だけど。」
あっ、私って今さりげなくグスタボ君に告白されました。グスタボ君が私を異性として見てたと聞いて嬉しいけど、何だろう‥‥私もやっぱりグスタボ君の事を、身内か弟のようにしか思えません。
「じゃあ、生徒会のノア先輩はどう?お似合いじゃないの。」
「エリナ、やめて!変な事言わないの!」
「ノア先輩って?」
「こら、サトル!その話はもう広げないで!」
「ノア先輩は、生徒会副会長で読書家でクールな方ですよ。いつも図書館で気になってた方なのでよく知ってます。グスタボ君がライバルでも、私は諦めませんから。」
「ちょっ、モアちゃん!私はライバルじゃないからって、えっ?モアちゃんってノア先輩の事を好きだったのね。」
話が変な方向に流れていってしまいました。
結局この日は、グスタボ君の話で終わってしまい、私がマカロン先輩とお付き合いしてる事を皆んなには話せませんでした。




